第324話 MkⅣ.VS.・・・@Part2(後編)
MkⅣ.VS.・・・@Part2(後編)
「ねぇあんた、もしかしてヘタレでしょ?」
『な、何を根拠にそのような、我を愚弄するな!』
「いいえ、貴方がヘタレなら全てが繋がるのよ、私が目の前に転移した瞬間の驚き様、異様な距離の取り方、そして何より、私の工法で既に数キロ離れた貴方のネグラで煩くて眠れないなんて事に成る筈が無いもの、貴方のネグラの地下を掘って居たのは既に3カ月も前の事。
当時煩く寝て群れなかったとして、その文句を言いに来る為の気持ちの高揚に三カ月も掛かってしまった事に他ならないわ、貴方、人見知りのヘタレの引き籠りで間違い無いわ!」
『そ、そんな事は無い!』
あ、図星だったな、これは。
と、ここで突然部外者の念話が飛び込んで来た。
『いや、エリーの言い分で間違って居らぬ。』
って誰??
リバイアちゃんじゃネェよな、この声・・・
『我もそう思う、エリーが正しいぞ。』
こっちはリバイアちゃんだね、さっきの誰?
『こ、こら、お前ら!裏切り者! ファフニールもリバイアも、酷いでは無いか!』
『『いやいやお前がヘタレ過ぎるのがすべて悪い。』』
『い、言うなぁ~!』
「あのね、あんたら、勝手に身内だけで話始めないでくんない?それに、その、ファフニール?さん? 誰?」
『何じゃ、他の並列存在から情報共有して居らんのか?炎龍王であるぞ。』
「いや、全く・・・」
『おぬし・・・まぁがんばりたまえ・・・』
「何で私が爪弾きになってるような話になってんのよ!
私は情報共有をあえて切ってるの!
あんたみたいなのがイレギュラーになって面白いし、共有した時に私の体験も共有出来た瞬間本体や他の並列も楽しめるでしょう!?」
『成程、そう言う事にしといてやる。』
「何で信じねぇ、マジ殺すぞ? コラ。」
『コラ!当事者の我を蔑ろにするでない!』
今度はこっちがゴネ始めた、ドラゴンってみんなかまってちゃんか!?
「はぁ、まぁ良いわ、一応お仲間の証言も頂いたし、図星みたいなのでヘタレ決定ね。」
『くっ、だ、だがな、何千年も人と関わらずに静かに生きて来たのだから人見知りにも成ろうと言う物だろ?そうは思わぬか?』
「ん~・・・あんまり思わないわね、私も一時期AIアンドロイドに軟禁状態で過ごしてた事あるしなぁ、でも人見知りには成らなかったわよ~?
そもそも研究者の私は一人で研究してた機関が膨大に長いもの、人の寿命の数倍は一人で居たわよ、トータルすれば多分500年位は一人で過ごしたんじゃないかしらね?
貴方なんか一生の何分の一かそこいらでしょう?長いうちに入る?」
『ぐ・・・・』
あ、ついに反論できなくなった。
『言葉で龍王を言い負かすとは、中々大したものよな、流石あ奴の並列だ。』
ファフニールが又割って入って来た。
『お主、我をそこへ召喚せよ、このヘタレを我が説得してやろう。』
「え~、知らないドラゴンを召喚すんの? 既にここに変なドラゴン居るからお腹いっぱいなんですけど。」
『わはははは、言うのぅ、我なら良いであろう?エリーよ。』
リバイアちゃんが割って入って来る。
ってか、暫く静かにしてたからファフニールちゃんを紹介する為だけに来てんのかと思ってたけどまだ居たのねw
「ああもう、判ったわよ、ドラゴンってのは皆暇なんでしょ、かまってちゃんになってるわよ! 二人とも召喚してあげるわよ!」
「親愛なる我が友、リバイアサン、並びにファフニール、我が呼び掛けに答えよ、我が名はエリー・ナカムラ、龍・王・召・喚!」
スッゲー勢いでマナが抜けて行くのが判る。
そうか、こいつ等が呼んで欲しい理由は本当はこれか・・・
召喚時に私のマナを食ってる訳ね。
まぁ、でもそんなもんか。
リバイアちゃんは知った顔だけど、やはりファフニールは初見だった。
本体かな、こんな知り合い作るのは。
いや、MkⅢも在り得るんだけど・・・あいつ等も色々やらかしてるって噂だしな。
まぁ良いわ、そんな事考えている内になんか井戸端会議みてぇなの始まってるしよ。
『我らがこうして顔を突き合わせるのも、千年振り位かのう。』
『いや、千二百年程は経っておるのではないか?』
『お前らと顔合わせたく無かったわ。』と、ヴォルテクス、お前虐められてんちゃう?こいつ等に。
『フォレスタクスとはかれこれ2000年以上はあって居ない気がするがのう。』
なんか新しい名前出て来たし!
『そうだのう、あやつヨルムンガンドの葬儀にすら顔を出さなかったしのう。』
『ヨルの葬儀と言えばヴォルタクス、お前も来ておらんかったな。』
『我は行ったのだ、少し遅れたが。』
葬儀に行ったとか行かないとかお前ら人間だったろ、前世。
『ヴォルテクスよ、おぬしもエリーと契約をすると良いぞ、召喚時のマナが絶品なのだ。』と、リバイアちゃん
『そうだそうだ、お前もいつまでも引き籠っていないでこうして出張って来るが良い、リハビリと思って召喚されとけ。』と、ファフニールちゃん。
まぁ、ドラゴンもこうして見ると割と可愛いわね・・・
ちょっと契約しても良い気になって来たわね。こう見て居ると、リバイアサンが長い日本や中国の龍や麒麟みたいなタイプで、ファフニールとヴォルタクスが飛龍タイプ。
ヨルムンガンドは地龍らしく飛べない、大地を走り回るタイプ。あ、そうだわ、今ヨルムンガンドの名前を受けた地龍が居るって教えといた方が良いかしら。
「ねぇねぇ、あんた等さ、同窓会みたいなノリの会話中にあれなんだけど、私から一つ報告良いかな?」
『『『何だ?』』』
「ヨルムンガンドって名前を受けた若い地龍が居るって話は知ってる?」
『『『初耳だ!』』』
やっぱそうかぁ、言って無いんだぁ、本体もMKⅢも・・・
「今、本体の空中庭園に住んでるわよ。」
『『『は???』』』
「あらま、知らなかったのね。」
『そう言う事はもっと早く知らせて欲しいものなのだが・・・まぁおぬしの本体だから仕方ないのう。』
なんか残念な子扱いされてない?本体。
ってか私もかw
『まぁ良い、その内空中庭園とやらに寄らせて貰うとしよう。』
行くんだ、自力でw
その後、三龍で喧々諤々と小一時間程も会話が盛り上がる。
ちなみに私は蚊帳の外な。
召喚させといてそれはねーんじゃね?
『話はまとまった、エリーよ、こやつとも契約をするのだ、これで龍王さん体と契約し、一体を飼育しているドラゴンマスターだな、これからよろしく頼むぞ。』
「あんたがそれ言っちゃう訳? ねぇ、リバイアちゃん。」
『リバイアちゃんて呼ぶな。』
「えぇ~、今更ぁ~? もうこれで定着しちゃってるし良いじゃ無いの。」
『はぁ、エリーだから仕方無いか・・・』
「なんかガッカリされた!」
『とにかくよろしく頼むぞ。』
「しゃぁないわね、今日の所は同窓会でもしときなさい。」
仕方無い、このヘタレドラゴンとも召喚契約する羽目になったようだ。
「所であんた達さ、もう一体のドラゴンってどこに住んでんの?」
『確か・・・シーマの街の東の森の奥では無かったか?』
『おお、確かそうだ、前回あやつから引っ越したと知らせが着て居ったな、そう言えば。』
どんな遠距離連絡手段があるのだろう、ドラゴンはますます謎だ。
ってかテレパシーみたいな能力が有りそうだからそんな風に連絡取り合ってるのかも知れないね。
さっき私にも呼べとか何とか言ってた位だし。
『何だ、エリー、奴とも契約する気にでもなったか?』
「いやいや、わたしはそのうちな、ってか、シーマの街の東の森って、あそこかよっ!」
まさかあの、森の外れの谷で熊さん大量発生したり魔人に遭遇したりと色々あったあの森の奥かぁ、谷を迂回した先って事だろうな。
そっち側は確かに未だ踏み込んでなかったよね。
「まぁ場所は判ったし、そのうち行くって事でいんじゃね?そっちは。」
一応本体に報告上げて置くとしよう。
『そうか、今から行くかと思ったのだが、残念だ。』
「行かんわい! わたしゃここの工事で忙しいの!
さぁ、同窓会は他所でやって頂戴ね。」
他所でやれと言われてなんか残念そうに三大龍王がしょんぼりと去って行くのであった・・・
龍王がしょんぼりすんなよ・・・
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