第90話  人の群れ



ミリスを出てパーヌへ向かう中の午後。


ロスレーン-ロスト-ミリア-ミリス-パーヌ-ヘクト。


領都から西に向かう街はこんな感じ。ロスレーンが境界の砦だった。他は元のロストミリス家が持っていた領地だ。


なんて言っていたら・・・


俺の検索に引っ掛る。街道で見張ってる者が視えた。視た瞬間に見張りから恩寵を奪って麻痺を掛ける。


7~800m程先の左カーブの向こう側。今、盗賊が14対6で押し包んで冒険者が遊ばれてる。矢を受けて足引き摺ってる人がいる!


「導師!盗賊です。あの山で切れてるカーブ。あそこまで転移お願いします。馬・・・は置いて。3人で!」


「なに!」

「おう!」


師匠も導師も驚くが、やっぱ緊急でも落ち着いてるな。


「私と師匠に触れたら3人跳べます。跳んだカーブの先100m程に荷馬車2台と盗賊です」


「おぉそうか!」


俺が導師と師匠を掴んだ。


「これで行ける筈」

「行くぞ!」


瞬時に景色が変わってまごまごする。

師匠が馬車見ていきなり走り出す。遅れて俺も続く。導師は馬車まで転移した。(跳ぶなら引っ付いてりゃ良かった!)


盗賊の間合いに入った瞬間に師匠が縮地で跳んでなぎ倒す。(倒れてない、地面と平行に飛んでった)


馬車と馬車の間にいる商人の横で導師が魔法障壁(物理)を多重に張って馬車ごと囲っちゃってる(笑)

俺しか見えてないけどね。俺はまだ走ってる。


障壁の外側にいる師匠が鬼だ!無双だ!呂布がいるぞ!

身体強化の盗賊を腹パン一発で飛ばしてる(笑)


見たい気分をねじ伏せて、周りの盗賊に麻痺だ、俺も子鬼だ。

師匠が暴れてる最中も俺はまだ走ってる。たった100mちょい走ってるだけで師匠に追いつくまでに4人はぶっ飛んでる。転移と縮地に勝てるかって話だよ。


俺は冒険者と入り混じる盗賊から恩寵を根こそぎ奪う。

奪った後、やっと馬車に着いた。物理障壁に入れて貰って、俺が代わりに張る。導師には怪我してる冒険者にヒールをお願いする。


お主がやらんのかと言う目に、目で含むと、なるほどと納得して行ってくれた。冒険者は倒れて危ないのがいる。最初の見張りの恩寵は奪ったので街道のもう一方を検索して隠れてるのからも奪った。


周りがみんな麻痺して静かになってから、街道の両側で見張りしていた麻痺の男2人を冒険者に連れて来てもらう。


師匠がカーブまで戻って馬を呼ぶとみんな来た。重傷な冒険者もいたけど導師がみんな治しちゃった。間に合って良かった。


導師と師匠に盗賊から視た事をコソコソ教える。


「山の中に隠れ家があるみたいです」

「女子供もいますねぇ、見張りが2名」

「奪った荷馬車もあるみたいです」


何かから話を聞きながら教えてる風を装う。


「アル、行くか?」

「はい!」


導師は商人からお礼を言われてるので、山に行く事を伝えて2人で行く。冒険者はそのまま護衛で置いていく。(行きたそうだったけど足手まといだ。師匠だもん)


師匠の全力早い早い!フウフウのヒイヒイだ。前で待っててくれるけどキツイ。


山に打ち捨てられた集落があった。

この集落の村人が盗賊になったかも?と思って視たら3人の盗賊が出身だった。6日前に3人ツルんでた小悪党が仲間になった盗賊を連れて里帰りだよ。


食料奪うのに近隣の村の荷馬車を襲ってるな。女子供は世話させるために連れて帰ってる。


速攻で視えた留守番を無力化して奪っておく。


師匠に事情を話して、女共は人攫いの牢から助けたことにする。

今のままじゃ旦那のとこ帰れない。


女3人子供2人(11歳、12歳)師匠に言い含めて貰った。

クリーンを掛けて荷馬車に乗せ、それぞれの村に送っていくから大丈夫と安心させる。


盗賊村には少なくない金品があった。流賊だった。場所をどんどん変えて流れながら悪事を働く盗賊だ。金品を被害者と被害者の村に分けると言うと女たちの目が輝く。そうだよな、家族の暮らしが良くなるもんな。


師匠が荷馬車を用意した、荷馬車5台、馬12頭居た。ロバとヤギもいた。村の被害品は小型の荷馬車3台と馬3頭、ロバとヤギだ。女子供を乗せて荷馬車に金品を積んで帰った。


帰ったら6人の冒険者を連れもう一往復で荷馬車も馬も持って来られた。ついでに女が作ってた夕飯の狸鍋の大鍋まで冒険者に持って来させた(笑)


馬と荷馬車は盗賊乗せてパーヌまで連れて行けば、盗賊の装備に馬と荷馬車を戦利品に渡すと冒険者に約束した。


商人たちは一連の事で3時間程経ったので野営すると言う。


18人の盗賊じゃ紐で縛っても危ないので半麻痺付けておいた。

キャンディルの賢者がやったので、牢に入れたら麻痺を取りに行くと守備隊に伝えるように言った。俺もどうせ無実の囚人を見たいし、ついでだよ。


導師と師匠と俺は女たち一人一人を村まで送っていき。人攫いから取り上げた金品を女に持たせた後、村に配った。馬と荷馬車は村の人達には大変高価な筈だ。帰って来た嫁と子供を泣いて喜ぶ旦那と、喜ぶ村の衆。これからもっと楽になるからな。と付与をしていく。


パーヌに続く街道沿い、山間の平地にある村。そんな村にみんな住んで、それぞれの人生がある。村と一緒に生きて行く、身を寄せ合って生きて行く人達は、なにか俺の持ってない大切な物を持ってる様な気がした。



最後の村で村長の家に泊めて貰った。やっぱ開拓区の難民村と全然違う。厩舎や小屋に馬6頭とロバ、ヤギ、豚、鳥まで居たぐらい裕福?それぐらい生活が違う。難民村は最初、馬2頭飼えないみたいだったから、やっぱ開拓は大変なんだよ。


魔法ランプの横で奪った恩寵を分解しながら思う。コレ、悪人探してたらキャンディル着くの何時になるやら心配だ。今日は探してなくても会っちゃったし、そこら中に悪人いそうで怖いわ、勝手に湧くのかしらん。


村も早くに寝静まっている、日の出と共に起きるのだ。


・・・・


朝、5時に目が覚める。アルの日常が始まる。

村長の家で導師や師匠もいるから、そっと抜け出す。


外に出てライトの魔法で井戸の広場まで行った。


同じことの繰り返し、毎日毎日同じことを繰り返す。身体で覚える、自然に動く、思う前に動く、動作を体に染み込ます。


”その日にやった事はその晩に寝ると心と体に吸収される”と監督は言っていた。アルは言われた通り、ちゃんとその日に染み込む分を頑張るのだ。


目を瞑ってやるから真っ暗でも関係ない。それ以前に鍛錬に入り込んでるから周りの明るさに気を配ってない。真っ暗の中ザッザツ、ザザと地面の擦れる音だけが響く。



次第に夜の闇から濃紺の世界に変わってくる頃。足音が聞こえて来た。村人を驚かすと思い一旦鍛錬を止めて、まだおぼろげな人影に挨拶をする。


「おはようございます」

「お、あぁ、お、おはよう」


変だな?と思って視ようとした途端、ちびった。腰が抜けた。


落花生の様な形の顔にピラニアの顔が付いていた。おしっこは垂れ流しだ。


「すまねぇな、昨日の旅の人だろう?すまねぇな」


恐怖で何も言えない。視る事も出来ず凝視する。


「人に会わねぇようにしてるんだけどな、ごめんな」


余りにも酷い。


ようやく慣れて視た。


人だった。何かの獣人かと思った。


どれほど酷い人生だったんだ・・・

子供のころから36歳まで友達すらいない。

親父には殴られる、お母さんしかいなかった・・・


親父は耐えきれずに村を出てった。親父への風当たりもすごい、村で嫌われ笑われる。逃げても不思議じゃない。


これは酷い。こんな目に合うために生まれて来てるんじゃないのに・・・こんな差別があってたまるか。



泣けた、耐えきれずにわんわん泣いた、酷すぎる・・・共感するなと言うのが無理だ、俺ならダメだ、ダメだと思う。


お父さんが荒れて殴る。何もしてないのに殴る。毎日村で泣いて、家で泣く、泣かない日がない。畑にいるときだけが平穏な時間。何もやってない、頑張って生きてるだけだ。


心も優しい、魂も磨かれている、でもこの人一人ぼっちだ。お母さんが病気で死んでから一人ぼっちで生きてる。


そんな人が俺を怖がらせてゴメンと言う。

その言葉が、喋る事が本当に久しぶりなのに。


母と子で生きて来たんだ、お前はよくやった。本当によくやった。俺が褒めてやる。お前は誰よりも凄い。抗って耐えて頑張って来たんだな。


村で話すら出来ない異形の顔。

余りにもひどい人生だ、でも頑張ってる。

こういう人が救われなきゃダメだ。


走って村長の家まで帰った。

導師に泣いて訴えた、あんな人が居てはだめだと訴えた。涙ながらに訴えた。


導師と師匠が黙って聞いていてくれた。

何も言わなかった。ただ一言。


「神は何と言っておる」

「何も言いません、私が知っただけです」


「それなら、その様に動けばよい。何も案ずることは無い。我らが導かれたと同じ、そういう事じゃ」



・・・・・・・



朝食を出してくれる村長に導師が言った。


「異形の男がおるそうじゃの?」

「なぜそれを?」

「朝早く、そこの子供が見たそうじゃ」

「それは失礼致しました、さぞ怖がられたでしょう」

「その男、見たいのう」村長を威圧する。

「そ、それは・・・」


「村長、朝が終わったら連れてこい」

「かしこまりました」


8時過ぎ、男が引っ立てられて来た。縄が打たれている。俺を泣かしたからか。


導師も師匠も驚いている、余りにも異形なのだ。

獣人100%より、って100%は獣か?


二足歩行のぽい奴よりピラニアだ。異世界語になってない。


導師も余りの異形に声を振り絞って言った。


「村長、その男に美味い物をたらふく食わせよ」


村長も連れて来た村人3人も固まった。!と思った。


師匠にピラニアを任せて導師と共にピラニアの家に来た。


導師も初めての事で戸惑っている。

ピラニアの家を丸ごとイメージして入れると言われてもねぇ?


「はっ!」気合い要らないと思うけど。


「アル!入ったぞ!全部入った」


大喜びだ。爺ぃ大喜び!


「どんな感じです?」

「鍬とか鍋とか個別にも出せるぞ」便利やなソレ。


凄いなぁ、導師いいなぁ!と持ち上げておく。


「次行きましょう」


ピラニアの畑に行き。成長促進を段階的に掛けて師匠がタッチして収納していく。賢者が転移しながら野菜収穫してる(笑) この人マジそういう所はブレ無い人だな。足腰弱るぞ!でも、すぐレベル上がりそう。



1時間程経って用意は出来た。


村長の家の周りの野次馬をかき分けて家に入っていく。


ピラニアに導師が言う。


「お主、母に会いたいらしいの?」

導師に伝えた。導師がどう思ったかは知らん。


「・・・え?どういうことです」

母に会いたいなぁって思ってたじゃん。


「母が儂の所に頼みに来たぞ」

母があの世に連れて来いと言ってるみたいだね。


村長が腰をぬかす。ピラニアもびっくりしてる。


「儂が良いところに連れてってやる」

まさにあの世に連れて行くみたいだ。


「え?お許しください、お許しください」

勘違いしてる、勘違いしてる。


「とりあえずは、この小僧の馬に乗れ」


馬に乗ったリセルに導師が言う。

「この者に袋を被せよ」


皆の前で師匠がリセルに袋を被せる。


コレ完全に殺される罪人だよな(笑)

俺はリセルの前に座りながらウケていた。


しょうがねぇよ、これから存在を消すんだから。


やっぱ導師は貴族だよ。”貴族の子供を泣かせたから殺す”と言わずにと理由を付けてリセルを冥途に送る貴族ぽい悪辣あくらつさを演出してる。袋まで被せたら鉄板の死刑囚だよ(笑)



「村長、世話になったの。村人と共に達者でな」

「ゆくぞ!」


村を出て行く貴族様達、袋を被され連れて行かれるリセル。


最後に導師が言った。


「この者はロスレーン領主の孫が連れて行く。来季の徴税官にはそう伝えよ。それから、今回の様に人攫いが近隣の村で起こっておる、皆用心して達者で暮らせよ」


送って来た母子は手を振っている。


村人たちは昨夜の大喜びを忘れ、呆然と見送った。

リセルがどうなる殺されるんだろう?という考えで頭が一杯だった。中には見世物小屋とか領主に飼われるとか思ってるのもいた。村の者はもう二度とリセルと会わない事を悟っていた。


ピラニアは袋を被されて連れて行かれた。


昼、パーヌまで2時間ほどの所まで来た。袋の中でも分る、山の斜面を馬が歩いていないのだ。ピラニアリセルは戸惑っていた。山に入って殺されると思っていたのだ。前に座る坊ちゃんを怖がらせた罪で・・・


(そんな罪あるか!でも貴族が難癖付けたら罪だ)


休憩の時には袋を取って水を飲ませてくれた。お昼も食べさせてもらった。ピラニアは訳が分からなかった。


30分ほど歩くと坊ちゃんが言う。


「導師、あそこがよろしいです」

「そうか、それでは休憩するかの」

いよいよかとピラニアは覚悟を決めた。


袋を取ってくれた。馬から降りると坊ちゃんが周りの土を平らに直して行く。


自分の墓を作っていると思っていた。急に怖くなって逃げだした・・・二歩歩いた所で倒れた。導師の麻痺である。ピラニアは動けない。


「そんなに怖がるな、そこに寝よ」

師匠がピラニアを平らな地面に運ぶ。


「リセルよ聞け」

ピラニアはアーアー言ってピクピクし地面転がっている。


「昨日そなたの母が現れた」


「そなたを大層心配しておったぞ、儂に何とかしてくれと泣いて頼みに来たのじゃ、あっちの世界からわざわざ来たのじゃ」


「儂は母の子を思う心に感心した。お主に母の心を見せてやる」


「導師、これでよろしいですか」

「うむ」


「始めるぞ」

導師が催眠の上級、昏睡の魔法でピラニアを眠らせる。


美容術Lv10 整形、骨格から変えていく。

イメージはピット・ブラッド。


イメージだけだ。そうなったとは言わない、似た感じにはなったと思う、髪の毛も賢介みたいにサッパリ系にした。充分に男前だ!自分に言い聞かせてる訳じゃないぞ。


導師に頷いて、昏睡の魔法を解いて貰う。


リセルが気が付いてアーアー言いだした。

「導師!さすがにございます!」と言っておく。


「麻痺を取るでの、暴れるなよ」

「痛みは無かったか?」

「はい、何を・・・」

「そこの水面で己を見てみるが良い」

「?」


「!」

自分の顔を触って確かめている。


「お貴族様!私の顔が・・・」

「そなたは母の願いで生まれ変わったのじゃ」

「優しい母のような女子おなごを探すが良い」


導師はその後リセルに言って聞かせた。

新しいリセルとして、新しい村に連れて行く事。

今まで通り畑に励めと、真面目にやれば母が喜ぶと。

連れて行く村の衆と仲良く暮らせと言い含めた。


適齢期の娘が多い「村はあちらです」

「そうか、向かうかの」

「アル、そんな事まで知るのか」師匠が呆れる。


突然立ち寄った貴族に村は騒然となった。呼ばれた村長が脂汗を流し、恐る恐る近寄って来る。


「お貴族様、村に何かございましたでしょうか?」


「こ奴を山で拾ったので、この村に預けに来た」


その場にいた村人はポカーン。そんなよそ者受け入れられる訳がない。流れ者なんぞ受け入れたらどうなるか・・・


「この若者は、山で一人で生きておった」

「一人で十分生きて行ける、税も払える」

「そこをどいて見よ」村人をどける。


「山を引き払った時に持って来た物じゃ」


収穫してきた採れ立ての野菜を出す。

村人が魔法を見てビックリする。野菜でビックリしろ。


「この者を受け入れて貰う土産じゃな」

皆で分けよ、こ奴が畑で作ったものだ。


「村長、開墾してない場所を与えよ。こ奴が住んで良い土地も与えよ」


村長は驚きながらも一切逆らわず、次の新家しんやが出来たら与えようとした土地を差し出した。


「ここで良いのじゃな?間違いないの?」

「こちらで間違いありません」

「よい」


導師が整地を行っていく、固めていく。


「皆の者驚くな。こ奴の家を持って来た」


こっちの世界の?を視た。


「は!」


そのままスッと家が現れる。村の者が腰を抜かす。


「畑の土地はここで良いのか?」

「ここの前からで構いません」

「よい、行くぞ!アル」


歩きながら無詠唱で深さ60cm位の土を裏返して行く。

アルは付いて歩いて平らに均して行く。均して行きながらも10cm程のホールをポコポコ作っていく。帰り道に導師から受け取った野菜を穴に突っ込み埋めていく。最後に水魔法で土と馴染ませておいた。


15時には全て終わっていた。


「村の衆よ、これはこ奴が育てていた物じゃ。主らも分かるじゃろう?真面目に働かねばその様な野菜が作れると思うか?」


「突然現れて悪かったの?一緒に暮らした母が死に、この者が一人で話す者もおらず山に居るのを不憫に思ったのじゃ。村の税にも貢献出来ると思うぞ」


「そういう事じゃ。村長、村の衆よ、この若者を迎え入れてもらうぞ!分かったの!」


貴族の宣言に村人たちはコクコク頷くだけだ。


村長が慌てて言い出す。


「村で預かります、ここまで有れば何も心配は無いでしょう」


「良かったのうリセル。迎え入れて貰えたぞ」


「お主の母の願いだ、ここで真面目に暮らせ」

「ありがとうございました」


「村の入り口の野菜を村長たちと一緒に配るが良いぞ」

「はい・・・」返事してもくずおれてしまう。


小さい頃から泣いていた、ずっと泣いていた。涙が枯れても心で泣いていた。いつも泣いていた。


母が病で死に、枯れた涙。それが戻っていた。


ピラニアがリセルに生まれ変わった。

一人の世では無くなった。群れに入れた。

人の群れに入れた、ただそれだけのこと。


村人たちの農業はLv1になった。

来年が楽しみな村がまた増えた。

村に賢者伝説がまた刻まれた。



アルは奇跡の出会いだと確信していた。

アル以外解決できない問題だったからだ。





次回 91話  魂の色  

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