第129話 大雑把な笛吹き
朝食を食べ次第にガゲッツ公爵領の隠し金鉱に跳んだ。
連日出入りしている商人達に隷属紋を叩き込み、掘られた大空洞の土地に10000人規模の街と商店を早急に作るように命じる。掛かった費用は公爵に請求。
金鉱の入り口前は荒れ地でキラーワームがいるので街づくりには適さない。折角ある大空洞に街を作ればいいと思った。
公爵家に行き私兵団の宿舎や建物をインベントリに入れようとしたら入らない。
インベントリLv6 4000㎥ SP30
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インベントリLv7 8000㎥ SP35 ↓
インベントリLv8 16000㎥ SP40
インベントリLv9 32000㎥ SP45
インベントリLv10 64000㎥ SP50
追加SP SP170
何往復も持って行った。
食事を作る使用人も食堂も宿舎も食品倉庫まで何もかも大洞窟に持って行った。
武器、防具、金品、団長、副団長の持つマジックバッグまで寝巻と日用品以外は全て没収だ。それは建物ごとインベントリの仕分けで終わるから便利。
私兵団とゲートの守備隊は商人の出入りする通路の拡張に当たらせる。公爵家の敷地で私兵団と関係者は仲良く手を繋がせて一回で大洞窟に転移させた。
今後来るはずの罪人や、ここで生まれた人達が定住を希望しても人として住める建物が足りない。早急に人が住むに足る建物が欲しいのだ。
ガゲッツ領都に跳んで貧民街のボロイ建物を全部ゲット。
区画単位に空き地が出来て行く。シムシティーだ(笑)
ゲット出来ない建物は中の人を隷属して外に出す。人が出て来たら建物取っちゃう。俺の回りに親衛隊がどんどん増えて行く。子供も一緒にぞろぞろ連れて歩く。家を奪う新手の新興宗教だ。
多くなったらまた手を繋いで大洞窟に持って行く。建物を大洞窟に置くと綺麗に並んで気持ちいい。風も無くて暖かいし仕事もらえて食わしてくれるさ。
また領都にもどって建物ゲット。
何も無い空き地見て放心してる奴も一緒にゲット。
なんだなんだとその辺の建物から出て来た奴も、お前も一緒に来いと連れて行く。子供いるなら連れて来いと誘う。貧民街の建物をゲットして行く。
仕事と家と食糧のある夢の暮らしが待っている。とは面倒臭いので説明も何もせず、俺だけがそう思って大人も子供もその辺の奴は全部連れて行く。
また金鉱山に戻って建物を並べて行く。
またゲットしに領都に戻る。
どんどん貧民が焼け出されて行く。(焼けて無いけど)
焼け出された人を連れて歩く。(俺が原因だけど)
ハーメルンの笛吹きになってるわ。
連れて行くのは岩山の洞窟じゃなくて金鉱の大空洞。
貧民狩りになってるこの状況。
神の使徒が人攫いしてる状況(笑)
でもさぁ、スラムなんだよ。職も家も金も無い。貧民や流民は建物と建物の隙間や階段の下に住んでたりするのよ。奪った建物に屋根が渡してあると屋根ごとゲットしちゃう。
ゲットすると貧民だけが空き地に残されて笑う。
人だけが(寝てたら布団ごと)土地に残るのよ(笑)
住んでる所取っちゃってゴメン。
こっちも急いでるから苦情は聞きません。と隷属。
後か先かだけなのでついでに説法しておく。
・家内仲良く、親と子を大切にしなさい。
・獣人・人には親切、仕事に熱心でありなさい。
・獣人・人を恨まず
・腹を立てずに悪口言わず正直に生きなさい。
・笑顔の絶えない楽しい人生を歩みなさい。
全員隷属紋付けて、仕事があるぞ!と大洞窟に転移。
4回も往復して3000人以上も鉱夫が増えちゃった・・・
・しばらく奴隷と一緒に金掘って食わせて貰え。
・お前たちは町の住民にしてやるからな。
・色付けてやるから気にすんな。
・ちょっと働いて待ってろ。
一回運ぶごとに思った事そのまま伝えておく。
やることいっぱいで大雑把すぎな自分に笑う。
監督官とその部下に急に増え過ぎた鉱夫を任せる。今日だけで傭兵団も入れて10000人以上も増えちゃった。
洞窟の指揮官に住処や仕事を割り振らせる。出入り口の拡張工事に傭兵団を3交代で24時間当たらせろとも言う。終わり次第に街づくりの手伝いに使えと言う。
建物を綺麗に並べると街らしくなった。
他所の街から貧民街の建物と人も連れて来ようと思う。ここに来たら金を掘りながら平民として人頭税も払えて領民の暮らしが出来る。お腹いっぱい食べたらいいよ。
やる事リストから次の課題へ突き進む。
隷属の練習。
領都に跳んで建物の上から変身した。
30秒の魅了で俺を見た者を検索追尾で隷属していく。半径2km圏内に1.8万人いた。人が多すぎて15回発動し全員隷属してから拡声で誓約する。
隷属に慣れて2000人を一度に隷属するまで向上した。
・家内仲良く、親と子を大切にしなさい。
・獣人・人には親切、仕事に熱心でありなさい。
・獣人・人を恨まず
・腹を立てずに悪口言わず正直に生きなさい。
・笑顔の絶えない楽しい人生を歩みなさい。
最初の声を聞いたとたんにゲッシュである。
しばらく人を視た。突然変な動きをするとかの異常行動はない。普通の生活は変わらない感じ、獣人への偏見は消えた。歪な感情だけ無くなったら成功だけどなぁ。
とりあえずこの区画で何日か行動調査しておこう。
帰る前にスラムでふらふらする人達を拾った。
雨が無く冬温かく夏は涼しい鉱山の街に誘った。
仕事、食べ物、家のある街に強制連行した。
・・・・
8時間の大忙しで昼も食べずに16時になった。
そのまま聖教国大教会のトイレに跳んだ。
大教会の噴水前広場に屋台が沢山出ているのだ。
噴水広場へ出て露店を物色する。
お好み焼きの様な屋台があったので覗いてみた。
買おうとして気が付いた。聖教国のお金持ってない。あ!両替商のがある!貴族が賎貨20枚(200円)で払う。あくまで預かっているお金である。賎貨20枚帳簿が違ったら、子爵家の孫が賎貨を摘まんだと思われるのも癪なので両替した。我ながら小者だ。
「おじちゃん、銅貨2枚だよね?賎貨20枚でいい?」
「坊や、お小遣い貯めて来たのか?」
「この国のお金無いから賎貨なら良いかなって」
「セントフォールの金持ってないのか?」
「うん」
「どっから来たんだい」
「コルアーノ」
「また遠くから来たなぁ。もう焼けるぞ」
「教会のな、右の建物あるだろ?そこで両替できるぞ」
「ホント?ありがとう」
お好み焼きを受け取る。
「はい、20枚(笑)」
「おう!また来てくれよ」
教会前の噴水でぺろりと食べる。
お腹空き過ぎて丸呑みだ。
手から直接水魔法でたらふく飲む。
右の建物に走りコルアーノ銀貨一枚(1万円)交換したら銅貨5枚分(500円)手数料だった。高いのか安いのか?多分安いと思う。
「おじちゃん!もう一枚焼いて!」
「また来たのか(笑)」
「美味しかった」
「よし、わかった。大きめに焼いてやる」
「やったー!」
「その剣は重くないのか?(笑)」
「重くないよ、こうやって抜くんだよ」
「お!かっこいいじゃねーか」
「こうやってしまうの」
「上手いな!」拍手してくれる。
まだ慣れてないから眼で視て鞘に入れている。
でも熟練してる様に見えたらカッコいい筈だ。
「焼けたぞ、サービスし過ぎた(笑)」
「さっきよりだいぶ大きい!はい、銅貨二枚」
「坊や、また来いよ。サービスしてやる」
「うん、ありがとう」
噴水の枠に座って、今度は味わって食べる。
聖教国の大銅貨と銅貨を眺めながら食べる。
人物のレリーフを視たら有名な穢れを退治した1300年前の
スープの出汁が濃い目に生地に染みてて美味しい。
今度俺も作ってみよう。
・・・・
精神的にヘロヘロになって首尾を導師に告げる。
・帝国の獣人奴隷に関係した貴族は隷属した件。
・ガゲッツ公爵領の私兵と裏金鉱の獣人奴隷の隷属。
・大洞窟内に街を建設中のこと。
・聖教国の受け入れ態勢の事
新国の名は 神聖国イーゼニウム
帝国民との誓約の言葉
・家内仲良く、親と子を大切にしなさい。
・獣人・人には親切、仕事に熱心でありなさい。
・獣人・人を恨まず
・腹を立てずに悪口言わず正直に生きなさい。
・笑顔の絶えない楽しい人生を歩みなさい。
神聖国が出来たら誓約に付ける言葉。
・獣人や人に悪意を持って危害を加えた者は男爵に出頭。
導師に聞くと直接的に何かしろと言わない所が良いと褒められた。その人によって考え方が深かったり浅かったりするので制約も画一になりにくいらしい。
ベタベタな家族、手を繋ぐ家族、笑いあう家族。何も言わないけど想い合う家族。そんな風に俺は認識した。
3月10日から始まる帝国議会で皇帝始め全ての貴族を隷属すること。師匠と導師は前日からゾルタス子爵の護衛として議会場に入り、待機する貴族護衛に対処してもらう事。
導師も余りの速さに絶句したが、タラタラやってちゃ進まない。
そんな訳で夕飯まで二時間弱の証文をやった。
・・・・
夕飯後、導師が師匠と俺を新しい家に呼んだ。
帝国情報の擦り合わせと家のお披露目だ。
この一か月の帝国に対する動きと聖教国の動きを掻い摘んで話して、勝負は議会と皇帝の隷属である事を話し合う。
・護衛が議会を気にした途端に護衛を制圧してもらう。
・護衛を絶対に議会場に入れない事。
・教皇の腕輪を使って半径100mの者を魅了するので耐性の高い護衛の動きに注意してもらう事。
・当日は議会の出入り口に内側から障壁を張って貴族を逃げない様にして隷属させる事。
・議会内の隷属が完了したら、その後に会場内の人を麻痺させて隷属する。麻痺させたら二人に議会に来てもらい、抜けが無いか確認してもらう。
・当日、皇帝が御子を紹介する時に、出入り口封鎖>身代わりの珠強奪>魅了>隷属>誓約と魅了発動中に議会内で進める。
・罪の選別まで終わると、皇帝から教皇名代のアルが帝位を受け取り、神聖国イーゼニウムを宣言させる。貴族満場一致で神聖国を可決し、アルが国を受け取る事を話した。
余りの壮大な無血建国に二人が唖然とした。
導師邸
https://gyazo.co/f43ed624d29ac29d981cef658b10cbc4
応接だけ家具が入っていた。
内装の職人さんにオーダーで作らせたんだって。
打ち合わせには最適な家だからな。
応接の周りの敷物が最高級でふかふかだ。
自分の好きなベッドと寝具を買って来いという。
皆インベントリあるからタンスやクローゼット要らないしな。
聞くと客間のベッドとか食器とか導師もキャンディルまで行って揃えるらしい。
師匠に聞くとリリーさんの事を嬉しそうに話す。
オットーさんはパーヌへ帰っている。
外に出ていた2男1女を呼び戻し家族で商会をやるそうだ。
兄弟全員私塾出身の民間エリートなんだって。
(現在は奥さんと使用人、長男夫婦:隊商、次男夫婦:隊商)
リリーさん(長女24歳今年25歳)はうちの家で暮らして2番街の新居探しと4番街の店舗探し(妹(21歳)がロスレーンで裁縫職場兼針子の宿舎、店舗を切り盛りするらしい)で忙しいそうだ。
師匠はお爺様とレンツ伯が王都で合流してハルバス公爵に会って報告するまで何もする事無いという。
今日も副団長達と模擬戦して来たそうだ。
暁のガルス、ハルト、レノア、ローレン、マルクさんも身の振り方を考えてるそうで、とりあえずマルクさんと1000名の団員が休憩でロスレーンに滞在するそう。
そんじゃ俺もベッド買って来るかなぁと予定を組んだ。
予定を組んでも証文は毎夜の日課だった。
・・・・・
帝国地図
https://gyazo.com/ca9f52debe16679d8c2ca9f38f5f616e
翌日の9時半に師匠の鍛錬が終わり次第に帝都に跳びエールス公爵領の公爵邸と私兵5000名、裏金鉱の獣人奴隷と使用人たちをゲッシュして、やはり大洞窟に街を作る事にした。
金鉱前にも街を作るように商人達に言い渡す。耕作可能地だったのでキラーワームも居なかったのだ。
一度経験した事なので、まごつかずに一気に建築物や使用人を移送して形だけ作っていった。
エールス公爵の湖畔の別荘が良い感じなので大空洞の執政官事務所に丁度いいと持って行った。何も無しの更地になったら違和感が半端なかった。
神聖国イーゼニウム建国後は使わない。
馬車馬のように働いて国を良くするんだから別荘行ってる暇は無いと思うのよ。
翌日はゾスト侯爵領の侯爵邸にお邪魔して同じことをやってきた。私兵はやっぱ4000名、金鉱は以後は開放するから金鉱前には街を作って、大空洞には私兵の関係宿舎などを置いて行った。
導師を連れて来て、金鉱前の新しい街に置いた華美な別荘を見せ、新しい街の教会兼執政官事務所と言ったら怒られた。
集めたスラムの建物の真ん中に立つ別荘(笑)
家を探してる師匠に公爵の別荘を見せたら男爵が住む家じゃねぇ!と怒られた。なんか小さい家が好みで探してるらしい。
導師に怒られた公爵の別荘50m×20m×9m。家具、調度品付きの2Fのお屋敷どうすんだよ。邪魔でしょうがない。
うちの庭に置いたら怒られるよな。
使い様が無いので返してきた。俺のバカ!
次回 129話 神の御業
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