第17話  白い世界・・・今かよ!



その日の夜21時頃



勉強していて、ふと思い出し・・・休憩。


なんかあの一味とエンカウント率がハンパないな。

富田一派と呼ぼうか。


なにか対策考えないとヤバイよなぁ・・・


あいつら三人、検索で偶々たまたま発見しただけだし。


俺を探し回ってたし、気付かないとやばかった。あいつらが内田連れて来て、そのままイベントじゃねーか。


能力者がイベント逃げ回るってなんだよ(笑)

こんな弱い主人公いないしなぁ。



俺が写真を欲しがっちゃったからなぁ。


「写真欲しい=片思い」


あほか!イヤ、これ有るのか?彼女の写真とか、好きな人の写真欲しがるよな?


いや違うわ。欲しがる状況が違うだろ!(笑)


片思いして写真欲しさに内田を助けるって変だろ。写真欲しいからあいつら呼び出してアレやった訳?あいつらマジ笑える。


「ふふっ!」


まぁ、あいつらなりに俺の事思ってくれてるんだよなぁ。


それは嬉しいなぁ、逃げるのはひどいよな。



でもなぁ、今回は偶々たまたまだからなぁ。俺も出来る事しか出来ないし周りの人、気が付いた人しか助けてあげられないしなぁ。時間が有れば、ちゃんと付き合ってやれるのになぁ。


何より受験生なんだよ、何日も一緒に付き合ってられない。


スキルあっても使うとこが無くちゃなぁ。


やっぱ、頑張るしか無いのかなぁ。

俺は、このまま検事目指してていいのかなぁ?


スキルの使い方間違えてるとか無いよなぁ?

折角スキルを授けて貰ったのに使い方間違えてたら嫌だなぁ。


今更、取り上げられたりしないよな?

でも、スキル貰ったことが迷いの原因だよな?



悩みとは一緒に寝てやれ・・・か。



スキルノートを出して机に広げる。


最初からの記述を読んでいく。


授けられた緯度、経度まで詳細に書いてある。


どれだけ熱入れてんだよ俺!(笑)


武器の図解とか爆弾とか、これ人に見せられないわ。


そもそも何で俺なんだ?


何で俺に授けられた?


俺は何をすればいい?


・・・


・・・


・・・



色々考えてる間にふと気が付くと、違和感が生まれている。


今、見られてる感覚がある。

視えないけど、見られてる。



誰に?・・・



「監視者」で検索使っても視えない

でも、違和感がある。



誰だ!

誰か見てますか?


反応は無い。違和感はそのままだ。

頭の中に不意な疑問・・・誰が見るんだ? 



相手が俺を見て、俺が「監視者」検索で視られない相手。


周りを視ても、家を対象にしても視られない。


緊張が生まれた。


そんな相手・・・神か?


ちょっと聞いてみる。

神様いますか?


見てますよね?違います?

あなたが神様ですか?


スキルの事をずっと考えてたら違和感が生まれた!


深く考えすぎて気付かなかったけどそれで生まれた。



もしかして声に出さないとダメ? なんか恥ずかしい。



「真実の眼の説明書を渡し忘れた?」ボソ。


違うのか。何も変わらない? 声が小さい?


「ステータスオープン以前にステータス作り忘れた!」


違和感が増している、違うのか?もっとか?


「モンスターを呼ぶのを忘れちゃった!」


何なんだよコレ?何か来る? 


「俺を異世界に呼ぶのを忘れちゃった!」


どんどん何か来てるぞ!


「真実の眼って知ってる?」


ちがうのかよ?でも来てる・・・


「俺の眼をだませると思うなよ!」


え?何を言えばいいんだよ!違うけど来てる来てる・・・


「スキルを授けてくれた!」


これも違う!ええ?来た、怖い、怖い、怖い・・・・


「あなたは誰なんですか?」


来てる、来てる、すぐそこにいる!震えが止まらない。


「僕の・・・!」



--------



俺は、気が付くと白い世界に居た!



え?


くぁwせdrftgyふじこlp!




今かよ!


おせーよ!遅すぎるよ!どうsUるんだよ!


何してたんだよー!待ってたんだよー!いい加減にしろよー!


「神様ぁー、うえぇぇーん!」救われたことに大泣きした。



俺はまばゆいい光の球を前に大泣きしながら訴えていた。



「うぇーん、神様ぁ、何でもっと早く来てくれないんだよー!うぇーん・・・」


・・・シクシク、メソメソ。


俺はしばらく言葉も出ずに泣いていた。


それでも溜まった気持ちに口が勝手に動き出す。


そして泣きわめいた。



「おれがどれだけ待っていたと!・・・うぐっ、えぐっ!」


「どれだけ悩んだと思ってんだよー!・・・うぇーん!」


「いい加減にしてくれよ!怖かったんだよ!怖かったんだ!」


「なんでこんなスキルくれたんだよ。弱くて何もできないよ!」


「何をしたら正解なんだよ、教えてく・・・えぐ、えぐ」


「何も・・・教えてくれないし・・・うぐ、うぐ・・」



「うぅ、うぅ・・・・・・・えーん!」



「もう泣き止みなさい、逢えたでしょ?」


とても優しそうで心に染み込む声がする。


「かみさまぁ・・本物だ!本・・・」


震えて声にならない


「ごめんなさい、ここは神の居ない次元の世界なのです、他の次元の世界の理を司る者が容易に入ることの出来ない世界です。あなたを見ていて、何も知らされずに悩む姿になんとか声を届けようとしてだいぶ力を使ってしまいました。長い時間の違和感に取り乱していたようですが、大丈夫? 怖がらせてごめんなさいね」



「この世界は私の世界とは違います。姿、形を取ることが出来ません、同じように権能を使う事も出来ません」


「声を届けるだけでごめんなさいね」



「・・・本物だ!神様だ・・・」



「あなたを見ていましたよ」


途轍とてつもないまばゆい光が言う。実体が無いのだ。


「・・・」



「あなたを見ていた私は間違ってはいませんでした」


心の底からの歓喜が奥底から呼び覚まされる。


「いつも見ていましたよ、頑張りましたね。私はあなたと共にあります」


「・・・」


「・・・神様ですよね?」


「そうですね、人の世界ではそういう存在と言えるでしょう」


「お名前を聞いてよろしいですか」


光は答える


「いいですよ、私は縺ゅ↑縺吶◆蜈縺励≠、真理の神です」

声だけだが微笑んでいるのが解る。


「お名前だけが聞き取れないです」


「そうですね、私たちの名前は人では読み取れませんね」


「ええと、そうですね。地球でいうとテミスという神ですね」



「テミス様・・・真理の神」



「そうです、創造主が真理と秩序と混沌を生み、私がつかさどっています」


「テミス様、真理と秩序と混沌の神」


「名など些細なものです、私も色々と呼ばれていますよ」


まばゆい光は続ける


「え?」


「私たちの次元では色々な種族が名前をそれぞれに付けてくれるのです。色々な名前で呼んでくれるのです」


「あなたが努力しているのをいつも見ていましたよ」

褒められて天にも昇る気持ちだ。


「いつも私を感じて努力していますね」

「はい!」


「あなたの恩寵の使い方は間違っていません。何も間違ってません。何も思い悩まなくていいのです。あなたの道はやがて真理に至る道。努力を続けなさい、それが魂を磨きます」


「あなたにご褒美をあげます」


「ステータスを見たがっていましたね」


「え?」


「はい見えますよ」


「ただし見るだけです。この次元では出す事すら出来ません」


「見える!ヤッター!ありがとうございます」


神谷 明の状態。 


神谷宗彦かみやむねひこ令子れいこの第一子

Male 

Age17

高校生 3年6組 クラス名簿3番


体温 35.7℃


身長 177.2cm

体重 71.2kg

胸囲 92cm

BMI 22.7

視力 2.0

最高血圧94.3mmHg

最低血圧61.4mmHg

AST(GOT) 8U/L

ALT(GPT) 10U/L

γ―GTP 42IUL

ChE 300U/L

TP 5.9g/dL

ALP  120U/L

ALB 4.8g/dL

A/G 1.8

T-cho 110mg/dL

HDL  44mg/dL

LDL   77mg/dL

HbA1c  5.0%

BS 70mg/dL

・・・

・・・

・・・


なんか思ってたやつと違うけど、状態異常は解りそうだな。


英語の奴って何だろう?謎ステータスにワクワク。


スキル!あるぞ!視えるぞ。変なのまで・・・。


恩寵

真実の眼Lv6

真実の螢ーlv0

真実の鬲?v0

真実の蜈鵜v0

真実の髣⑬v0

真実の遘ゥ蠎臭v0

真実の豺キ豐鍬v0


加護 真理の女神


真実の羅列から関連情報が流れ込む・・・


「真実一路か!一択か!美空か!水前寺か!てめぇふざけんな!」



ツッコミ怒ったら白い部屋から叩き出された。

雰囲気がそんな感じだった。ブツ切りされた電話みたい・・・。



俺は泣き濡れた机の上で目覚めた。



ステータスは出なかった。



一階に降りると妹の雫に「頭!爆発し過ぎ!」と笑われた。


ずっと考えていた。


21時ごろ休憩し色々考えても22時の筈だ。0時以前に寝る?


顔を洗いに洗面所に行く。俺が机で寝る?



ステータスが出ず機嫌の悪い俺はうがいを吐き捨てた。



その日の晩になっても、夢を鮮明に覚えていた。





次回 18話 魔改造2つ目の条件

----------------


この物語を読みに来てくれてありがとうございます。


読者様にお願い致します。


応援ポチ。☆も頂けたら嬉しいです。


ポチをしてくれる事。それはとても励みになるのです。


一期一会に感謝をこめて。よろしくお願い致します。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る