〈結愛視点〉





午前中の診察の合間に窓を眺めると曇りのままで

「はぁー」とタメ息を吐きながら

仕事をなんとかこなしていた…





ソウマ「テルテル坊主でも作ったらどうだい?笑」





笑いながらお昼を食べに出て行く

相馬先生の後ろ姿を見ながら   

「なによ」と小声で文句を言い

お弁当を広げていると

ガチャッと扉の開く音が聞こえ先生が

忘れ物でもしたかなと振り返えると…





ミヨシ「飯、一緒に食うぞ」





食事の乗ったトレーを持った

三好先生が入ってきたから驚いた…




「え?」と戸惑っていると

相馬先生の椅子を私の席の横に持ってきて

「詰めろ」とトレーを机に乗せてくる…





「・・・・どうしたんですか?」





ミヨシ「病院中が知ってんだから、たまにはいいだろ」





そう言ってトレーの端に乗っているゼリーを 

私の前に置いて食事をし出した先生を見ながら

私も「いただきます」とお弁当を食べ出した





三好先生は、あまりダラダラと話したりはせず

時折一緒にいても沈黙になる事も少なくないけど

私はその時間が嫌いじゃなかった…





彼がこんな風に一緒に食事をしようと仕事中に

来た事はなく、一昨日の電話を気にして

来てくれたんだと思い素直に嬉しくなった





「・・・・・三好先生…」


 



窓の外をチラッと見ると

今にも雨の降りそうな空に悲しくなり

ふと…先生の名前を呼んだ…




先生は口に食べ物を入れたまま顔を上げて

(なんだ?)という顔で私の方を見ている






「・・・今日・・お仕事忙しいですか?」





ミヨシ「・・・・・・・・」





「・・・泊まっちゃ・・・ダメですか?」






今日の夜は一緒にいたくて

初めて自分から

泊まりに行きたいと…

一緒にいたいとお願いした…





( ・・・平日だから厳しいかな… )





先生は表情を変えずに私の顔を見て

コップに入っているお茶を喉に流し込むと





ミヨシ「・・・夜・・一緒にいたいのか?」





何となく恥ずかしくなり目線をお弁当に

移してから「無理なら…」と呟くと





ミヨシ「少し遅くなるから先に部屋入ってろ」





「・・・・いいんですか?」





ミヨシ「ダメな理由もねぇだろ?」






夜に一緒にいれる事が嬉しくて

「ふふ…」と顔が緩むのを感じながら

お弁当の箸をすすめていると






ミヨシ「今日の夜も一緒にいるし

  日付が変わって明日になっても

  お前は俺の下で可愛く鳴いてるだろうから

  安心しろ…織姫…笑」






「・・・ツッ・・何でッ!?」







♡fin♡





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