〈ユア視点〉







お昼になり相馬先生は紙袋を手に持ち

休憩室に昼食を摂りにいった





私も手を洗ってから

自分のテーブルにお弁当を出していると

コンコンと扉をノックする音が聞こえ

誰だろうと思いながら「はーい」と

返事をして椅子から立ち上がり扉を開けると…






ササキ「ゆっくりしてたのにごめんね?

    結愛ちゃんにコレを渡しにきてね」





ドアをノックしていたのは佐々木さんで

私に小さな紙袋を差し出してきた





「ん?なんですか?」





ピンク色の紙袋を受け取って中を覗くと

カラフルなキャンディーの詰め合わせが入っていた





「可愛い!!いいんですか?」





ササキ「結愛ちゃんいつも

  僕にチョコレートのお菓子をくれるから

  そのお返しにね、ほら!ホワイトデーだろ?」

 




「チョコレートって、いつも持ち歩いてるので

 そんないいチョコでもないのに…

 こんな良いお返し貰って申し訳ないですよ…」





ササキ「掃除も結愛ちゃんが来てから

  だいぶ楽になったからね~!

  窓を拭いてくれたり花壇の草抜きまで

  僕からの感謝の気持ちだよ~」





「えー・・じゃあ、有り難く貰っちゃいますね?笑」





ササキ「うん、仕事の合間にでも食べてよ

    じゃあ、僕は仕事にもどるね」





そう言って廊下を曲がって行く

佐々木さんの背中を見送ってから扉を閉め




「わぁー美味しそう!」




キャンディを紙袋から

取り出してデスクの上に起き

お弁当を食べようと思ったけど

お茶の入った水筒を忘れた事を思い出し

休憩中だし外来スタッフもいないだろうと思い

事務所にお茶を入れ行くことにした




そっと受け付けを覗くと誰もいなくて

ほっとしながらキッチンでお茶を煎れた




先輩達の机にはお返しで貰ったであろう

美味しそうなクッキーのお菓子たちが目に入り

(いいなぁ)と横目に思いながらお茶の入った

マグカップを握って診察室に戻って行った



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