第30話 他のイケメンに歩かせろ
プールが決まった七月三十一日金曜日
夕飯が終わって、恵は一息つく。
そして何度目であろうか、思い出す。
「びっくりしたなぁ・・・」
驚いて振り向く顔にドヤ顔を見せて、ドヤろうと思っていた。
LOINで伝えず、
案の定、暗めの顔で入って来た神谷君。
いつ気が付くのかドキドキしてドヤ顔の準備をした。
まさか、ドヤる筈があんな顔で返されてしまうとは・・・。あれは思わないよ。痴漢の時凄かった人があれはないよ。
喜んでいた、全身で喜んでいた、周りが見えないほど喜ぶ姿。
全部の姿が私だけのためのものだった。ドヤ顔を見せてやろうという自分が恥ずかしくなるほど・・・喜びが伝染した。感謝が伝染した。見ていて赤くなった。
体が火照った。
十五m離れていても抱きしめられていた。
・・・・
夜、三保さんにLOINする。
「メンバーは、
「女子は難関の
「了解!橋本さん、服部さん知らない、箕輪さん名前だけ」
「ありがとう!瀬尾君だけ知らないから見に行こうかな?」
「瀬尾は宮崎の餌。プール話すなら、そのつもりで」
「絶対見に行く!」
「行って惚れるなよ、特待のイケメンだぞ!」
「期待しちゃう」
「ホントありがとう。賢介が
「行きたかったから大丈夫だよ」
「それでは、月曜日にね」
「はーい、おやすみー」
「おやすみー」
男子をグループに誘ってと。
女子情報を送って、これでOK。
プール上手く行くと良いな。あ!プール探さなきゃ。色々あるなぁ、水着OKの遊園地かぁ。アトラクションいいな。ボートとか、浮き輪に摑まって流れるのいいなぁ。
プールにお化け屋敷って何だよ。あ!そういうことか。でもこれ誘えないよなぁ。女の子がアタック用だ。男から誘っちゃ丸見えじゃん。
この浮き輪のスライダー。いちゃ付くならこれだよな?
これどうやって賢介と箕輪さん乗せる?あ!ダメダメ。そんなあからさまなのダメ。上手いことタゲ回しで誘導しないとなぁ。
誘導って・・・イヤイヤ!最初から二人じゃハードル高すぎ!知らない同士だと罰ゲーム感がある(笑) みんなでお昼を食べて親しくなって会話が弾んでから・・・遅い!遅すぎだ!そんなじゃダメだ!十人て多すぎる(笑)
最初に女子は知ってる同志でペアにしないと。四人六人で分かれる、六人の方に箕輪さん橋本さん服部さんで賢介、秋本、波多野。四人の方に三保さんと宮崎さん瀬尾、俺。
あ!まだ宮崎と波多野決まってない。八人だよ(笑)
宮崎釣れたら波多野誘わなきゃ。あいつらだって息抜きしたいだろうしなぁ。
午後が箕輪さん、三保さん、賢介、波多野・・・ダメだ!波多野と賢介と箕輪さん一緒だ(笑)これマジ難しい。
性格分んないから知り合いとかで組んだら絶対組めない。三保さん入れておけばとか考えたら三保さんが息抜き出来ないし・・・
どうやってタゲ回しすんだよコレ!初対面で回せるのか?どんな難問よりムズイぞ。いや公式を作ってだな、あてはめて行く。うーん・・・
受験生の夜は更けていく。
・・・・
8月1日(土曜日)
朝のランニング明けにシャワー浴びたら、そのまま居間で寝ちまった。朝ごはん食べて部屋に帰ったらLOINにメッセージ。
「宮崎さんもメンバーに入ります」早っ!もうか!?
「疾きこと風の如し」打ったらすぐ返信がきた。
「明日水着選びに行くので一緒に宮崎さんを誘ったよ」
「疾きこと風の如し」
「ゆっくりだとお盆になっちゃうよ」
「了解、男子メンバー誘っておきます」
「お願いしますペコリ」くまが動いてお辞儀。
「ダッシュ!-=≡ヘ(* - -)ノ 」
「エヘヘ (*’-‘*)ノ彡♪☆ 」同じ顔文字を入れていた。
男子グループにも流す。
神谷「三保さんの友達で
神谷「波多野も誘うけど秋本番号分る?」
秋本「友達経由で聞くから待って」
神谷「明日皆で水着買いに行くって」
神谷「場所は今調べてる」
神谷「水着OKのアトラクションとプール。一日フリーで八千円てとこ、相場は見といてね」
神谷「日時と場所決まって皆がOKなら券買う」
瀬尾「了解、頼む!」
守田「わかった!」
秋本「OK!電話番号○○〇-××××-△△△△」
神谷「サンクス!今から電話する」
・・・・・
当然イケメンである。てかマジ俺でも惚れるぞこのメンバー。
女子鼻血とか大丈夫か。覚悟しろ!(笑)
波多野に電話。土曜日の九時。まさか波多野に電話するなんてな。
「はい?」
「波多野?俺神谷、分る?」
「分かるけど・・・」
「好きなのデートして」
「お前、いい加減に「女子五人と」・・・」
「プール行くからな、イケメンのお前は決定だ」
「はぁ?」
「昨日の講習の昼にな・・・と言う訳だ。」
「メンバーがな秋本、俺。守田ってやつと特待クラスの瀬尾ってやつ」
「そして波多野な」
「女子が
「プールの難易度に驚くな。女子のレベル高くない?」
「さすが見てるな!」
「普通見るだろ(笑)」
「そうなの?期待するなぁ。三保さんと宮崎さんしか知らない」
「お前だって見てるだろ」
「俺は受験生なの、そういうのはダメなの」
「そういう建前で見ているのを知っている」
「おれは自分のモブさに気付いてんだよ。お前と違ってな」
「神谷・・・」
「波多野は秋本と同じ学校だから秋本も安心かなって」
「秋本なんか一人で放し飼いでも声かけられそう」
「そんじゃお前と一緒じゃねーか」
「俺はそこまでじゃない」
「俺のクラスだから分かるけど、そんななの?」
「そうだよ。何人か告白した筈」
グハッ!あやつも光を持ってんのか。
「いや、男子メンバー波多野も含めてかなりだぞ!勝てないレベル」
「まぁ、受験生の息抜き程度で遊ぼうぜ!全員同じ予備校だ、
夏の間のお知り合いにはなれる。プール上手く行ったら、花火、遊園地も抑える」
「いいな」
「お前抑えるの上手いだろ(笑)」
「任せておけ!」
「そんじゃLOINのID教えてくれ」
「わかった」
「男子グループに誘うから拒否るなよ」
「何で拒否るんだよ!」
「お前は俺の読みを外すからな」
「外したら俺ボッチだ(笑)」
「そういう事な(笑)グループ入ったら今までの会話見えるのかなぁ?」
「あ!とりあえずなぁ、守田って中学のメンバーだった奴」
「あそこのか?やりそうだな」
「やるぞ守田も。少年野球から来たんだけどな」
「守田と
「後の子はフリーな。ど真ん中狙うな、臭いとこ行けよ」
「水着見て浮いてど真ん中行きそう」
「ビキニのクリーンナップ怖いな」
「見た途端に真ん中行ったりして」
「最悪、他のイケメンに歩かせろ」
「芯は食うなよ」
「一発ありそうだよな?」
「抜けたら、お前の親に殺される」
「気を付けるよ」
「後半年だ!しまっていこうぜ!」
「おぉ!ってお前としまったことないな(笑)」
「決まり文句なんだから、おー!って言えばいいの」
「おぉ!」
「月曜、講習で!」
「月曜、昼に飯食おう」
「おー!」
なんか、一時間ぐらいずっと話してたな。
おっと三保さんに連絡しないと。
「五人目、
「イケメン詐欺とは呼ばせません」
「ありがとう。皆に教えておくね」
「十人の団体さんだから大変だけど作戦は練るね」
「また聞かせてね」
・・・・・
8月2日日曜日
流水パークかウォーターランドどっちもいいなぁ。
行くにも予備校から電車で四十分圏内までだろ。その
あ!駅前にアーケードあるよな?帰りはそこで晩飯でもいいな。暗くなる前に女子は返したいからなぁ。プールは四時までで、四時半から六時で電車の帰りに合わせて食事なら無理ないな。十人の食事予約出来て、お洒落なイタ飯ポイのないかな?泳ぐと腹減るからな。
プール最寄り駅集合だな。
流水パークは
休日編成、神山行きバスで9時30発9時42分到着。
帰りが16時30分のバス。駅に16時42分着。軽食1時間まで。帰りの電車が17時50分
ウォーターランドは土日の
休日編成、南浜口行きバスで9時32分発 9時53分到着。
帰りが16時36分のバス。駅に16時57分着。軽食1時間まで。帰りの電車が18時00分
て感じかな?
各人の都合で誘い合わせてプール最寄り駅集合。
最寄り駅で朝ワックしながら待ち合わせでもいいな。
イタ飯というか夕方ならピザ、パスタで検索の方がおやつ的に軽そうだ。
これを今日の晩に三保さんに見てもらおう。
あ!食い物でNGあるといけないなぁ。
それならいっそファミレスの方が良いか。
時間とかちょっと早めに修正して・・・とこんな感じかな?
とりあえず形は出来たな。
これやっぱ、みんなで一回共有した方が良いな。一回全員でランチ含めて集まるか。皆で合えば、決めるの早いし。視て予定変更もできるしな。
とにかく夜に三保さんに相談だな。十人の引率ってパネェなぁ。
「月曜に波多野と俺と守田がワックでランチ一緒にする」
「月曜に一回集まる?」と男子グループで流すと秋本と瀬尾も来る返事。
男子集まるなら、水着選び中の連絡の方が良いな。
三保さんにLOINで流した。
「男子五人明日ランチでワック。イケメン軍団見に来て」
多分、三保さんと宮崎さんはワックに来る。
箕輪さん、橋本さん、服部さんは来るかな?
来ると話が早いけどなぁ・・・
・・・もしかして大学の合コンてやつはこんな感じ?
次回 第31話 予備校カップル5対5
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