第83話 アルのご先祖様
第12開拓区 イメージ画像
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よろしかったらどうぞ(笑)
・・・・・・・・・
ロスト第12開拓区の難民村をお見送りに応えながら出発。最後まで追いかけてロセとミニスは手を振ってくれた。
そして・・・街道に向かっていく。
街道沿いの川から伸びる用水路を
ステータスボード位は教会も付けてやったらいいのにな。最低でも小金貨(20万円)ってなんだよ。
用水路・・・これ絶対、ロストの代官が来るよな。
こんな用水路がいきなり出来ちゃった!と通報される。大規模すぎて導師が作った支流まで開拓して行ったらとんでもない面積になる。村人全員スキルあるしな。代官もあの賢者の手紙や証文見て腰抜かすだろうな(笑)
これから、9kmの用水路に沿って難民の村が出来る筈だ。領民は税を納めていたから川沿いの開拓地優先なのは分かるけど、開拓し辛い場所を割り振ったら効率悪いじゃねーか。アホか。
帰りに寄ってもまだ収穫期は続いてる筈だからな。どうなってるか楽しみだなぁ。
「アルよ、眠くないか?」
「正直ちょっと眠いです」
ゆっくり歩きながらの魔法行使でも9kmに4時間かかった。
ジョギングで2時間位とか、軽く見過ぎてた。
成長促進で段階別に根菜の成長を変えるのに2時間。
「アルと一緒にいると退屈しなくていいな」
師匠は魔爪根で山で木を切ってもらい、丸太橋の上を馬車も通れるように平らに削ってもらった。魔爪根の使い方間違ってる(笑)
「退屈って、あの村見たらおかしいって思いますよ」
「元々、村で持てる土地が無いから開拓村を作るんだ。勝手に流れて来た難民とは区別しないとな」
「でも!あれ、開拓しにくい土地を与えてますよ」
「アルよ、難しい話なんじゃ。領民は先祖代々この土地を愛して開拓するのもこの領地じゃ。流民に良い土地を与えれば領主と共にこの土地を愛してくれている領民を裏切るぞ」
「開拓民は皆辛いでの。皆が冬を越すのに大変なのじゃ、それはキャンディル伯爵領もロスレーン子爵領も変わらん」
「領が大きいと街も多いし大きいしな、困った難民も仕事を求めて集まって来るさ。しょうがないんだよ」
「ロスレーン領は子爵領としては最大だと思うぞ。普通の伯爵領より大きいかも知れん」
「はい、そう聞いてます。ロストミリス家とハプシレーン家の戦争で領主家が一つになり大きいのですよね」
「そうだな、今では考えられないな(笑)」
「お父様はロスレーン大領主と言いますよ(笑)」
「そりゃそうじゃ、当時は相当力があった筈じゃからな、500年~200年前の大混迷の豪族時代を生き残った。正しく大領主で間違いはない。誰も彼もが勝手に独立して領主王を名乗ってはそれを許さぬ勢力に倒された」
「今の王家も当時は領主じゃ、王を勝手に名乗れば寄ってたかって倒される。そして隣国を落として併合しその国の王国を名乗った。勝手に名乗ったのではない。すでに認められる小国を落として併合して名乗った。そして抜きん出た力で安定の国となった」
王家が隣国を落とせたのは国の体裁があってもルール無き奴隷制武力国家であったので聖教国セントフォールが国交を認めずステータスボードを隣国が持ってなかったからだ。(未開地で略取してきた奴隷戦士を一斉に開放して国を取った王家の絵物語はアルの記憶にもある)
「アルのご先祖を見よ、なぜ大領主と言われているか。勝っても奢らず王を名乗らず、相手の領地の民を安堵するため名を変えた。領民が讃えて呼んだ大領主なのじゃ。」
「ロスレーンの周りの領主は皆知っているさ」
「・・・領民の大切さは良く分かりました」
「私は、流民でもこの地でやり直すと思ってくれたら凄く嬉しいですが・・・ダメでしたかね?」
「イヤ、良いぞ!良い!」
「領主家の長男ではない。継承破棄の10歳のアルが、偶々人
「子供に頼まれた賢者がやったら、誰も文句言えねぇな(笑)」
「経緯も調べたらすぐ分かるじゃろうて。守備隊も子供を開拓区に連れて行ったのを知っとるしな」
「あー、良かった!話を聞いていたら怖くなってました」
「怖くなってていいと思うぞ」
「え!?」
「誰も賢者に頼んだとは思わないからな」
「えー?」
「子供が賢者にダダを
「これ!いい加減にせよ!(笑)」
3時間程して河原で昼食になった。
川で水を飲んだ馬たちに朝取れたての人参と山で取ったハーブを少しやって塩を舐めさせる。三頭を癒しのヒールで喜ばせたら河原に放置。すると土手の草を勝手に食べてる。
昨日山に入って、一緒に取った山菜やキノコを導師がインベントリに入れてくれている。師匠の取った60cm程の子供のイノシシやウサギも出してもらった。
河原の石でかまどを作ってたら導師に怒られた。
「アル!何をやっておる」
「え?かまどの用意ですが、要りませんか?」
「お主、昨日の晩は何をやっておった(笑)」
「あ!そうでした!」
土魔法Lv1で用水路造形からの超発展形で、あっちの世界のかまどをそのまま作る。
「なんじゃ、それは?かまどか?」
「はい」
「
「そうですよ。導師も偶には街に出たほうが」嘘である。
「ふーむ、立派じゃのう」
無視して木切れを集めて火をおこす。肉を木の串で刺してかまどの上で焼く。これいいわ!熱が全部上に通るから石積む100倍良い!隣にもう1個作ってそっちに小さな鍋を乗せてキノコや野菜、肉も入れる、少し油で焼いてから水を入れる。
「便利じゃのう、これからコレが良いの」
わっはっはっ!進んだ日本の知恵を見よ!ふふん。
「ところでアル、お主魔法使いじゃろ?」
「はい?」
「こうせんか!」と頭をコツンとされた。
鍋の下に手を置いて
ごーーーーーーー!火魔法かい!
「生活魔法の大きさを変えるのは教えたぞ」
「そうです!すみませんでした」ぺこり。
「速攻でグラグラ沸く鍋」
「このかまどは壊さずに置くと皆喜ぶじゃろ」
「あ!そうですね、そうしましょう」
昼食が終わると、ストレッチの後に組手と模擬戦。
俺が模擬剣、師匠は20cmぐらいのチョンとした木の枝持ってやがる。クソが!模擬剣避けられて当たらない(笑) 木の枝もいらねぇよ!言ったら、木の枝持ってないと子供と戯れてると思われるそうだ。クソが!舐めやがって!でも枝にも当たらない(笑)
休憩の後、久しぶりに川に向かって石を投げて見た。
1個投げたら投擲Lv3がいきなり付いた。目が点になった。
これはアレか!投球フォーム的な?(笑)
キャッチボールはアニーとしたのに。導師にも変化球とか見せてたぞ。・・・石か?直接石を投げて攻撃動作って事?
師匠に言ったらぶったまげてた。Lv3がいきなり付くって無いらしい。導師も驚いたが考えた末に言った。
「石を投げる攻撃がLv3に足る攻撃だから付いたのでは?」
言われたら確かにそうかも?と納得した。考えてみたらそのまま過ぎる考察だった(笑)
そして俺の攻撃で一番強いLv3なので、釘バットを呼び出し、球にした。身体強化を全開にした状態で投げ易い重さに加減する。
身体強化を解くとこれ1kg位あるよな。身体強化で140km/hで投げると恐ろしい。甲冑とか関係なく恐ろしい。
まぁ、土手に投げてみる。ドーン!と土手にめり込む。怖!これダメだわ。人殺しになる。何してもダメだ。当たる場所が分らないと調整しようがない。最後に適当なナイフにして投げたらそれがどうも正解だった。怪我を負わせて頭以外なら・・・ダメだ!心臓とか内臓に当たって殺す。
殺しちゃダメだよな。悪人は償わせなきゃ磨けない。あ!首が落ちてもそれはそれで償いか? まぁ、いいじゃん。殺さないで償いに突き出せば鉱山行だ。
領が豊かになれば国が豊かになる。
本人は気付いてないが、合言葉になっていた。
それは裁きを与える自分への免罪符の呪文だった。
次回 84話 アルと21人の盗賊
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