第348話 魔王城(笑)へ、飛空艇納品

      魔王城(笑)へ、飛空艇納品

 -エリーオリジナル-

 流石は昔から大食いのテディーだ、まだ足りないらしい、おかわりしまくってる。

 貴重なんだが、ドラゴン肉って・・・

 既に4皿目ってあんた。

 いくらシチューと言ってもな、それだけ食えばドラゴン肉1ポンド以上食ってるぞ?

「さ、食べ終わったら私は出かけるわよ。」

「ん?エリちゃん何処行くん?」

 お?興味持ったな。

「魔王城♪」

「ん? タカシのとこ?」

「そそ、ご注文の飛空艇が完成したからね~、もう既に私の庭園は中間地点位迄先に移動してるんだ。

 まぁ、要するに納品しに行くんだけどさ、どうせあいつの事だからロクなもん食って無いだろうし、この際乱入して部屋の片付けもさせて貰おうかと思ってな。」

「おお、それ、ええやん、乗った! 行こ行こ!」

 そう言うんじゃねぇかと思ったわ。

 早速、マリイを抱っこしたまま庭園の家の方に転移する。

 今、岬の家の方はアイン、ツヴァイとネオトライが担当。

 庭園の家の方は、月名シリーズの私版の、長月、神無月、霜月、師走の4体のAIアンドロイドをそれぞれ家事、庭園の庭管理、在住エルフの引率、ドック等の管理にそれぞれ割り当ててる。

 これがさ、何故か4体以上作っても変な劣化するアンドロイドは出なくは成ったんだけどさ、何故か神無月だけはメンドクセエ性格になった。

 私やテディーのモノマネしたがるんだけど、あんま似てねぇ上に誇張しすぎるきらいがあって少しイラっとするんだよね。

 何でだろう。

 後ね、なんかモノマネにやけに自作のカツラとか使いたがるんだよね、どうしたものか。

 まぁ神無月の話はまた今度。

 そんな機会があるかどうかは知らんけど。

 とまぁ、そんな具合で私は月名シリーズアンドロイドはここで使ってるってだけなので脱線が激しいので戻ります。

 今は丁度箱根を超えた辺りまで来てるか。

「あ、うちの上空やわ。」

 テディー、あんたの家の上空は良いけど妙にテンション高いのは何故?

 ってか、目視出来る位置にテディーに作ってやった新造の庭園があった。

 テディーの庭園の上で、テディーからリクエストを貰って作ったゴーレムがこちらに気付いて手を振っている。

 うん、シュールだ・・・

 何故か防衛を兼ねたゴーレムが数体居ると嬉しいって言うから作ったんだけど、そんな事言われると、つい、かの有名な天空のアニメのアレになっちゃうよね、実際ソックリに成ったんだけどさ・・・

 テディーのユグドラシルも丁度ど真ん中に聳え立ってる事もあって庭園自体も何となく似てるかもしれない、あのアニメの奴に。

 そんなやらかしまくった感の強いテディーの庭園を横目に、ソロソロ豊明上空に掛かるかな?

 じゃあそろそろ先行して飛空艇で凸るか、って事で出発。

 私の飛空艇でタカシの魔王城(笑)の屋上に着けると、一気に突撃する。

 あいつ絶対油断してたろ、屋上の玄関のカギは開いてたし。

 エレベーターを使わずに屋上からワンフロアだけ下がって、階段の正面の大扉を勢い良く開けた。

「おーっす! 元気だった~?」

「あ・・・エリーさん、ベアトリクスさん・・・たすけ・・・」

 あらら、何だか寝込んでるよこいつは。

「ちょ!あんた何しとるん!?

 何で連絡して来んのよ! 直ぐに看病位してやるのに!」

 っつーかそれ以前だぁね、医療知識位は片っ端から電脳化した時に一緒にデータ送信しといたんだから自分で薬位作れるはずなのになんですぐにやらんかったんだ?

 ここまで悪化したら光属性魔法で解毒殺菌するしかねぇじゃん。

「お前ね、自己管理しっかりしろよな~。」

 と言いつつ、光属性の殺菌魔法で治療する。

「タカシさぁ、幾らただの緑膿菌風邪だからっつっても悪化したら肺炎に成るんだよ?無茶したらダメよ全く。

 あんたハイエルフなんだからさ、風邪くらいで死なねぇけど、そのお陰で逆に回復するまで長く苦しむだけだからな?」

「すみません、お陰で助かりました。」

 もうSPも回復始めてるな、こいつ元の体力がかなり有るんだろ。

 まぁ実際に年齢固定された中学生みたいなもんだから体力はあるだろうことは理解してるつもりでは有るが。

 さて、っと。 本題に入るか。

「ちなみに今日来たのは、「飛空艇出来ましたか!?」」

 かぶされた。

 それにしても流石に中学生くらいの体年齢の男子だぁね、若い男は臭いんだよ、中年よりも実は臭いんだよね、加齢臭って奴が嫌な臭いの集合体に成るからあっちのが臭く感じるだけで、気負いレベルはこっちの方がずっと強いんだよね。

 いきなり寝込んでたからそれ所じゃ無かったけど、回復してきた今、今更ながらにこの臭いにむせ返るようだ。

 掃除せねば・・・

 と思ったら、既にテディーがお掃除始めてた。

「お! 自力で描いたと思われるエロ漫画発見!」

 テディー、そう言う事はこっそり発見してそっとしておいてやれよ、跳ね上がったじゃんか。

「ちょ!ベアトリクスさんダメぇ~!」

 ほら~、涙目になってるじゃ~ン。

 私も消臭ポーションを急いで錬成してみたら、何故かスプレーボトルごと錬成されたのだが、あまりその妙な錬成にはツッコミ入れずに普通に霧吹きしまくって見る、うん、このポーション良いわ、効くね、かなり。

 タカシが寝込んでたベッドも寝汗でぐしゃぐしゃだからシーツごと引っぺがして私が作った大型洗濯機(魔素動力)をストレージから取り出して速攻で根こそぎ洗う、勿論錬成した脱臭除菌に特化した洗剤を投入。

 引っぺがした序でにマットレスをひっくり返してダニ対策したろうと思ったら、マットレスの下から出て来たね、エッチな絵が。

 すごいな、自分で描いたのかな、これ、そうだよな、ペン入れまでしてあるしな。

 ん~、これは何の絵だろう、多分、リコリコか何かだと思うんだけど。

 割と良い線行ってるんじゃないかな?

 漫画家になれるんじゃね?

 今度タカシに漫画描かせて編集者のシャーリーに見せて見るか、売れそうなら創設してくれそうだしな、漫画雑誌。

 まぁ始めは小説誌の巻末とかに掲載されるだけだろうけど、複数人漫画描ける奴集めたら雑誌作れるだろうしな。

「ああ、そうだそうだ、タカシ、お前お腹空いたろ?

 丁度持って来たのが消化が良いシチューだから食べなさい。」

「あ、エリーさんありがとう。」

「エリちゃんに惚れるなよぉ~? あたしのかからな?」

「誤解のある言い方すんな、テディー。」

「誤解じゃないもん、あげへんで?」

「すみません、飛空艇は欲しいけど、要らないっす。」

「何で?」

「だって、エリーさんの性格、かなり愉快犯的で疲れそうじゃ無いですか。」

「うっさい、悪かったな。」

「え~、そこがええんやんか~、一緒になって燥ぐには最高やで?」

「それは貴女も加害者側だからでは?ベアトリクスさん。」

「失礼な、私が何時タカシに対して害を加えたと?

 飛空艇作ってやって、ご飯食わしてやって、病気まで直してやったと言うのに?こんな献身的な良い女他に居ないぞ?」

「そうやって自分で言うじゃ無いですかw」

「そりゃ誰も評価してくれないから正当な評価を主張してるだけなのだけど?」

「エリちゃんやっぱ最高やわ、あんた。」

「テディーに言われると馬鹿にされた気になるのは気のせいか?」

「そんな事あれへんで、マジで私はエリちゃんをリスペクトしとるんよ。」

「はははは、ホント、お二人は仲良いですよね。」

「で? テディーは実はタカシの事好きだろ? 世話焼き女房ちゃん?」

 勝手に掃除始めてたしな、間違いねぇって。

「おいコラ、今何ちゅうた? ンな訳無いやろが、今度言うたらいてまうど? こら。」

 あ、テディー怒った、これ図星だったか、マズったな、バラされたと思ってキレかけてる。

「はははは、ンな訳ねぇかw」

 と誤魔化して置こう。

 っつーかタカシもテディーに勝手に掃除されてエッチな絵とか見つけられて揶揄われてもこの程度の反応って、実はテディーならちょっと良いかと思ってるのでは?

 まぁ、こいつらはこいつらで放って置こう、気が付いたら何時の間にかくっ付いてる方の確率が高そうだしな。

 シチューを一口食ったタカシが、固まってる。

「お?どした?」

「・・・・・・・・」

「おーい、戻ってこーい。」

「あ、すみません、なんっすか、この美味すぎるシチューは。」

「ドラゴンシチューだけど?」

「は???」

「ドラゴンシチュー。」

「・・・・・・・ど、どら・・・?」

「フレームドラゴンのお肉のシチュー。」

「・・・・・・えーっと・・・」

「何か?」

「誰がドラゴンスレイヤー何スか?」

「私。」

「ええぇ~・・・」

「美味しいでしょう?」

「美味しいですけど、そう言う問題では・・・」

「あ、そうそう、タカシはさ、男の子だからこう言うのも好きだろ? あげるよ、私の自作のナイフ、異常に切れるから気を付けて扱えよ?」

 そう言って、いつぞやのオリハルコンナイフを、アダマンタイトの鞘に入れてやった物を手渡す。

「これは? 何スか?」

「オリハルコンのナイフ。」

「有るんですか?」

「私の自作。」

「エリーさん・・・・あんたって人は・・・」

「なんか変? 良いじゃん、無ければ誰かが作るしかねーんだから。」

「そうですよ、確かに、そうですけど・・・」

「全部私で何が悪い。」

 思いっ切り胸を張って答えてやった。

「もう大概の事に驚かなくなったと思ったのに、まだこんな隠し玉持ってるとは・・・」

「まだ甘いわね、オリハルコンの聖剣も私の並列が作れるようになったみたいよ、製法はあいつら秘匿にしやがって見せてくれないんだけどな。」

「もう、いや、この人・・・」

 うっせいやい。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る