第317話 パメラの初クエスト
パメラの初クエスト
早速依頼を受けたいと言うパメラを、もう夜も更けたし明日にしなさいと諫めると、空中庭園の食堂へと直接ゲートを繋ぎ、ボクス、タイカン、パメラの三人をゲートに押し込み、晩御飯の時間にする事にした。
「さて、今日は私が腕によりをかけて超美味いハンバーグステーキを作ってやる。」
「ハンバーグステーキってどんなステーキでしょう・・・気になります!」とボクス
「師匠の作るご飯皆美味しいから何でも嬉しい~。」嬉しそうに両手を広げて可愛いポーズなパメラ。
「楽しみです、師匠、あ、ほら、お前達も大人しく座って待ってろ。」とは、しっかり者のタイカンだ。
この子達は本当に良い子に育ってるよね~、カイエンも、怪我で真面に戦う事が出来なくなってからも腐らずに頑張ってたみたいだし、マカンヌもそんなカイエンを支え続けていたからこそ、こんな良い子に育ったんだろうね、本当に、あの夫婦ならではの良い子に育った気がするよ。
両親の姿を見て子は育つんだね、私は、前世で娘と一緒に居てあげられなかったから、うらやましく思うわ。
私も、もしこの世界で結婚して子を設ける事があったら、カイエン達のような夫婦を目指そうと思える程良い子達に育ってるよ。
流石は世界を護る勇者に認定された男の家族って感じだ。
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-MkⅢの三分間クッキング-
本日は、ハンマーヘッドオークとジャイアントボアの合い挽き肉のハンバーグステーキ、4人前です。
用意するのはこちら!
〇ジャイアントボアの切り落とし肉300g
〇ハンマーヘッドオークの切り落とし300g
〇玉葱150g
〇パン粉少々。
〇ウスターソース適量
〇トマトケチャップ適量
〇付け合わせのレタス等の生野菜
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先ず、ボアとオークの切り落とし肉を細かく、微塵切りに刻みましょう。
細かく刻めばそれだけ柔らかい物に成り、粗く刻めば食感が良くなります、コツはあまり粗くなり過ぎない程度に粗めに食感を確保出来るように細切れにします。
フードプロセッサーが有れば手早いですが手で刻んだ方が食感の調整の自由度が上がります。
玉葱も微塵切りにします。
ボールに、出来た合い挽き肉と玉ねぎの微塵切りを入れ混ぜる。
パン粉を少々、ツナギとして加え、もう一度良く混ぜます。
手頃な大きさに別け、パテを作ります。
良く空気を抜いて下さい、両掌でお手玉の様にキャッチボールして平らにすれば良いでしょう。
量が割と多いので、一人に付きパテ2枚づつ位に別けるとやり易いと思われます。
フライパンに、バターをひいて万遍無く伸ばしたら、2枚位づつ、中火位で焼きましょう。
両面を丁寧に、ほんのり焦げが付き始める程度に焼いたら、竹串等で中まで火が通って居るかを確認して、サクッと刺さる様ならば火が通って居ますので、上げて行きます。
次からはフライパンに残った脂分で焼いて行きます。
パテを全て焼き上げたら、油は捨てず、ケチャップとウスターソースをフライパンに入れ、油と混ぜながら少しづつ弱火で温めてソースを作ります。
レタスや生食用玉葱等は予め皿に盛って置き、焼き上げたパテを乗せて行きます。可愛く盛り付けが出来たら、ソースを適量掛けて出来上がり。
ご飯をちょっと硬めに焚いておくとお皿に盛ったライスなんて洒落たディナーよ。
あ、今回はバタールをスライスして軽く焼いて、ガーリックバターを塗ったブレッドですけどね。
簡単で美味しいので是非作って見てね♡
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「お待たせ―。」
KANAKO、AYAKA、SHIORI、RENIの4体のハコンダーZにハンバーグステーキとバターブレッドを運ばせ、私はカトラリーを4人に配った。
「これがハンバーグ!?」
「美味しそう。」
「とても美味しそうな匂い、こんなの初めてです。」
「はいはい、それじゃ食べましょう、いただきます。」
「「「いただきます。」」」
「やわらかい。」
「うまっ! 師匠美味いです!」
「肉の食感もしっかり残って居て、ナイフが要らない位やわらかくて、切り口からじわっと美味しい肉の汁が、最高です!」
おお、ナイスな食レポだ、タイカン。
弟子達は三人とも大満足で、お腹いっぱいで風呂を呼ばれた後、ゆっくりと就寝した。
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—翌朝—
今朝の朝食は、バターと蜂蜜の食パンに、プロシュートをコカトリスの卵と一緒に焼いた、所謂ベーコンエッグ、茹でたブロッコリーのマヨネーズ掛けに、飲み物はトマトジュース。
デザートにヨーグルトのストローベリージャム掛けだ。
これだけ紹介すると、調理法とか要らなさそうだけど、何気なく出て来てる食パンやプロシュートも自作なんだからね?
勿論マヨネーズもトマトジュースも、ヨーグルトだって私の自作。
蜂蜜だって私が取って来た蜂の巣から絞り出したんだからね。
まぁそんな事言い出したらキリが無いけどさ。
朝食を済ませた私達は、昨日からやる気満々なパメラの初クエストを選ぶ為に冒険者ギルドへと向かった。
「おはようございます、エリーさん!」
ゼータは元気娘的な性格のようだ。
「おはよう、あんた朝からテンション高いわね・・・」
「はい! だって、外に出られるようになったので今日は午後から初めてのお休みを頂いてお買い物に行く予定なんです!
仲の良い冒険者の女の子が一緒に行ってくれるのでちょっと楽しみにしてるんですよ。」
「そっかそっか、楽しんでらっしゃいね。」
雑談をしている間に、タイカン、ボクスと一緒にパメラが初めてのクエストを選んで来た。
「これお願いします。」
「はい、丁度手頃だと思います、承認しました、行ってらっしゃい!」
「さ、ンじゃ私が同行するよ。」
「ダメ!師匠はここで待ってて、自分で出来るから。」
「パメラ、一応、ターゲットの草やキノコの偽物も有るから私が鑑定してあげられると思うのよ?」
「大丈夫、ちゃんと師匠の図書室で勉強したから大丈夫です。」
「成程、ちゃんと勉強してたのか、偉いよ、でも一応、タイカンとボクスは一緒に行って貰いなさい、面倒な魔物が出るかも知れないからね。」
「はい、判りました、お兄ちゃん達、パーティー組んで下さい。」
「「勿論、一緒に行こうな。」」
うん、この子らやっぱいい子達だわ。
「じゃあ気を付けてね、行ってらっしゃい。」
ナノマシンで様子を窺っておこう、もしもヤバいの近付いてたら出会う前に私が倒しに行けば良いわよね。
この辺りって危ないの割と居るのよね。
昨日のサイクロプスとかな。
さて、私はしばらく暇になるだろうし、どうしようかなぁ。
「エリーさん、お暇ならギルドマスターに面会して貰っても良いですか?」
うわ、そう来たか・・・
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-パメラ-
エリー師匠は、私の事が心配なんだよね、きっと。
でも、ママよりも心配してくれてる気がして、少しめんどくさい。
最近になって、私の前世の記憶みたいのが蘇って来たので、預かって居る子を危険な目に遇わせたくないって言う師匠の気持ちも良く判るけど。
でも師匠は本当にすごいな、自分で一から魔法を作ったんだって。
もしも、師匠が居なくてこの世界に転生して居たらと思うと、私は生きて行けるだろうか、って、最近良く考える。
だから師匠には本当に感謝しか無いんだけどさ。
私は、師匠の出鱈目な魔力は知ってるけど、師匠からして、魔法適性の有る人達の平均値より、私はずっと多い魔力を持ってるんだって、きっと転生して来たからだと私は思ってる。
前世では、クレー射撃の国際大会クラスの選手だったので、魔法を命中させるのも、師匠から見ても上手いんだって。
師匠の作った、パパやママの全身義体って、私の知る限りでは、近未来SFアニメでしか知らない物なんだけど、師匠って、やっぱ私と同じ世界から来たのかなぁ?それとももっと別の世界?
師匠も転生者なのは間違い無いと思う。
ちなみに私は未だ、師匠に前世の記憶が蘇って来た事を言って居ない。
本当につい最近だったんだもん。
さて、お兄ちゃん達と、目的の森に着いた。
初めての採取クエストは、冬場しか取れない特殊な草の根だ、見た目は牛蒡みたい。
師匠の作った図鑑がフルカラーだったので、見極めも楽で助かる。
あ、ちなみに、前世の記憶が蘇ったのも師匠のこのフルカラーの図鑑を始めて見た時のショックからだった。
初めは、本物そっくりに塗られた凄い絵だなって思ったけれど、写真って言う認識が、私の中に何故かあって、そこから、急速に色々思い出した。
前世の私は、地震で死んだ。
その時の怖かった記憶を封印する為に、前世の記憶を失ってたのかも知れない。
でも、思い出した今は、怖いとは思って居ない。
だって、師匠の家って、空中に浮いた浮島みたいなのに建ってるんだもん。
デタラメな師匠です、本当に。
昨日のハンバーグも、ホント美味しかったし。
バレちゃうから、懐かしいとは言わなかったけどねw
せっせと牛蒡風の根を掘って集めていたら、近くに魔物が来たらしくて、お兄ちゃん達が走って行った。
そんな所に、私の探知に、別の魔物が引っかかったので、私がこれは対処しなくちゃって思って身構えた。
師匠のくれた杖を構える。
師匠の前では詠唱してたけど、実は無詠唱も使えるので、無詠唱で倒して見る事にした。
(ウォーター・ガン)
1000気圧以上ある水柱が、魔物を貫く。
私の一人で倒した初の魔物は、ジャイアントボアだった、これ、美味しかったよね。
師匠が私にスキル付与って言うデタラメなスキルでくれた、ストレージにコレを仕舞う。
すると、皮と肉、骨、牙、内臓関連、血と、分かれてしまうので、解体が要らない、凄い。
採集目的の根っこは、滋養強壮の薬の原料らしいんだけど、結構良い報酬額が貰える。
これと、ボアの素材で結構な儲けになりそう。
必要最低量は達成したし、今日はもう帰っても良いんじゃ無いかな?
お兄ちゃん達も戻って来たし、帰ろう。
「お兄ちゃん達、ありがとう。 かえろ~。」
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