第4話 嗤って喰らう奴ら
視たくないを心がけて過ごす冬が終わる頃。
その
逃げることも出来ず。
許されることもない。
自分の居場所もない。
「ウザイ」「キモイ」「ムカツク」という内容のない言葉を浴びせられ、何を直せば良いのかも分からず毎日「ごめんなさい」と謝る日々。
日々、無くなる、汚される、壊される彼女の大切なモノたち。どれほど孤独で、悲しく、惨めな想いに沈む夜なのか。
救いのない永遠の責め苦と、どす黒い
昇降口で
ごみ箱から靴を拾って渡すと「・・・あり・がとう ございました」苦しそうに言う彼女。
目を見開いて彼女は驚いた後、小さな声で「・・・もうすこし頑張ってみます」とペコリとお辞儀をする彼女。
助けを拒まれ
「奴らが靴捨てるの見たからさ、誰のだろって思った」
それには答えず、お辞儀をして帰っていく彼女。見送る俺はバカ丸出しでたたずんだ。あれ程も「助けが欲しいと祈る人間」から助けを求められない事に困惑した。
疑問、そして理解。
俺が巻き込まれることを彼女から視たのだ。
小さくなる背を呆然と見送り徐々に頭が冷えていった。
何やってんだ俺!こんなじゃダメだろう!少しは冷静になれバカ野郎!自分を
HR直前に1年の教室にぶっこんで「この靴捨てた人~?」とかマジでやるとこだった。頭が沸騰してた。
「あれ?捨てた人いないのかな?あなたが隠そうと言ってゴミ箱に捨てたのに!」
「そっちのあなた!いいねいいねって賛成してたよね?」
「こっちのあなたは、バレないかな?とか言ってたよね?」
「靴もだけど、こないだの体操服破ったのも犯罪だよ!警察呼んでもいいよ」
「体操服破ったのはあなただよね?わざわざハサミまで出して切ってたし」
憤怒に我を忘れてこの辺まで暴走していた。
マジ危なかった!
介入どころか学校巻き込んでイジメグループを全員
俺が不幸の嵐をまき散らす。
しかも無意識に「俺様TUEEE~!」になってた。ラノベのイキリ主人公だ。スキルで別人になってる。こんな自分を飼ってる?俺が
受験勉強で
---実際なぁ---
求められない事で、あの娘に俺が助けられていた。
それはともかく、これなんとかしないとなぁ。
情報が強烈過ぎて共感と言うか引きずり込まれた。俺と彼女が重なって心の中で追体験し、悲しさや悔しさ、
イジメという言葉の意味ではなく、その本質を認識したのだ。
ポーチに付けられたフェルトの人形が
ヒーローっぽく助けるつもりが、彼女に助けられ落ち込んで布団かぶって寝た。スキル持ちがこれでは終われない。
次回 5話 パイセンのターン
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