第308話 能力テスト

         能力テスト

 -エリー本体-

「お帰り、テディー。」

「ただいま、エリちゃん。」

 う~ん、テディー超可愛い!

 テーラーズルームに連れて行くしか無いわねっ!

 女子中学生位の肉体年齢になったテディーをテーラーズルームに連れて行き採寸させながら私は仮想フィッティングでデザインをしている。

 テディーは可愛いからロリータファッションとかさせたらムッチャクチャ可愛いと思うんだよな。

 ンじゃあ、ってんでロリータファッションで仮想フィッティングさせて見たらほんっとに似合うのよこれが!

 ここはこれでいくしかネェってなもんですぐに裁断縫製に回して完成しました!

 一分間で完成するロリータファッションの水色のドレス。

 その一分間の間に、テディーの髪の色に合わせた明るい茶系の色のストールを縫製に回して、更にそれが仕上がる直前に、淡い桜色のヘッドドレスを縫製に回すと、白のストッキングと厚底の、素材の色を生かした木靴を一緒に選んでフィッティングに回しておく。

「テディー、準備出来たわよ、フィッティングルームに入ってね~。」

「はーい。 ここで良いのよね?」

 テディーがフィッティングルームに入ると、ロボットアームが着せてくれる。

 フィッティングルームからなんか妙な悲鳴が聞こえて来た。

「ふひゃぁ~~! ちょ、ま、あにゃ~!」

 思わず吹き出してしまった。

 出て来たテディーを姿見の前に連れて行き、

「ほら、可愛いわよ、テディー!」

 自分の可愛さに驚くテディーに大満足。

「私ってこんな可愛かったっけ?」

「うん! 昔のテディーに戻ったねっ!」

「あのさ、私虐められてたせいか、あんまり鏡って見た事無かったし、お洒落した事無かったしさ、ホントに私の顔こんなだった?」

「うん、可愛かったわよ、昔のテディーがちゃんと戻って来た、嬉しい、可愛い~。」

 思わずハグしちゃった。

 すると、テディーが辛辣な突っ込みを・・・

「で、さぁ、私が可愛くなったのは嬉しいけどね、エリちゃんは、その恰好はどうかと思うわよ?

 折角の美少女ハイエルフが、三本線のえんじ色のジャージ上下って・・・どうなのよ。」

 調整層ポッドの前に一週間詰めてたんだからほっとけよ、そこは・・・

 さすがの私でもクッタクタなんだからな?

 ちなみにマリイは殆どアインに任せっきりでした、駄目なママで御免・・・

 私が詰めている間に、マリイはアインに手を散々焼かせたらしい。

 もう立って走り回ってるからねぇ。

 ハイエルフって、20歳位の姿で固定されてほぼ不死(殺されれば死ぬからね)なのに、赤ちゃんは何でこんなに高い成長力を持って居るんだろう。

 これも追々研究しよう。

 何より今はこの中身50代のロリバ・・・もとい、テディーの性能・・・じゃ無くて身体能力チェックだね。

 あ、今日は駄目かも知れん、なんか思考がこんがらがってるな、これ。

 流石の私にも、今回の作業はきつかったなぁ。

 一週間毎日睡眠時間実質1時間じゃ無理も無いか。

 休憩と称して三時間だけトーラス君に交代して貰ってその間にお風呂入って寝たら一時間しか無いんだもの。

 彼にも時間が惜しいからね、独自に魔道具の研究してたからさ。

 まぁ元はと言えば私が魔道具の開発を時間が足りなくて後回しにしてた部分が多くってね、その中から興味が有る者を彼自身が選んで研究してくれて居るんだけどね。

 さぁ、ンじゃ早速、疲れた私の脳を寝かして電脳で行動する事にして、テディーの能力テストと行こう。

 ---------

 -ベアトリクス-

 -第一テスト・頭脳試験-

 ハイエルフに進化したお陰で電脳の能力もフルに生かせる今の私には御茶の粉さいさい、楽勝楽勝・・・なんやけど、なぁ。

「ねぇ、エリちゃん?」

「どうしたの? 上手く電脳が使えなくて難し過ぎる?」

「あんなぁ、そう言う事とちごて、何で懐かしの中学の制服なんかな?」

「ぴったりだから?」

「何で疑問形なん?」

「可愛いから良いじゃんって事にしといて。」

「んんんん・・・・まぁ、ええか・・・はぁ。」

 私は中学の1~2年の間、殆ど虐められて過ごして居た為に、この制服には少し抵抗が有るんよ、ただ、その抵抗が有りつつ、今更この制服を着れているのは3年の一年間はエリちゃんのおかげで反撃出来る子になって居たからやねん。

 1年の時はエリちゃんと違うクラスに成っとったから虐められてるのもエリちゃんは知らんかった。

 2年になってからも、初めの内は未だ目立たんようにやられてたし、エリちゃんが気付いて報復をしてくれるようになってからも暫くはあまり変わり映えしない状況が続いとったし。

 長きに渡っていじめにあっとったせいで、精神的にも不安定になっとったからなぁ、当時鏡も見れなくなって家の鏡も割っちゃった程病んでたし・・・

 エリちゃんの助け舟が無かったら、多分やけど、自殺してたんちゃうやろか。

 そこまで追い込まれた人間って、マジで社会生活落伍者になり果てるんやって自覚したわ。

 思い出すわぁ、エリちゃんの報復がスッゲー辛辣だったのが懐かしい。

 私への攻撃がエリちゃんに向いた時なんて特に酷かったなぁ。

 エリちゃんがトイレの中にホースで水ぶっ掛けられた時なんか特に酷かった。

 男子トイレに故障中に付き使用禁止って張り紙してバケツ置いといてさぁ、溜まったオシッコ運んでって仕返ししてたしなぁ・・・敵に回しちゃアカン人やなって思ったわ。

 で、逆に先生に訴えられて呼び出されたエリちゃんの言い分が、「自分が水掛けられたんが先や。」って言い返して、その上、「人に対してやってる以上自分がやられる覚悟でやったんちゃうんか?」ってw

 しかも、「やり返すんなら私は10倍返しが基本やから、やりたかったら一思いに殺さな仕返しで殺されると思いや?」ってw

 アレには先生もドン引きしてたわ~。

 私も虐めに遭ってた当事者として呼び出されとったし、爽快ったわ。

 大幅に脱線した、エリちゃんと話してる感じでつい脱線したけど、頭脳試験は満点やった。

 -第二テスト:身体能力-

 若く成っとるし、エルフって森の住人とか言われて居る者の頂点のハイエルフに成ってる以上、こんな細い手足でも、人間だった以前よりも圧倒的に運動神経向上してたから、結果的に満点には成ったんだけど、それ以前の問題が。

「エリちゃん?あんなぁ?」

「ん?どした?」

「何なん?この体操着。 ブルマなんて昔のアニメでしか見た事無かったで? 何でこんな恥ずかしい物履かなアカンかった?」

「ん~・・・やっぱ可愛いから?」

「だから何で疑問形で答えるん? ワザとやっとるやろ?」

「ワザとではあるけどなかなか着られんでしょう? こんなの。」

「あんなぁ・・・」

「記念にちゃんとお写真いっぱい撮って置いて上げたからね~。」

「あんたね、虐め?」

「ちゃうちゃう、私も自分でそう言う格好して自分の能力図ったし。 ほら、これ私の時の写真。」

 あ、この子ってば、ガチで楽しんどるだけや、はぁ、しゃぁ無い、エリちゃんが表にこう言うの出す人ちゃうと信じて諦めるしか無いか・・・

 -第三テスト:魔力-

 折角ハイエルフに成って、魔力量が膨大に増えた。

 私のステータス見ても、とんでもない事に成っとったしなぁ。

 なぁ、何でMP6桁も有るん?

 レベル1やから、HPは3桁しか無いんやけど?

 まぁレベル1なんを考えたら三桁あっても多いとは思うけどな?

 先に結果を言うと、「完璧っす。」 らしい。

「なぁ、エリちゃん?」

「なぁに? テディー。」

「あのなぁ、このコスプレは必要やったか?」

「えっとぉ、可愛いから良いじゃん?」

「何が悲しゅうて魔法少女のコスプレして魔力測定戦ならんかったん!? むっちゃ恥ずかしいんやけどぉっ!」

「大丈夫大丈夫、記念よ記念。」

「もういやや~!」

「そんなの私の見てから言って・・・これ・・・」

 エリちゃんは写真を私に手渡しながら明らかに恥ずかしそうにしてた・・・けど・・・

 何で、キューティー・○ニーコスなんやろ、恥ずかしいんやったらやらんときゃええのに。

「し、仕方無かったのよ・・・やらんとアカンかったから。」

 何でそんな事に成ってるのやらw 

 まぁ、深く追及するのは辞めといた、私より恥ずかしい格好やったので留飲下がったし。

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