第361話 エルフの里集結
エルフの里集結
タカシのエルフの里が完成した事で、ちょっとやって見たい事が私にはあった。
そう、タカシの庭園の里の長になるエルフを、他の里のエルフの長達と顔合わせをしてみたいと思ったのだ。
以前にMkⅢがルージアで保護した奴隷になって居たエルフ達を私の樹の里に収容した事で少々手狭になった事もあり、分里しようと言う事に成ってテディーの樹の元に新たな里を作った経緯があって、結果、私の樹、テディーの樹、キュルレンシスの樹と三里があった所に、タカシの新たな樹の里が出来て四里になった訳だ。
当分新しい里は増える予定が無いので、ここで一度全部の里を集合して見たかったんだよね。
思い立ったが吉日って奴。
序でに前回のお見合いで出来たカップルの近況も知りたいしな。
何でもエルフのお見合いってさ、うまく行っても里長以上の存在からの二名以上の承認が無いと結婚出来ないって面倒な古臭い風習があるらしいからね、この序でに承認してやろうかなとも思ってる訳。
まぁ私が承認すればキュルレンシスは勿論、テディーやタカシも承認しない訳には行かないだろうから結婚を阻むものはこの時点で無いわけなんだけどな。
まぁ物は試しだ、どんな化学反応が起きるか、研究者魂が震えるわ。
アニメ的に言えば、おらワクワクして来たぞ!って感じ?
って事で「ねぇ、折角タカシのこの、最大の庭園が完成したんだし、ここは全庭園を集結して見ようと思うのよね。
どうかしら?」
「そうですねぇ、エリーさんの庭園の三機合体の全貌も見た事無いですし、全部の庭園が合体出来るんですよね?ならば是非一度、見てみたいかな?」
流石男の子、規模がデカすぎようと合体するシチュエーション大好きよねw
私の子孫の男の子達も概ね合体ロボとかそう言う類は大概好きだったもんね。
「よし、ンじゃ決定、全庭園集結!」
私の号令は、ナノマシンを通じて全庭園の制御AIに通達され、庭園の主であるハイエルフ及び私の並列存在へと通知される。
-MkⅢ-
「おや?庭園集結?
とうとう最大の庭園のベース完成したのかな?」
-MkⅣ-
「ん? 何よこのクッソ忙しい時に、呼び出すな~。
まぁ、庭園だけ行かせときゃいっか。」
-ベアトリクス-
「えぇ~?今日は忙しいって言うといたのに、何で呼び出しやねん、はぁ・・・
まぁええか、もうすぐに終わるし、庭園だけ先に行かせといて後から飛空艇で追っかけるわ。」
-キュルレンシス-
「エリーさん・・・
ってか何時の間にこの里が庭園に成って・・・」
-タカシ-
(なんて出鱈目なんだろう、この人、一言で庭園を集結させられるなんて、僕よかずっと魔王じゃん・・・)
-オリジナル-
「ん~・・・MkⅢったらずいぶん遠くまで行ってるみたいね~、あの区画だけずいぶん遅くなりそう。」
「エリーさんの三体の並列って全部好きに世界を巡ってるんでしたっけ。」
「MkⅣは今インフラ整備のお仕事してるわよ?」
「インフラ整備ですかw」
「そうよ、来月の末頃か再来月にはタカシの所にもそろそろ来るんじゃない? リニア。」
「え?いきなりリニアなんですか?」
「いきなりリニア、良いじゃ無いの、下手にローテクノロジーの鉄道引いて後から世代交代で無駄に古いインフラ潰す位なら、ね。」
「そうなんだ、新幹線って、リニアが完成した後、廃線に成るんですね?」
「暫くは走ってるけどね。」
「そりゃそうなんでしょうけどね。」
「タカシは新幹線が走ってた時代の人だったよね、そう言えば。
新幹線、好き?」
「ええ、テッチャンって程では無かったですけど。
好きですよ、特にレアな奴がたまに走ってるので、良く見つけると写真撮ってました、スマートホンで。」
「それって線路の点検用のドクター何とか言う奴の事?」
「それも有りますけど、たまにアニメとかのコラボの柄にラッピングされたのが走っててですね。」
「成程そっちか、タカシは絵も描くしね。」
「ええ、まぁ。」
「そう言えばさ、あんたにはもう必要は無い物では有るんだけど、これ、欲しい?」
そう言ってスマホを取り出して見せびらかして見た。
「え?それってスマートフォンっすか?」
「似て非なる物、かな? スーパーインテリジェンスマジックストレージホルダーユニット、略して“スマホ”だ。」
「スマホなんじゃ無いですか! いやだなぁ、エリーさん・・・え?」
「似て非なる物って言ってるでしょう?
これはね、マナを放出する魔法回路って奴は有るのに属性との親和性の無い残念な人が魔法を使えるようになる為の、いわゆる魔法ランチャーと、マジックストレージを組み合わせて通信機能を付けた物よ。
元はと言えば、MkⅢが魔法がどうしても使いたいと懇願したオーブちゃんって言う猫亜人の拳聖の子の為に作った物、これはその魔道具を私が更に発展させて、第五階位までの魔法しか使えなかった物を第八階位の魔法まで使えるようにした新型よ。」
「面白いじゃ無いっスか! 最高ですよ!」
「ンな事言ったってあんた既に12階位迄使えるんだから要らねーでしょうに、ストレージのスキルだって私があんたに使えるようにしてあげたんだからさぁ。」
「いやいや、こう言う魔道具になって居るのが楽しいんじゃないっすか。
道具って偉大ですよ、持ってるだけでテンション上がりますし。」
そうか、男の子ってこう言う理由でスマートフォンやら携帯ゲーム機やらをやたら欲しがるのか。
ちょっと納得した気がする。
まぁそろそろ庭園が集結し始めたので、ちょっと見に行ってみるか。
「そろそろ庭園が二つほど接近して来たみたいね、ブリッジに行きましょう。」
「あ、はい、そうですね、行きましょう。」
ブリッジから見た映像では、一番乗りなのはどうもテディーの庭園のようだ、次に接近して居るのは樹海の里だった。
先ずはテディーの里がドッキングシークエンスに入った。
テディーは後から飛空艇で合流するとメールが有ったから、テディーは居ないけれど、エルフ達は当然居る訳である。
テディーの庭園の子ってさ、ルージアの奴隷だった子達の殆どがここに引っ越したので、この里には現在女の子しか居ない。
だからこの里は他の里から男の子を婿に入れないと無くなってしまうのでこの機会にどうかと思う。
次にドッキングシークエンスに入った樹海の里、キュルレンシスの所だ。
この樹海の里のドライアドが相当な個体になって居るので他の里のドライアドと会わせてやりたいと思う。
特に新参のタカシの里のドライアド、ベルダンディーは合わせる必要性は高いと思ってる。
テディーの庭園の世界樹は樹がまだ若いし、ドライアド居ないし、その辺もサポートして貰えると良いなとも思ってる。
タカシの世界樹には私のトリーシアに成長促進をさせてメルサビルを改造する為、急成長したのでテディーの世界樹よりも樹齢が進んで居ると言う謎の現象が起きたのだ。
更にその後にようやく、私の庭園の私のブロックとMkⅣのブロックが合体した状態で到着した。
未だMkⅣのブロックだけは見える位置には無いっぽい。
まぁ、私のブロックにエルフの里自体はあるのだから問題は無いけどね。
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