第118話 どの名もアルベルト
帝国の俺
ステータスボード No.2
アルベルト・ゾルタス 11歳 男
ゾルタス子爵家第二夫人、アニーの長男 健康
職業 ―
体力:62 魔力:ー 力:40 器用:342 生命:48 敏捷:35 知力:652 精神:671 魅力:84 幸運:87
スキル
身体強化Lv2 格闘術Lv2 剣術Lv1 馬術Lv1 投擲Lv3 威圧Lv1 魔力眼Lv2 火魔法Lv1 光魔法Lv1 水魔法Lv1 無魔法Lv1 時間魔法Lv1 土魔法Lv1 風魔法Lv1 雷魔法Lv1 氷魔法Lv1 聖魔法Lv1 闇魔法Lv1 精霊魔法Lv1 多重視点Lv1 真実の眼Lv10 真実の声Lv7 真実の魂Lv6 ※NEW 虚言Lv1
対混沌衆用防御恩寵(基本防御)
恩寵付与Lv10 精神耐性Lv10 麻痺Lv10 恩寵強奪Lv10 恩寵分解Lv10 ステータス封印Lv10 恩寵防御Lv10 麻痺耐性Lv10 毒耐性Lv10
対帝国用防御恩寵。
危機感知Lv10 自己再生Lv10 並列思考Lv10 状態異常耐性Lv10 魔法防御Lv10 物理防御Lv10 インベントリLv6 転移Lv7 魔術紋Lv10
※魔法防御、物理防御、魔術紋はLv1からのブースト。
今日から師匠とリリーさんを放し飼いにした。
二人共ロスレーンに住むみたいなのよ。お爺様とお婆様がそれぞれに付いてずっと話してるから、とりあえず帝国は俺が受け持った。安全な拠点を確保したからだ。
同じく導師にも上がってもらった。
実は、農家ハウスが内装工事に取り掛かっているのだ。
内装仕上げの要望を職人に伝えたいだろうしさぁ。
帝国地図
https://gyazo.com/ca9f52debe16679d8c2ca9f38f5f616e
そんな訳で転移Lv7付けて、こっちの家の一員になっている。
今日、略取してきた子供達を奴隷商会へ引き渡す。
実はゾルタス子爵は帝国内の奴隷流通にタッチしてないのだ。その辺が難しい所で、子爵邸を完全掌握するまで怖くて師匠と導師に付いてもらってた。
これから国内流通の奴隷商人を辿って視る事で一連の流れを確かめる。
奴隷商人のイメージから流通拠点へ跳ぶ感覚を身に付けたいと思っている。
最終目標は帝国議会議長のガゲッツ公爵のイメージから帝国議会に跳んだり、皇帝の近くに跳びたいと思ってる。
公爵邸には6000人の私兵。騎士団ではない。何でもやるならず者、獣人狩り本体だ。ガゲッツ公爵は「敵となる者はいつでもお相手する」と公言する人みたいだからね。勝って来たんだろうね。今まではね。
穏健派の貴族も議会で彼が怖くて突つけない。自身が滅ぶ可能性より迎合して好転する機会まで我慢する。
強大過ぎるアンタッチャブルなのだ。本気で腐敗撲滅に動けば周りの利益派閥とも派手な内戦になる。
やっぱりこの国も絶対帝政ではないのだ。
内戦に次ぐ内戦を平定する事で巨大となる絶対君主制。
その巨大となった絶対制で侵攻を繰り返し衰退する国力。時代と共に移り行く覇権国。あっちの歴史はそうなっていた。こっちはステータスボードを巡る国力衰退を要因にして、外見を取り繕いまとまった国が多い。
公爵派は国を食い物にする気満々。領地を武装し国や民を自由にして富を吸い尽くす。味方になれば優遇し、敵は暗殺、脅して、議会をコントロール。
これってどうするのよ?と解決策をファジー検索。
うは!あっちの世界でもまったく解決されてねぇ・・・
てか、こっちと同じ酷い世界を見せられた。
あっちの危ない国と一緒だ。
慈悲深い絶対神の元に人は愛されると平和を唱えながら、その唯一絶対神を信じない異教徒には神の鉄槌を下せだ。近代史以前は汝殺すなかれと書いてあっても欲望のまま勝手に捻じ曲げて殺しまくる。紀元前からやってんだから筋金入りだ(笑)
獣人=異教徒と敵認定する公爵様と一緒だわ。
言う事聞かない国に侵攻して虐殺しまくって、その様な事実は無いとか普通に国連で言ってるわ。議長の公爵様と一緒だわ。
議会の反対勢力の村を虐殺。
女に教育は要らんと女学校ごと襲って売ってやがる。売ってる嫁を親戚中から借金しまくって買う。NPOが発見した時には両国と借金と子供と家族と国籍で大問題だ。
こっちは売らず殺さず奴隷にするだけだ、公爵様と一緒だわ。
麻薬シンジケート、人種、部族差別、宗教差別、内戦が終わらない国。TOPは己の欲に貪欲に動く。公爵様と一緒だわ。
人は知恵が回る分、勘違いすると欲が底抜けだ。
マジで聖教国の教えを知りたいな。
俺は子供を攫う腐った国を知って帝国に来た。
来た以上、抗えない混沌衆は叩き直す。
・・・・
コルアーノ王国から連れて来た子供達を奴隷商に引き渡すので一緒に行った。
ゾルタス子爵の領都だ。店に横付けで子供を引き渡す。俺は店の使用人と護衛の18人全てに隷属紋を刻む。
一瞬で18人問題なく刻んだ。「ご苦労様」とゲッシュを宣言する。(隷属紋の魔力認証)
お父様に、街で遊んで夜に帰ると店に残る。
自分が最悪のウイルスを撒き散らすゾンビに思えて来た。
領都で残る仕事は聖教国の密偵を知る司祭を探す事。
取り合えず教会に行った。
司祭を視ると全く密偵の事は知らなかった。
司祭のみんなが知ってるわけ無いよな。
孤児院に寄って喜捨し、恩寵付けて帰って来た。
明日、子爵領都から奴隷馬車が出発する。
周りの国からも略取して来ている。各ルートと役割が確立している。視る物は見た。行くのも大変、西部劇の荒れ地だ。
教会の伝手を手繰るのに(奴隷商のイメージで)公爵領に跳んでみるかなぁ・・・他にやる事って忘れて無いよな?
(アル様)
(なぁに)
(荒れ地に魔力を吸うモンスターいます。怖いですよ)
(え?そんなのいるの?)
(荒れ地の下にいるです)
(モグラみたいな?)
(ちいさいミミズみたいのが怖いですよ)
(え!そんなのが襲ってくるの?)
(こないだの精霊みたいにウジャウジャ来るです)
(え?え!)
(アル様が怖がった精霊みたいにミミズ来るです)
(・・・)
近くの使用人を検索で視た。うげ!キラーワームだって。
5cmぐらいの赤いミミズみたいのがビッシリと人に集る。魔力を吸いつくして殺すみたいな。綺麗な死体・・・
(魔力吸われても死なないけど、イヤ過ぎるなぁ)
(アル様また怖いですよ?)
(あ!俺が怖がるから教えてくれたのね?)
(ですよ!)
(え!前のウジャウジャ変なのは精霊なの?)
(生まれたばかりの精霊ですよ、形になって無いです)
(今ももしかして周りにいる?)
(ウジャウジャ沢山いますよ)
(げーーーー!あれがか。マジか)
(マジですよ)マジを使うシェル
(つかうです)あ!
(アル様の魔力が欲しい欲しいと寄って来るです)
(あ!精霊魔法ですぐ出ちゃうのはアレか!)
(ですよ)
(俺から漏れてる?魔力眼では視えないけど)
(漏れてますけど。美味しい甘い匂い)
(ぐは!良く分かった!アリが集るみたいやな)
(シェルの魔力ってどうなってるの?)
(シェルは出してないです。魔力出すと景色が歪むです)
(え?景色が歪むの!)
(景色の出す魔力を邪魔して魔力眼の景色が歪むです)
(ぐえ!そんなに(笑))
(そんなにです(笑))
(見てる景色と魔力眼の景色が違ったら困るよねぇ)
(えへへ)
(俺も出したくないんだけど。甘い匂い)
(気配遮断か魔力遮断です)
(魔力は分かるけど気配もなの?)
(気配は魔力や呼気や視線、空気の揺らぎです)
(あ!気配察知や気配遮断持ってる盗賊いたのに!)
(アル様は気配遮断しても視えますからね)
(シェルが教えてくれてよかった!ありがとう)
(気配遮断Lv10入れるから精霊見てて)
(はいです)
パッシブ検索で出た気配遮断Lv10を入れた。
(匂いが消えてアル様探し回ってます)
(え?面白そう!その子達は見えないんだね)
(はい。生まれてちっちゃいのが慌ててます)
ちょっと離れてみる。
(精霊たちがおいてきぼりになってます)
(あはは!そうなんだ)
(これで赤いミミズは大丈夫なんだよね)
(大丈夫です)
(シェルー!ありがとう!)
(えへへ。はいです)
・・・・・・
帝国地図
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もうすぐ14時。
ここのやる事は終わった!と気合を入れ直して、公爵領の息の掛かった奴隷商専用に作られた宿の部屋に跳んでみる。
イメージ転移大成功!
空き部屋だ。
居ても黒い奴隷商だから麻痺>隷属で終わりだけど。
時間があるなら先に先に進んで行け。
窓から街を見渡して公爵で検索。
うおー!あるある!公爵関係者の建物だらけ。
これだけあったらすぐ辿れるな。
窓から見える路地に跳んで教会に走った。
え?教会に孤児院無いよ。
ぐは!やられた。公爵が孤児院やって育ててやがる。孤児の仕事まで斡旋してるよ。そりゃ、そんなのやってたら他の国から攫ってるとか絶対無いわ。見抜けないわ。
あるあるかよ!
なるほど、裏経由でしか公爵を視て無いからな。表の顔なんか全然しらんわ。善人ぶりやがって。
シスターに司祭様にお会いしたいと言うと変な顔されたので伝家の宝刀のカードを出す。帝国留学のロスレーン家の坊ちゃんだ。婆やとかマドンナ居ないけど。
それ以前に格好が平民の子供冒険者だ。
司祭様が来た。
「コルアーノ王国の貴族様と聞きましたが、ようこそ聖教会へ。司祭をしておりますロスと申します」
「はじめましてロス司祭」視まくった。
あ!やっぱこの人は知ってる。聖教国の密偵支援してる。
そのまま”鳥の話で来ました”と告げる。(合言葉だ)
司祭はこんな小さな子が合言葉を!と驚いた。
案内されて部屋に通される。
部屋に通される前に帝国の聖教会関係者を全部洗いだした。
マジ真実の眼最強。ロス司祭のイメージ視てるだけで聖教国の密偵関係相関図が埋まって行く。本人が何だろう何だろうと思うだけで情報が結び付いていく。
「ロスレーンのお貴族様と伺いましたが・・・」
「仮の身分です」聖魔法のヒールを無詠唱で見せる。
「おぉ!なるほど、わかりました」
視た情報から得意の嘘ぴょん話を紡ぎだす。
「潜入した者が消える事態。ヨルノン大司教も心を痛めておられました」
諜報を束ねる聖教国情報部の大司教だ。
虚言Lv1の実力を食らえ(笑)
すでに開き直っている。
「おぉ、ありがたいお言葉を。すぐに連絡が付かなくなるのです。困っておりました」
「看破持ちに注意せよと。教会以外の活動は見破られます」
「・・・」ロス司祭が青ざめる。
「それを皆にお伝えを、潜入は危ないです」
「承知しました」
「今しばらく帝都のステレン大司教の指示をお待ち下さい」
帝国の情報を持って帰る任務の大司教だ。
「はい」
「仔細は話せませんが、この様な子供で身分を偽っております。現場のロス司祭の声と共にステレン大司教へヨルノン様の言葉を届けますので何でも仰って下さい。聖教国より直通の書状は危険なのです。信心深い貴族の子として大司教様への紹介状をお願い致します」
「バート・エリザ・ナタリーが消息不明とお伝えください」
顔と名前を検索・・・この領都に居ない。死んだな。
「それで分かって頂けるのですね」
「はい」
「それでは、帝国留学しているコルアーノ王国ロスレーン子爵家のアルベルトがステレン大司教様に会えます様に紹介状をお願い致します」
分かりました、お待ち下さい。
・・・・
「こちらが紹介状になります」
「確かに。預かります」
「あとこの様な物を預かってますが使えます?」
帝国金貨を出す。ロス司祭を視た。コルアーノレート0.8ってか金の含有量かよ。レートもクソもこの世界じゃそうだよなぁ。国で使える使えない以前の問題だわ。金こそ全てだ(笑)
「使えます、高額貨幣ですが問題無く」
「置いて行きます。指示があるまで静養と英気を!」
帝国金貨10枚(400万円)
「承りました」
獣人奴隷賛成派の拠点だからな。教会負けるな!
よし、道筋が少し進んだかな。
路地裏にしゃがんでロス司祭から視た帝都教会の礼拝堂に跳ぶ。
・・・・
15時過ぎ。
礼拝堂の隅にある机の脇。四つん這いの俺に気が付いたとしてもいたずらしてる小僧にしか見えないだろ(笑)
そんな事思いながらもシスターの元へ歩く。
「これをステレン大司教様へ」
「少々お待ち下さい」
導師が言った看破とか怖いので、教会向けに作ったステータスボードに切り変えておいた。
「待っていると司祭が呼びに来た」
視てすぐに分かった。
教会関係者の暗号が入ったロス司祭の紹介状だった。
「アルベルト様こちらへどうぞ」
「はい」後に続く。
「そのまま司教の執務室へ案内された」
「こちらに大司教様がいらっしゃいます」
ノックをしてアルベルト様がいらっしゃいましたと声を掛ける。返事と共にドアを開かれるのを待つ。
この国で一番偉いステレン大司教に会う。気合入れろ!
司教の部屋には大司教以外に3人いた。
帝都教会の司教、上級司祭、聖女・・・え?
あ!会議中だったのね。
俺に聖女を紹介しようと気を使ってくれてた。
おもてなしは感激だけど、今はいいわ。
「アルベルト・ロスレーン様ですな、ロスの手紙拝見いたしました。今日は何用でございましょう」
「お人払いをお願いできないでしょうか?」
「!?」
「この者たちは聖教会の聖女の一行で何も心配はないが」
近くにより囁く。
「ロス司祭より、バート・エリザ・ナタリーが消息不明」
「な!・・・」
「目を見て頷く」
「すまぬが急ぎの大事だ!皆、席を外してくれ」
一同が驚く。
「すまぬが会議は後だ。皆すまぬ」
大司教が頭を下げ、皆が出て行く。
扉が閉まると、気を落ち着かせ大司教がお茶のワゴンに向かう。自らがお茶を出してくれる。
視た。政治力は高い。神を信じても居る。司祭>上級司祭>司教>大司教と経験し、政治の汚さも人の汚さも知る。
行け!ダメなら支配する。利用されるとか疑うな。
遮音の魔法を無詠唱。
「ご苦労だった、伺おう」
「獣人奴隷6万人の事でしょうか?」
「な!」
「周辺国家より子が8000人攫われている事でしょうか?」
「 」お茶のカップが落ちる。
「あなたの考える通り、この国は腐っています」
「・・・」
「神に誓えますか?」
「・・・何を誓えば?」
「これから知る事を漏らさないと。神に誓って頂けますか。声に出して神に聞こえるように誓って下さい」
余りに目力が入り過ぎ威圧Lv2が付いてしまった。
「わかった。これから知る事を神に誓って話さない」
「よかった。本当に誓われましたね。神が聞き届けましたよ」
「何を(笑)」
「あなたが今、神に正直な方と証明されたのです」
「・・・」
「あなたは神に嘘をつかなかった」
ステータスオープン No.3
アルベルト 11歳 男
神々の御子 健康
職業 神々の使徒
体力:62 魔力:ー 力:40 器用:342 生命:48 敏捷:35 知力:652 精神:671 魅力:84 幸運:87
スキル
加護
創造主、ネロ
豊穣の神、デフローネ。
戦いの神、ネフロー。
審判の神、ウルシュ。
慈愛の神、アローシェ。
学芸の神、ユグ。
「神が見ておられますよ」
大司教はそのステータスボードを見て震えた。
次回 119話 聖教国セントフォール
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この物語を読みに来てくれてありがとうございます。
読者様にお願い致します。
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ポチをしてくれる事。それはとても励みになるのです。
一期一会に感謝をこめて。よろしくお願い致します。
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