第59話 神々の祝福
愛し子よ起きなさい。
明、起きなさい。
???
テミスですよ。
テミス様?あ!テミス様 初めて会うのに解る。
話しかけるが喋って無い!
心で会話してる?いや人の形と思うだけの俺だ。俺に形すら無い、意識でその形だけを取っている光の塊だ。光の意識のままお互いの心を交換している。
テミス様の後ろにも神様たちが立っている。
ごめんなさいね、私の
僕はどうなったんです?
真実の眼が経験を積み、真理の眼になってしまいました。
真理の眼は私と同じ権能です。
人の魂の器では耐えられなかったのです。
器も魂も壊れてしまいました。
愛し子よ、明よごめんなさい。
あなたは死んでしまったの。
あの世界にあなたは居なくなってしまった。
あの世界に輪廻として再び立つことも叶いません。
ごめんなさい。ごめんなさい。
テミス様が俺を抱きしめて泣いている。
記憶にある。死んだのが解る。
恐ろしい情報の津波を食らって頭が裂けた。
そうか、死んじゃったのか・・・俺。
テミス様ありがとうございました。
テミス様のお陰で神様を信じて、神様の意思を感じて努力してこられました。
どれほど罪を裁くのが難しく、正しく導く事が難しいのか良く分かりました。
あれはテミス様しか出来ませんね。
夢をくれてありがとうございました。
スキルを頂いた時、タイムリミットが来てこうなると思っていました。覚悟していました。
机の中に遺書が有ります。
突然消える、突然死ぬ、訳が解らない方法で居なくなる。
テミス様に能力を授かってから覚悟はしてあります。
まぁ、色々とやり残したことは残念もありますが
テミス様、本当にありがとうございました。
ちょっとまって!まってまって!
まだ終わりじゃないの、あなたにお話が有るの。
テミス様から事の
神のいない世界の話も聞いた。
俺のいた世界は変わった創造主の世界だったらしい。管理されない様に管理されてる世界って言うのが凄い。
偶然が重なった様に開眼したテミス様の恩寵と加護。テミス様は俺を本当の子の様に可愛がってくれていた。そうしても、執着の
今ではこの世界にいる神々のトレンドと言う(笑)
全ての神が加護を俺にくれたらしいが、転生する場所によっても色々と恩寵も変わって来るらしい。よく理解できないが、その世の神ルールで恩寵が変わるらしい。概念であれば自由にどうたら・・・よく分からん。
ポカンと聞いていたら
天と地の神様が話しかけてくれた。
おぬしの一生は見せてもらったぞ。見事だった。
すこし間違いを正しておこう。
魂は秩序と混沌に在って、生を全うすることで磨かれる。混沌とは抗えないモノを
おぬしの考えていた負のベクトルを積んだ者達は輪廻から遠ざかる。お主たちが考える無間地獄じゃな。何百年、何千年と輪廻から遠ざかるだけじゃ。磨かず過ごしてしまった事を後悔しながら輪廻を待つ。
逆に善く磨いた魂は直ぐに転生していく。創造主の一部が創造主を目指して延々と磨く道じゃ、磨く魂こそ尊いのじゃ。磨く魂こそ輪廻に乗せずに何とする。
それとな、磨く方法の事じゃ、そう。今考えておる者が磨けたのは向き合っただけでは無いぞ、徳を積んだのだ。己を捨てて人の善き姿を見る。立派な徳じゃな。お主もしておったではないか。
わかったようだな。
どの生物も魂の器であり、その器でどのように魂を磨くのか決まっておる。その魂の器に収まりきらなくなると次の器へと旅立つのじゃ。
磨き足りなければ同じ器に戻される。堕ちれば輪廻から遠ざかる。後悔して次の磨く時を永遠に待つのじゃ。
人の魂は堕ちてもお主の世界の犬には入れんぞ。わはは。
そもそもじゃ、人の器にやっと入れた魂と、輪廻で人の器に何度も入っている魂を比べるでない。行動がそもそも違い過ぎるじゃろ。器に入る魂の出来が違うのじゃ、
元を
それとな、真実の魂で見ただろう。その恩寵が上がれば付き従う魂も見られた筈じゃがお主は見て無いな。本来、その者を導く魂も付いておる。
その者と縁が深い、波長の合う魂が付いておる。
お主にも当然付いておったぞ。魂が壊れた時点であの世界の理から外れて分かれてしまったがお主に付いておった魂はそれはもうお主を誇りにしておったぞ。テミスにも聞いてみるがよい。
そう言われて疑問を考えた瞬間に・・・
そうじゃ、ここは概念の世界じゃ。
精神世界と表しておったな、それで正解だ。この世界の者は執着を持たぬ。それはすなわち
受肉する者は神に祈る。神というものは正しく概念じゃ。概念に祈っても何もしてくれんぞ。そういう物質的なものとは解離している存在じゃ。我らはそれを執着と呼ぶ。
何がしかに囚われている神ですら祈っても無駄じゃ、あやつらは自分が気に入った者にポンと加護を与えよる存在よ。
魂が器に入る。受肉して忘れてしまっても魂の
悪い事では無いのはお主も知っておろう、秩序は祈る心から生まれるものだからな。
お主と繋がったテミスは執着して無かったにも関わらずお主と繋がり恩寵や加護を与えた。しかしテミスは穢れなかった。
そこの生と死と輪廻を司る神も加護を与えたが穢れなかった。
わしもお主に加護を与えたがわしも穢れはない。
不思議な事が起こっているが、あの世界の創造主の子だったと認めるしかない。お主は何か
お主は違う創造主の子だ。理では魂を治した時点でこの世界の輪廻に乗るだろう。本来受肉すると概念から外れて物質側に落ちる。その時に魂の記憶は忘れてしまうがお主の場合はどうなるか分からぬ。そのままかもしれんが消えるかもしれん。
この世界に連れてきた以上、お主もこの世界で魂を磨くが良い。魂を転生するにあたって、人族の一生を終えられる場所を選んでおく。受肉した世界で精いっぱい生きるが良い。
お主の力が混沌を巻き起こすのも良い。秩序を生むのも良い。秩序も混沌も輪廻と同じで回っておる。わしの司る天と地もお主の頭の中では正しく天と地だがそれは概念じゃ。
地表と空でも天と地。星と宇宙も天と地。相容れない力の概念も天と地じゃ。そういう意味では盾と矛もそうじゃ。相容れない概念も互いの存在なくしては無い。そして在って無きものそれが概念じゃ。
この創造主に繋がる創世の神々の加護を持つ愛し子。
あとは人を司る神に託そうかの?
創世の世界に在る63柱の神。
創世の世界には至らぬ192柱の神。
その中の1柱が人の神と言う。
この次元に存在する
数多の概念を司る神々からの祝福を受けて旅立つ。
最後に釘バットを渡された。これは概念らしい。
何処にでも在り何処にも無い存在の釘バット。
ロゴマークまでそのまま入っている(笑)
そのまま釘バットだ、釘の頭が平たくて良かった。
尖ってたら危なすぎる。
そして俺は異世界に転生した。
次回 60話 遺書
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