第4話 部活の決断と新聞部
帰りながら私は茉莉とみおんと本について話していた。今回の本は確定で図書室の本ではなかったので、本を見せながら2人に塗りつぶしてあるところが見えるか聞いてみた。
茉莉もみおんも見えないと言っていたが、
人によって見えかたが違うらしい。
茉莉は薄く消しゴムで消されたような感じ。
みおんは完全に見えず、紙が貼ってあるような感じ。私は鉛筆で塗りつぶされた感じ。
となっていたので、後日朝翔や茉莉を通して水雫にも確認しようと思う。
見えるようになるには時間経過か見える人を見つけるしか無さそうだった。
そういえば部活どうだったの?と2人に聞くと
みおんは吹奏楽部に入るならトランペットを
茉莉は演劇部に入りたいらしい。
2人に私のことを聞かれたが正直部活に入る気にはなれなかった。
入るなら新聞部か写真部だなと答えたがすごい意外……と結構驚いてた。
「ねぇねぇみおんはトランペットやったことあるの?」と話しかけた。みおんは横断歩道の前で立ち止まっていた。「どうしたの?」
と私は気になったが、すぐみおんは「大丈夫だよ。ぼーとしてただけ」と言った。
その後部活のことについて色々聞いてから解散した。
音香は家に帰りご飯を食べてから勉強をせずに部活のことを考えながらあの本をよもうとしていた。次の話は部活の話だった。
『カメラが生み出した奇跡の一枚』
百合が丘高校には言い伝えにあるカメラがある。そのカメラである風景を撮ると会いたいのに見えない1番の人に会えるというらしい。
1回だけ新聞部と写真部が合同作品で賞を
取ったことがある。
写真部は黒く古いカメラを桜宮中学校という
隣町桜宮市にある中学校からカメラが足りなくなったため譲り受けたという。
そのカメラのストラップには薄く英語の言葉が刻まれていた。
『ある花と夕日が重なる時奇跡の1枚が生まれるだろう』と顧問の英語の先生に聞くとそう書いてあったらしい。
この年の部員は写真甲子園の賞を狙っていた。なので奇跡の1枚を撮るため桜宮中学校へ行き調べることになった。
とりあえず写真部にこのストラップとカメラのことを聞いてみようと思ったら校長先生は
「写真部は今年廃部になったんだ。
それでこのカメラの処分に困っていた時に
御校がカメラが足りないと申していましたので、お譲りしたのですが……どうします?」
「そうなんですか。ですが1つだけお伺いしたいことがあるのですが、ここら辺で花が沢山咲いている公園はありますか?」
と
公園に向かい、花が咲いているところへ行くと、すごい広さの庭のような空間が広がっており、バラが沢山咲いていた。
アーチがまずあり、アーチの中心には白のバラが大きく咲き誇っていた。
そして中央には噴水と、お茶会をしてそうな屋根付きのアンティークなテーブルと椅子があった。
夕日が出てくる時間まで待ち、夕日があの白いバラと重なる瞬間を待っていたが、重なる気配がない。まさかこの花じゃないんじゃ……と他の部員が言い出したがそれはないと思う。なぜなら他に目立つ花がないからだ。みんなが困惑し始めたその時、美野先生は言った。「これそのまま重なるんじゃなくて、カメラの角度とか反射とかで重なるんじゃないの?」と。その言葉をきき私は閃いた。中央にある噴水の水が上がった瞬間に
夕日が反射してアーチが見える位置で取れば重なるのではないかと。
噴水の水が上がった瞬間
アーチの白いバラが反射で見える夕日と水上で重なった。そして撮るのは成功した。
噴水の水が上がる時間が長く、底の水の面積が広かったお陰で写真が撮れた。
この写真を写真甲子園に出した結果、
最優秀賞が取れた。この学校にとっても良いニュースは学校の新聞にも取り上げられた。
その技術が学校中に認められ、新聞のコンクールにも手伝った。
この奇跡の1枚を含む合同作品で審査員特別賞を取った。しかし次の年。このカメラは姿を消した。撮った私だけこの写真には見える物があった。それは……私の1番会いたい引っ越した連絡の取れない幼なじみの親友だった。
それから部員総出でカメラを探したがなかった。私が卒業してからカメラ自体は見つかったがあのような綺麗な風景が撮れることはなかった。しかし今でも部室のどこかでカメラは受け継がれている。
このカメラの話を読んだ瞬間私は写真部に入る決断をした。なぜならこのカメラがあれば水雫に会えるかもしれないから。
そしてあの忘れた記憶を思い出せるかもしれないからそんな夢を見て。
次の日。私は2人に写真部に入ることとカメラのことを言った。そうすると2人は
「音を。音ちゃんを。1人じゃまたなにかありそうだから一緒に入ろうよ。せっかくだし。
一人一人バラバラじゃあつまらないしね。」
と言い出した。
本当にいいの?と私は言ったが、2人も決心したようだった。
放課後、写真部に見学に行った。
そうするとある1人の先生が部室にいた。
名前はなんとあの英語担当美野瑠々華先生だったのだ。そして写真部は今年4人集まらないと廃部らしい。私たちは3人なので、あと一人部員を探さなきゃ。
今改めて思ったけど、前回と同じでまたこの本現実とリンクしてるなぁ1部。
そう思いながらこの日は終わった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます