第32話 夜のドラフト会議
8月3日 月曜日 昼
ワックのランチで集合したイケメン男子五人。どれほどのドリームチームか女子もよく分かっていた。
女子がお手洗いで固まって情報交換していた。
・・・
服部「そうそう、二つ名が絶対王者だって」
橋本「凄すぎ。春から特待生でいるって何!(笑)」
服部「これさぁ、プールバレると
橋本「あ!そうだよ!タダじゃ済まないよ(笑)」
箕輪「各クラスのイケメン引っこ抜いてるよね?(笑)」
宮崎「まずいかもね。みんな受験で遊べないのに」
三保「あのメンバーでプールはまずいよね?」
服部「絶対ヤバイ!超恨まれるよ・・・」
橋本「プールはまずいよ!ホントまずい!」
三保「絶対内緒ね!」
ALL コクコク(
共通の秘密を
・・・・・・・
8月3日 月曜日 夜
夜の秘密クラブにて華やかにドラフト会議が開かれていた。
地下ではあるが優雅な演奏が奏でられている。
以下LOIN女子グループ抜粋。(カッコは意訳、発言者)
あの5人彼女居ないって事だよね?信じられない。
(当たり障りなく話を広げていく服部)
どれ選んでも当たり。誘ってくれた恵に感謝!
(TOPは恵だからね。宮崎)
恵ってあの神谷君と通ってるの裏山過ぎ。
(全員、恵のに手ぇ出すなよ。仕掛ける服部)
恵は神谷君とワックで昼食も一緒だからね。
(了解!宮崎)
えー!そうなの?格好いいし三保さんいいなー。
(空気を読む箕輪が了解)
集めてくれた神谷君と誘ってくれた三保さんに感謝。
(あえて二人の名前を出し橋本も了解)
えー!そんなのいいよー、
(聞き分けが良い子は好きよ。三保)
欲しい物を欲しい様に持っていく三保。これが侯爵家なのだ、寄り子が何も言える訳がない。
指名凍結(ドラフト禁止)発動。神谷は隷属の首輪を付けられ表口から堂々と馬車でドナドナと屋敷に連れ去られた。
神谷 明 確保 捕獲者 三保 恵
イケメン利権を
きゃー!どれ推しで行けばいいの?
(全て分った上で、皆の様子を伺うサクラ。服部)
瀬尾君も神々しいし秋山君は優しそうだし波多野君も守田君も背が高くて格好いいし。
(選ぶのはこの四人でいいの?橋本)
そうそう!本当に迷うよねぇ。
(その四人を肯定するマスター三保)
ジョニーズの新ユニットでも信じちゃうよね
(誰が誰狙い?と空気を読み口出ししない箕輪)
みんな迷っちゃうよねぇ?
(目当ては瀬尾。皆の出方を見る宮崎)
頃合いは熟した。司令塔のタクトが振るわれた。
絶対王者で特待のイケメンってなんか恐れ多いよね。
(三保から瀬尾をパス)
だよねぇ!瀬尾君はねー。マジイケメンだけどね。
(マスターとサクラで瀬尾ワンツーパス)
瀬尾君は自信が無いと行けないよね。
(え?否定から?と雰囲気に乗り瀬尾をパス。橋本)
やっぱみんなそうなんだ。そうだよねー
(誰が誰狙いか?空気を読み瀬尾をパス。箕輪)
司令塔の
(サクラ二人に気付かない)
宮崎から
宮崎さんクラス一緒だった瀬尾君は慣れてるよね?
(服部が確認のフェイント!から三保にパス)
えー!そんなに慣れてる訳じゃないけど・・・。
(バッチコーイ!もっと言って!待ち構えるキーパー宮崎)
そっかー、瀬尾君知ってるの宮崎さんだけだよね。
(宮崎の意思確認。三保が瀬尾を炎のタイガーシュート!)
宮崎は瀬尾を受けながらもゴールを突き破って飛んでった。
(見事な炎のタイガーシュートに宮崎は燃えている!)
ゴール!
余りの美しき炎のタイガーシュートに宮崎が
ド派手な炎をエコ再利用して瀬尾に焼き印が押された。
瀬尾健司交渉権 宮崎知佳獲得 当確!
この時点で神谷-三保。瀬尾-宮崎がホットラインだったと招集女子は皆気付く。(宮崎は神谷-三保ラインしか気が付いてない)
ホットラインとはグループが集まる切っ掛けとなる動機の部分である。誰々と仲良くなりたい動機で女子のグループは招集される。招集メンバーは誰々狙いに協力すると共に、群れとして狩り(おこぼれを貪る)をする。ホットライン以外は
後の三人がフリーなのね、誰とペアるのかな?と人数合わせで招集された女子の想像が花開く。
大貴族。寄り親が利権を分配する会話が生まれていた。パーティーを開催した三保は社交界で輝いていた。
宮崎の個人LOINに三保から発言。
「守田君と箕輪さんてどう思う?」(三保)
「いいじゃない!お似合いと思う」
(借りを返す!と従う宮崎)
「
(
指令を受け
(3/5の過半数議席を獲得した)
どのような流れでも、数の暴力で強行採決も辞さない貴族院議会。守田-箕輪ラインを構築する最重要決議に臨む
賛成多数での
守田君て結構カッコ良くない?
(オークショニアから守田賢介が出品されました)
ガッシリ体型のイケメン。良いよねアリだよね。
(レジュメを確認。重要案件の価値を高めるサクラ。服部)
恰好いいよね、波多野君と双璧な感じ。
(フリーなら波多野君と守田君どっちでもいいよと入札。橋本)
守田君みたいなスポーツ男子って良いよね。
(守田君フリーなら私でもいいよと指名入札。箕輪)
スポーツ男子、良いよねー。
(もはや誰も発言を聞いていない。当確宮崎)
やっぱみんなかっこいいと思ってるんだ。
(吐いた唾飲むなよ!三保)
あの五人ってイケメンだから褒めるしかないよね?
(イケメン利権で充分よ。服部)
他に入札が無いのを見て三保が動く。
守田君だと、箕輪さんかな?って感じかも。
(わかってんな?と服部、宮崎に振る)
あ!私もそんな感じかも、箕輪さんと合うよね。
(サクラ宮崎の阿吽の呼吸で競り上げる)
守田君背が高いし、想像してみたらアリかもね。
(サクラ服部も競り上げる)
好恵なら身長高いし合うよねー。
(皆に合わせる。私は波多野君か秋本君ね了解!橋本)
えー?私で守田君に合うかなぁ?
(やっぱ守田君フリーなの?お似合いと言われ気分のいい箕輪)
合うよ、合う合う!
(フリーならサクサク決めなきゃね。橋本)
合うよ!箕輪さんならお似合いでいい感じだと思う。
(三保がオークションハンマーを叩く)
ハンマー宣言でオークションは終わった。
巧みな戦略で最重要案件を潜りこませることに成功した三保。三保自身でさえデコイに使う陽動作戦に参加者は箕輪-守田ラインを見抜けない。
片方が熱を上げる状態のファーストコンタクト。相手が知ると身構えてしまう。
素の箕輪さんがMWF(箕輪フィールド)で野生の守田を自由に追い込み、狩れる状況を生み出したのだ!
守田賢介落札 入札者橋本・箕輪 落札者箕輪好恵
守田賢介交渉権 箕輪好恵獲得 (送料無料)
焼き印の入った神谷、瀬尾、守田の会話は以後二度と出ない。
魔女たちの饗宴は続く・・・
交渉権は誰の手に?夜のドラフト会議は続く。
キャッキャウフフはこのぐらいにする。
受験生達の夜は更けていく。
--女子はグイグイ来ているように思うだろう--
あくまで女子は、イケメンとの妄想シュチュエーションを楽しんでいるのだ。ガチ恋愛ではなく触れあう妄想を楽しんでいるのである。
神谷の度重なる「
深みに
女子高生には160%超絶補正の王子様が住んでいる。
それはアイドルだったりタレントだったり部活の先輩が美化され、心の中に
対して成人女性の場合は心も安定し、美化した王子様はいない。性格、仕事、人当たり、尊敬度、収入、容姿などの六角形の戦力分析グラフのイメージが絶えず動く変動相場グラフ。それは総合力でターゲットを分析する
要するに何が言いたいのか?
女子高生の場合は、好きなら王子様を美化補正。そうで無ければ、あれもいいなこれもいいなとお花畑を駆け回る。恋の対象がフワフワすぎて、タゲが取れないのである。
イケメンに囲まれた状態、それは参加者がキャッキャとお花畑を駆け回っている状態である。当然同じお花に寄ってしまう事もある。三保はそれを回避し、あなたはこのお花が似合いそうね?と熟練の
イケメンにタゲを誘導し、好き勝手に飛び回る乙女の心を
男の対応としてタゲが不安定ならと、挑発して気を引こうとしてはいけない。良くある展開の俺様自慢などしたら二度とタゲが来ない。調子を合わせてご機嫌を取り、せめて女っ気を切らさずキャッキャ、イチャイチャ成分を適度に摂取するのが
冷静に見れば、誰も好きと言っていない。褒めているだけだ。
秘めた招集ルールをお互い探り合い、狩りの縄張りをなごやかに決めているだけなのだ。
そう。
キャッキャウフフと夜のドラフト会議をしてるだけなのだ。
次回 33話 獲物決まりました
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