第341話 ドワーフの里inアトランタ

       ドワーフの里inアトランタ

 ドワーフにやっと会えたのは良かったんだけどねぇ、予想外過ぎて戸惑って居るMkⅣです、皆様いかがお過ごしでしょうか。

 だってねぇ、4頭身ぐらいの体型だからさぁ、異世界物のアニメなんかでも背は低いのが相場だったんだけどね。

 私より身長があって4頭身だからさぁ、顔むっちゃデッケー訳よ、もっと言うとさ、指なんかさ、私の片手の五本束ねて一本分しかねーんじゃ無いかっつー位ふっとい訳よ。

 掌なんか野球のグローブよかでかく見えるもんな。

 これが指先器用で防具兼装飾品としてよく見られる「妖精のティアラ」とかってぇ奴の細かな装飾作ってるのが不思議なくらいよね。

 私でも気が遠くなりそうなほど細かい装飾でさ、ガチでこんな指で何日かけたらあんなガチムチ肉達磨があの細かい装飾のティアラを完成できるんだろう。

 まぁ、鍛造に関しては一度に多くの金属原石や、燃料の石炭を運んだりできそうだし、槌を振うのだって力が強い方が有利だしな。

 特にオリハルコンなんか使う場合、原石は多い方が硬い武器が鍛造できるしね。

 オリハルコンは、圧縮する事でその硬さを増すからね。

 ドワーフの馬鹿力は加工するのに持って来いだろう。

 まぁ、それはそうと、酒を差し出して認められたのだから現在どうなってるかって、決まってるでしょう?

 宴会に・・・

 いつ迄飲む気なんだこいつ等。

 もうね、私が酒振舞い出した時から既に5時間は飲んでるんですけど、誰一人として抜ける事無く飲み続けてるんだよ。

 ドワーフが酒のみで皆酒強いのもラノベ知識通りではあるけどここ迄ですか?

 一人位潰れても良いのでは?5時間だぞ5時間。

 既にブランデーの樽も4つ目を手付きにしてるし。

 ツマミも無しに飲み続けてるんだけど、誰もツマミ出さねぇのかよって思って思わずツマミを出す事にしたわよ。

 さすがにこれ以上は見るに堪えない。

 自作の生ハムにアイスバイン、それとソーセージなどをストレージから出して提供して見ると、見る見るうちに消費されて行きあっと言う間に出した分が消えうせる。

「がははははは! おい、判ってるじゃねぇかハイエルフの!

 もっと出してくれても良いんじゃぞ!」

 なんか上から目線で催促されたんですが何か?

 しゃぁねぇからもう少し手の込んだもの出してやるとしよう、私の料理に舌を巻け!

 鶏の唐揚げ、なめろう、イカの塩辛、酒盗、ペンネゴルゴンゾーラ(ゴルゴンゾーラ相当のブルーチーズを本体の家の地下室の一角で作って居た物なので正確にはゴルゴンゾーラとは言えない)、4種チーズのニョッキ、卸し蒸し豚、ビーフストロガノフ、牡蛎の酒蒸し、カレー粉風味カリフラワー炒め、肉ニラ炒め、それと王道の焼き鳥部門、正肉、ネギま、盆尻、セセリ、サンカク、トサカ、手羽筏、レバー、砂肝、薬研軟骨、キンカン(提灯)、ハツ、ついでに野菜串焼きも出そう、銀杏、椎茸、しし唐、アスパラ、ミニトマト、エリンギ。

 そしてバーニャカウダ、チーズフォンデュ。

 思いつくだけありったけのアテをストレージから取り出して並べる。

「がはははは!やるじゃねぇか!ハイエルフの! どれも食った事ねぇ位うめぇ!」

「がははははは、わしも気に入ったっ! お前がこの里にいつでも踏み入れる事を許すぞ! 来るときはこのウメェ酒又もってこい! 代わりになんか武器でも防具でも好きなもん作ってやる!」

 かわるがわる、好き勝手に上から目線なセリフがそこかしこから飛び交う、何なんだこいつ等。

 そして、私の出した料理が綺麗サッパリ食べ尽くされた頃、ようやく宴会は終わりを迎えた。

「さてと、あまりにウメェ酒だったもんで名乗るのを忘れたな、わしはこの里の長で、エンシェントドワーフのガンテツじゃ、エンシェントドワーフに進化を果たしたお陰で2,607歳になった。多分ドワーフの中でも最高齢の一人じゃ。」

「私も余りの勢いに流されて名乗って無いわね、私は、ハイエルフのエリー・ナカムラ。 その並列存在の一人よ。 736歳になったわ。

 今日は貴方達に、鍛造を見せて貰いたくて来ました。

 私も少し齧って居るので興味が有ります。」

「へぇ、巨木に隠れて世を忍んだハイエルフにしちゃ珍しいな、だがワシはそう言う変わり者は好きだぞ。

 ハイエルフは自堕落に生きてるだけな怠け者が多いが、お前は違うようだしな、がははは。」

「私はな、最近魔法を生み出したお陰で、ヒューマン達には大賢者とか呼ばれてるんだ。 そして今は、この里の近くにも出来てるが、高速で移動できるリニアモーターカーって言うものの線路を引いて交通インフラの整備とかを行ってる、確かにあんたのハイエルフに対する認識がそんなのだとすれば私はかなりの変わり者だ。」

「そうか、その交通インフラとやらにワシも興味が有る、2~3日滞在出来るように手配してやるから詳しく聞かせてくれ。」

「判ったわ、でも寝床は私の乗って来た飛空艇で良いから用意しなくて良いわよ。」

「その飛空艇っちゅうのにも興味が有るな、今から見に行っても良いか?」

「良いわよ、あんた達のサイズ感でも問題無く乗れるし、今からでもどうぞ。」

「じゃ、早速行くぞ。」

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 飛空艇に案内すると、搭載中のドラグライダーやフェンリルギアにまで目を付けてアレコレと質問攻めにされた。

 どうもこのガンテツと言う里長は、私の発明品の全てをハイテンションで隅々まで見て、分解しても良いか等と言い出したので、一応チェックしたら電脳化が未だだったので電脳化を促し、簡易の設計図などをダウンロードさせると。

「なんじゃこれはぁ! わしの頭の中に情報が流れ込んでくる!気持ちワリイけどある意味心地いいぞ!

 知識が流れ込むってこんな感覚なのか、面白いぞ!

 じゃあのう、ここはこうしたら量産しやすく成るんじゃねぇか!?」

 うぉっ!流し込んだデータを速攻で改ざんして量産化計画の図面にして流して来やがった、これまでで一番電脳に早く順応して使い熟した事例だろ、これは、ものの数十秒でこれかよ!良い開発者になりそうだ、本体と逢わせてやりたいわ。

「うん、良いわね、ここに来て正解だわ、リニアの計画書と設計図も送ってあげるわ。」

 リニアの全てを送りつけると、2600歳超えのじじいの癖に、目をキラキラ子供の様に輝かせて、こう言った。

「すげぇじゃねぇか!、こう言った事を考え出した奴は今迄に居ねぇ! わしらにもぜひ協力させてくれ! わしらは技術向上の為の修行のつもりでやってやるから給料は要らん!酒だけ飲ませてくれりゃそれで良いからこのおもしれえ計画に混ぜろ! むしろ何で一番先に此処に来なかった! もっと早く来て初めから手伝わせてくれれば良かったのに!」

「いや知らんがな。

 そんなに興味あるのならはよ言うてや。

 ってかお互い存在を知らんかったんやからしゃぁねぇでしょうが。」

「がははははははは! 確かにそうだ! おめぇさんやっぱおもしれえな!」

 巨大な手で背中を叩かれて吹っ飛びそうになったが、身体強化で凌いだ。

「兎に角わしらは明日から手伝ってやる!現場までこの飛空艇で里の腕利き数名連れて行ってくれい!」

 何だかとんでもない事に成って来たわね・・・

 翌朝、私が目を覚ますと、既に8人のドワーフと、里長が飛空艇の前に整列して待ちわびていた。

 こいつらどんな体力してやがんだよ、私だって昨日散々付き合わされて飲まされて、軽く二日酔いになってるっつーのに、私の三倍くらい飲んでた連中がケロッとしてやんの・・・

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