〈ユア視点〉







診察室の扉を開けると

三好先生が私の席に座っていて驚いた…





「お疲れ様です、どうしたんですか?」




ミヨシ「・・・・・・・」





何故ここに居るのかを尋ねたけど

三好先生はその質問に答えずに

不機嫌な顔をして私を見ている…






「・・・・どうかしましたか?」




ミヨシ「・・・バレンタイン…誰かにやっていたのか?」




「え??」




ミヨシ「・・・・・」





誰にもあげた記憶はなく…

三好先生の怒った声に戸惑っていると

彼はさっき佐々木さんから貰ったキャンディを

ピシッと人差し指ではねた…



( あぁ… )



三好先生が不機嫌な理由が分かり

なんとなく可笑しくなって笑いがでた





ミヨシ「・・・・俺は楽しくない」




「あぁ…すみません…

 それ佐々木さんから貰ったんですよ」




ミヨシ「院内清掃のか?・・・やったのか?」




「え??」





佐々木さんからだと言っても

機嫌が治る気配がないから少し驚いた…






ミヨシ「バレンタインは

  誰にもやらないんじゃなかったのか…?」




「・・・・・・」





前から思ってたけど…

三好先生は…たまに面倒くさい…



いつもは大人で優しいイメージだけど…

拗ねて子供っぽくなる時がある…



( 可愛いところでもあるけど… )





「・・・・あげてませんよ?」




ミヨシ「・・・・・・」





じゃーコレはなんだというような目で

私を見てくる三好先生に少し苦笑いがでる…





「花壇のお手入れしたお礼に貰ったんです」




ミヨシ「・・・あぁ…」

 




三好先生は納得したのか

怖い顔が少し和らいでいき

なんとなくチョコの話は内緒にした方が

良い気がして言わないでいた





「先生はどうしてここにいるんですか?」




ミヨシ「ホワイトデーだろ…」





そう言って先生は後ろから可愛い紙袋を

手に取って私に差し出してきた…



でも、私は三好先生にもバレンタインを渡した

記憶はなく「え?」と固まった…





ミヨシ「・・・・自販機の前で…貰った…」





「・・・・へ?」





ミヨシ「・・・いつも持ち歩いてるチョコだ…」





「あぁ」と思い出したけど…

あれは三好先生から催促された物だし

バレンタインの意味であげたつもりは

なかったから少し驚いた…




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