第334話 ダンジョンに巣喰う最悪1
ダンジョンに巣喰う最悪1
-MkⅢ-
「パメラ、御免ね、又私だけが行く事に成っちゃうね。」
「大丈夫、師匠にしか出来ないんでしょ?
師匠は困った人の味方だから頑張って来てね。
だから師匠の事大好きなの。」
「ん、ありがと、パメラ。
タイカンもボクスも、パメラをしっかり守ってあげるのよ。」
「はい、任せて下さい、師匠。」
「ああ、そうそう、何かあったらギルマスを頼りなさいね。
あのギルマス私には逆らえないっぽいしw」
「師匠に無条件で媚びたりしたら骨までしゃぶり尽くされそうですね・・・」
「ん?なんか言った?ボクス。」
「いえ、何も。」
「まぁ、兎に角ギルドがあなた達の依頼は割の良い奴で全部用意してくれるそうだから、三人で頑張ってね。
私も出来るだけ早く帰るつもりだから。」
「はい、師匠行ってらっしゃい。」
まぁ、B級冒険者の中でも腕の良い奴らが帰って来ないんじゃ、この子達連れて行く訳に行かないし、この子等も流石にヤバい事位は理解出来てるから我儘も言わないし、今回は私が出来るだけ早く終わらせるつもりで頑張らなきゃいかんね。
パメラは心配そうな顔をしてるけど、私なら大丈夫な事はこの間のドラゴン戦でパメラもちゃんと理解してるらしい、連れて行って欲しいとは絶対に言わないつもりらしく、心配そうではあるのに口はギュッと固く閉じている。
そして涙も我慢して居る表情と言う所かな?
「パメラ、私は大丈夫だから心配しないで、いざと成ったらお友達の龍王3柱召喚して脱出して来るから、ね?」
と言って頭を撫でてやると少しは落ち着いた感じかな?
「じゃあ、念の為、フェンリルギア装備して行くとするか。」
精霊ナノマシン利用の新型火器をフル装備にしたフェンリルギアをストレージから取り出し、MkⅣ由来のプラグスーツに身を包んで、バイク型のギアに跨って、「んじゃいっちょ揉んで来るわね。」
と、軽い感じに捨て台詞を吐いて走り出す。
初めて見るバイクに呆気に取られている衛兵を尻目に門を出て、街壁に沿って裏側に回る。
すると、割と大掛かりな祠っぽいものが見える。
あれか、成程ね・・・あの真下がダンジョンなんだ。
祠に到着すると、その穴は予想以上にでかいものだった、そうだな、いうなれば、デビルスシンクホールやサリサリニャーマみたいなのな。
「おい、女!それは何だ? 変な物に乗って来たな。」
「衛兵さん方お疲れ様、これは私の戦闘用魔道具のフェンリルギア、変形して人型にもなるのよ。
大型の魔物と戦う時なんかとっても便利なんだ。」
「あ、あぁ、そ、そうなんだ?」
「って事で、ハイこれギルマスの許可の通行証な、行って来るよ。」
そう言って穴にバイクモードで飛び込みつつ変形し、スラスターを駆使してゆっくりと底に着地した。
すると、穴の底から延びる横穴は全部で4つ、縦穴の途中から延びると思われる横穴が6つ。
その中で、もしも奥に大型の魔物が居たとして、それが何かの拍子に此処まで出て来られるとすれば、難なく通れそうな穴が、3つ。その内、この縦穴のそこから歩いては居れそうなものは一つ、と言う事でそこを通って行く事にした。これがハズレなら他の2つに入る為に、フェンリルギアに飛行ユニットを装着しなければいけないだろう。バイクモードで一気に距離を詰めて巨大横穴に突入する。
横穴に入ると、直ぐに斜めに下へと向かって居るごつごつとした巨大な岩がゴロゴロとあり、未知が悪いのでこの辺で変形をすると、ゆっくり先へ進んで行く事にした。
暫く行くと、急に広い空間に出る、恐らくこの辺からが本格的なダンジョンなのだろう。
少し進んだ所でゴブリンが40体以上の群れで現れた。
まぁこんな程度で潰れるようなパーティーでは腕利きとは言えないだろうから、他のダンジョンよりは1階層から出る数としては多いけれども想定内と言えるだろう。
この程度なら広範囲魔法一発で終わるしなw
「サンダーレイン。」
完全にオーバーキルな気はするけどな。
ゴブリンの集団を撃破して奥へ進むと、突如空間が狭くなり、迷宮っぽくなる。
フロアがかなり広いタイプなんだろうな。
こう言う通路型のダンジョンに成った時は目の錯覚を利用した斜めに走る隠し通路とかを注意しないと背後から先制されてしまう。
まぁナノマシンでマッピングが出来る私には何の問題も無いけど。
細い脇道からグレムリンが一列でやって来ると言う間抜けな状態が発生して居たのでストーンバレットの上位互換のクリスタルバレットで高度凡そ9のクリスタルの弾丸を超音速で撃ち出して一撃で全部処理する。その後も路地を通り過ぎるフォレストウルフやなんかと言う雑魚を処理しつつ奥へ行くと、ダンジョンらしく階段が出て来た、次の階層への階段だ。ちょっと思ってたより通路が狭くなったのでフェンリルギアは一度ストレージに仕舞って、邑雅でも長そうなのでオーブに作ったクロ―の上位互換のクロ―を装着、後、ここまで細く長い直線通路があるのならば有効だろうと、ブラスターガンを二丁使う事にした。
2階層へ降りると、どうやらそこから入り込んだか知らんけど、盗掘者であろうと思われるパーティーに遭遇。
そりゃ盗掘者だろうな、今封鎖中な筈なんだから。
取り合えずブラスターガンの出力をショックスタンレベルに落として使用して、捕縛した後、転移を使ってこのダンジョンの入り口の祠の衛兵に突き出す事にした。
2階層の入って直ぐにこんな奴らが居るって事はもっと何組も居そうだな、こりゃ・・・
危ないんだから止せばいいのにね。
そんなこんなであまり変わり映えしないダンジョンが5階層まで続いて、その間に盗掘者パーティーが他に2組、やっぱ居たよね、こういう輩・・・
で、5階層にはやっぱボス部屋と思しき扉がある。
開けて見るとそこにはゴブリンチャンピオンやゴブリンキングを含むゴブリンの200体程の集団が待ち構えてた。
面倒だからエクスプロージョンで爆破してやった。
まぁこれも一撃だったよねw
6階層からガラッと雰囲気が変わった。
いきなり神殿遺跡風になったのだ。
5階層から6階層までじゃそんなに深く降りて居ない筈なのに、天井までは30m程もありそうな天井の高さ。なんだか現役の神殿だったらすごく荘厳な雰囲気なのだろうなって思うような立派さだ。
壁画なんかも有ったりして本当にこんな遺跡がどこかにあるのかも知れないと思える。
ここで出る魔物は、小悪魔系の物が多かった。
ガルキマセラやグレムリン、インプ、クザファンなどだ、混成でも出る。
混成されると性質の違う者同士なので非常に面倒だ。
10階層までこんなのが続いて、ボス部屋で出たのはガーゴイルだった。
突如空中戦の得意なのがボスで出たので非常に厄介だ。
まぁ、ホーリーレイで叩き落としてブラスターガンでとどめを刺すだけだったけど。
11階層からは又ガラッと様相が様変わりする。
ダンジョンにありがちなのだが、空がある。
しかも、雲が随分低い位置にあるように見える事から、高原なのだろうなと言う感じ。
しかも鳥が飛んでるので、どの位の高さがあるのだろうと思って試しにイオンクラフトで行ける所まで上がって見る。
ダンジョンである以上上空にも上限がある筈だからね。
なんと驚いた事に、上限までは300m程もある。
まだ11階層までしか降りて居ないのだから300mもの天井なんて存在しない筈なんだけどな。
ここでいきなり出て来た魔物が又無茶苦茶だった。
ケツアールって言う鳥が居るのは知ってるっしょ?
あれが魔物化したデッケー奴。5m位ありやがんの。
しかも鳥の癖にドラゴンさながらにブレス吐きやがった。
そんなのとか、ガルーダ系が多かった、角が三つあるウサギや何かも多かったけどな。
14階層位迄、ずっと草原みたいな所だったんだけどこの天井とかってどうなってんだろうね、不思議だわホント。
まぁ何となくだけど他所の空間と繋がってて天井があるのはその高さ位に結界の天井が有るって事に成るんだろう、多分。
14階層辺りになると熊さんや狼さんの群れとかが多く成ってたりするけどね、ああそうそう、コッカトリスとかも出てかなりこの14階層までは多彩だったわね。
で、15階層に降りるといきなりまた坑道みたいになったと思ったらすぐにボス部屋だった。
出たボスは、エンシェントオーガ。
長く生きて狡猾になってる狡賢いオーガだったのでボス部屋のそこかしこに罠だらけ。
まぁ私が引っかかる事は無い訳であっさり倒しちゃったけど、ここでもはや脱落するパーティーも居そうだ。
と思いつつ、ボスの出現位置まで言って見たら、冒険者証のタグが幾つかあったので回収して置いた、やっぱここで終わったパーティー居るみたいだね、御愁傷様。
16階層になると、すっごく厄介だったよ、又草原みたいな階層が戻って来たんだけど、ジャイアントボアの上位、グレーターボアとか、エルダーバイコーンホース、、オークジェネラルとか出て来るし、19階層に近付けば近づく程さらに強くなって、ケンタウロスとか、ガチで19階層にはミノタウロス迄出て来たしな・・・
ちなみにケンタウロスって言うとあの馬の胴体の首からが人になった人馬を想像するだろうけど、そうじゃ無くて馬の頭に人のような二足歩行の魔物だったんだけど・・・そんなもんで良いんだろうか。
この辺になると、雑魚キャラでも強いので時折タグが拾えた、う~ん、この付近でみんな全滅したんじゃなかろうか。
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