第344話 エクスカリバー?(前篇)
エクスカリバー?(前編)
-MkⅣ-
空中庭園の私の区画に、一つ小屋を建てて、そこに多々良場を構築した。
これで、オリハルコンを使った聖剣を打つための火力を確保する為には、やはりここは、MkⅢに教わった通りにサラをお手伝いにするべきかなぁ・・・
多分だけどさ、イファーリアだと火力強すぎてヤヴァイ感じなのよね。
試しにサラを召喚して見る。
あれ?
何でイファーリアが出て来るの?
『エリー様!』
いきなり強めの口調で来たのでちょっと驚いてしまった私は少し噛み気味に
「ふ、ふぁい!?」
と間抜けな感じに返事をしてしまった、うん、まさか呼び出した精霊の上位が出て来た上で現れると同時に声掛けられるなんて思って無かったからそんな反応になっちゃうわよね。
『エリー様は、どうしてこんな楽しそうな事をするのにサラばかりを起用するのですか!?』
まさか、ナノマシン群体で構成されて居る筈の精霊がこんな抗議の為に別人格を抑えて出て来るとか、どんな進化したのよ、こいつらってば。
「だってさぁ、あんただと希少金属のオリハルコンでも消し炭にしちゃいそうだしね。」
『エリー様、あのですねぇ、日緋色玉鋼を主軸に打った邑雅でもサラだったと言うのに、私の火力操作が信じられないとでも仰るのですか!?』
「えっと、それって、貴方が手伝いたいと言うか暇だから出て来たとかそう言うのでここに来た訳では無いと?」
『当たり前です! エリー様は未だあのガンテツ様の技がどのような火力を持って生み出されたのかを理解して居りません!』
と、ここからクドクドと小一時間程説教されてしまった・・・
精霊を生み出した存在の並列存在にも関わらずその精霊に叱られる私って一体・・・orz
何でこうなった?
だってぇ~、ガンちゃんが打ってる時の多々良炉の温度までは知らんがな~、そりゃさ、鑑定をフル稼働しなかった私も悪いわよ、でもあれフル稼働だと疲れるんだってば。
『聞いてますか!?』
「ふぁ、ふぁいっ!」
又間抜けな返事しちゃったよ。
『今余計な事考えてましたよね?』
またクドクド始まっちゃった、誰か助けて・・・
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結局二時間半程もの間、正座で、自分が作ったナノマシン群体にお説教されると言う偉業を達成した私ですが何か・・・orz
足痺れたしね。
で、結局多々良炉の温度管理をするのがイファーリアに成ったのだった。
なんかウキウキで多々良炉に飛び込んでったよね、あの子・・・
取り合えず、和解も済んだ事だし、イファーリアを信用して炉を整えて貰ったので、
オリハルコンインゴットをストレージから取り出すと、カナトコで掴んで炉にくべ、オリハルコンインゴットを真っ赤に焼く。
ちなみにこのカナトコはガンちゃんから貰ったオリハルコン製なので割と無理が利く。
オリハルコン程熱耐性の高い金属は他に類を見ないからねぇ。
他にオリハルコンを打つ時に使えそうなカナトコっつーとミスリル製の物に常に氷魔法を通して使うしか手は無いだろうと思う。
それだとマナを継続的にゴリゴリ持って行かれるので面倒だけどな。
オリハルコンは圧力を掛けるだけ硬くなるけど、圧縮を一切して居ないオリハルコンは、粘土みたいに柔らかい。
勿論、今私がストレージから取り出したオリハルコンは殆ど圧縮されて居ないので、粘土の塊みたいな質感だ。
熱を入れた無圧縮のオリハルコンは、その柔軟性を更に増幅する。
まぁ、つっても熱耐性の高い金属だからそんな簡単にそうは成らない。
今の炉の温度は、華氏16200度位。
摂氏に直すと凡そ9000度弱って所。
これでも多少柔らかくなる程度なのだから凄いよね。
これを玄翁で打ち付けて、伸ばしながら圧縮して行く。
圧縮が行き過ぎて硬くなってしまったらもう一度炉にくべて圧縮を緩和する。
これを繰り返して行くのがオリハルコンの成型となる。
本体がオリハルコンのナイフ作った時はさ、これを知らなかったから、元から刃の付いたナイフを錬金術でイメージしつつ強引に圧縮掛けて作っちゃってる、ホント本体ってばデタラメするよね。
それでもファンレイのカーゴスペースの床に刺さる位の完成度には成っちゃってるんだから驚きだよ、マジで。
今回は私がガンちゃんに習った手法でマジな切れ味のオリハルコンの細身のロングソードを作ろうとしてる訳なのだけど、勿論カレイラ用だ。
あの子が今使ってるのはミスリルソードになるのだけれど、ソロソロあの子のレベルも100間近らしいからねミスリルじゃ役不足に成り兼ねない、かと言ってアダマンタイトやオリハルコンでそれまでのテクニックで作った物では魔法が乗せられなくてカレイラの真骨頂の魔法剣は意味を成さなくなるからね。
私自身は別段アダマンタイトの剣が有れば何の問題も無いけどね。
カレイラはそうは行かないもん、そろそろミスリルソードも耐久値下がってるらしいしね、芯にアダマンタイト使ってるらしいから普通に剣として使うだけなら良いらしいけど。
今、その魔法剣を乗せる事が出来るオリハルコンの剣が打てるとしたら、ガンちゃんに直接技を習った私しか居ねぇから、これは私のお仕事。
こんな事考え乍ら剣を打つ事、かれこれ6時間、お腹が空いたので食事休憩に入った所で、MkⅢから私が送って置いたアキヒロ用の剣に関しての問い合わせが入って来た。
「ちょっとあんた!あの剣は何なのよ!オリハルコンなのになんでマナが通る訳?!??」
「そんな急に言われても。
あたしゃ今ご飯中なんですけど?」
「ああ、そうなんだ、随分変な時間にご飯してるみたいだけどそこはすまんかった、アレってどう言う事に成ってるの?」
そりゃ知る由も無いわな、私は本体とすら思考リンクを制限してるから、MkⅢにすら情報漏洩しないもん。
「まぁ、落ち着けMkⅢ、それ所じゃないぞ、あの剣は。
試しにカレイラに触らせて魔法剣使ってみ?
カレイラにはあの剣は重いから今私はあの子用に一本打ってるんだけどさ、魔法剣の乗りが丸で別物だからさ、実験して感想聞かせて、今はご飯中だから又後でな。」
そう言い放ってご飯に没頭する事にした。
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