第27話 夏季休暇はアイスクリームで始まる

衝撃怒涛の展開


私、シャルロッテ、恋に落ちるの話

いやはや、あんなムード出されたら惚れてまうだろう。なんて興奮しておりました。昨晩はベッドバタバタは当たり前でしょう。悶えまくりでした。あの御顔が目の前にあるのですから。なんてね。夢のような時間はあくまでも夢ですから。


すぐに夏季休暇に入り、今度こそ3人で遊びに行こうと約束をした。今日からストンズ家領地へ帰省中。馬車の行程は3日、長旅ですが、途中にあるツァーリ公爵領のアイスクリームを食べる為、どんなにお尻が痛くなっても耐えて見せる。

ミルクの濃さがたまらない逸品。

お土産に出来ない辛さに8才の頃アイスクリームの食べ過ぎで腹下しをしてこちらに何日間か滞在し、アイスクリームは2個までと決められた。


そんな思い出もあり、ツァーリ領に早く着きたいな。


ツァーリ公爵領。


まさかのエイデル様との遭遇。ツァーリ領次期当主様でした。視察中とのことで姉様もご一緒だとか。

なんと婚約破棄騒動のマッケンナ様。金髪、縦ロール、これだけで悪役令嬢にされてしまったのではないだろうか。

なんて思うほど、美しい。話し方もしっかりし、ノーラ姉様とは知り合いのようで、ころころ笑いながら話している。とても美人さんです。エイデル様も整った顔立ちですから当然ですね。


本当にお美しい。ローレンス殿下と並べば美男美女です。エイデル様もセオ兄様との話に夢中で領地経営やら特産品の販売経路の見直しだの話している。ポツンです。

早くアイスクリーム食べたいなぁ、と思っているとマッケンナ様から3種類の新作アイスのご案内がありました。

2つしか食べれない私への意地悪かしら、なんて。

絶対に外せないミルク味は決まりだか、後1つ、後悔しない選択をしなければならない。と真剣に思っていたら、サマーパーティーの時の宰相の言葉、『選択肢を与えただけ』を思い返した。


マッケンナ様はこれからどうするのかなぁと余計なお世話だが、気になる。

あの人は「ゲーム」と言った。今更だが、この世界はゲームなのか?



アイスクリームはミルクと柑橘系のフルーツがたっぷり入ったジェラートにした。暑い中たべる酸っぱさがたまらない。


アイスクリームを食べながらの令嬢話は興味深かった。マッケンナ様は夏季休暇明け復学で4年生。領地送りにされたけど、去年から課題提出をして進級したそう。王都から領地まで丸一日ぐらいの距離だからと笑いながら、先日の断罪茶番までなんでもご存じだった。

さすが公爵令嬢。情報は鮮度が大事。

会話は続く、マッケンナ様はシャーリスのこともよくご存じでどのぐらい努力していたか教えてくれた。

去年の事件の概要を聞いてはいたが、本人に聞くのも失礼な気がして言葉を探している。実は関係者から話を聞きたかったのだ。

『ゲーム』のストーリーも気になるが、強制力はあったのかどうか。


セオ兄様達が、こちらに来たので、終了。いつの間にか知らない方がいた。マッケンナ様は、すぐにその方に近づき、アイスクリームのメニューの表示について話していた。


振り返るとマッケンナ様の笑顔は、とても可愛いかった。


宿に着くと聞けなかった去年の件が、モヤモヤしたが、領地を目指す馬車の揺れは、余計な事を忘れさせるぐらい尻が痛かった。


ストンズ領に着く。

気持ちのいい風、長閑な景色が続く。

物語の世界のような村を見て、改めてここは、異世界。私は傍観者。あの人が言ったキャラクター、本当にそうなのか?

『ゲーム』と『転生者』の意味があるのか、王都よりも高く感じる空は、私に考えろ、と言っているようだ。


前世を思い出したのはたった4ヶ月前、随分と色々あったな。役に立つ知識はなかったけど、あの人は色々知っていそうだ、会って話してみたいなぁと考えていた。

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