第217話 剣王の崩壊
剣王の崩壊
この世界の、全ての達人と呼ばれているその道を究める物に、格付けが一応ある。
剣の道であれば、上から剣神⤵剣王⤵剣聖⤵剣仙⤵剣鬼⤵剣豪となって居る。
既に剣豪でも相当な強さな筈なのだ。
まぁ要するに、拳聖の称号を持ってるオーブちゃんは、かなり強い格闘家だって事に成る・・・はず。
なんだけど、何分、あんななんだよね・・・
ちなみに、剣神、拳神の称号を欲しいままにしたのは、当然、初代アームストロング流剣術師範や、アームストロング流拳闘術師範である。
この両名は兄弟であったとされる。
そして現在の師範であるのが、剣王リーゼロッテ・アームストロングその人。
並びに、拳王ルイ・アームストロングである。
何故か二人共、道場を守って行こうと言う気概はあまり持ち合わせて居ないらしい、従兄妹同士で一体何を考えているのだろうとは思う。
どっちもある意味変態だしな・・・
まぁ、それはそうと置いておいて、その、剣王が今ココに、エリーと遭遇したのである。
「いらっしゃい、剣王ちゃん。」
「なっ! ちゃん??」
「うん、良い子だわね、リーゼロッテちゃん。」
ナデナデしてあげる。
「まてぇ~! 撫でるなぁ~!」
「んふふふふふ~、本当に可愛いわ~。」
私から見ればまだ子供も同然と言う事もあるのだけど、割と目鼻立ち整ってて可愛いのよ。
この子、お化粧したらすっげぇ美女になるわよ?
うわぁ~、化粧してぇ~。
驚いた事にさぁ、こんな鍛えてるし当然のようにこんなほぼビキニアーマーみたいな鎧でうろついててさ、日焼けしてるにも拘らず、お肌の肌理も驚く程に細かいのよ。
お化粧のノリがとっても良さそう。
「で、折角この家に来たのだから、私に協力して貰います。」
「え?何?何でそうなる??」
「さ、MkⅣ、連れて来なさい。」
「了解、マスター!w」
「ちょっ、まて! 楽しんでるなお前ら~!?」
「うん、人生楽しんだもん勝ちよ?」
そして、私、アイン、ツヴァイのジェットストリームメイキャップで瞬間的にメイクをしてやる。
「うん!思った通り、超可愛い!!!」
そのまま、勢いでテーラーズルームで速攻で作ったドレスを着せてやったら、どっかの御姫様のようだ。
「おっしゃ、完璧!」
『成功ですね、マスター。』
アインが絶賛する。
ツヴァイも、なんかアイドルを強調させてるバックダンサーみたいな恰好で手を捻ってキラキラを表現してる。
ってかさ、ツヴァイ、そう言うポーズは笑顔でやりなさい、何で無表情なのよ、ある意味コエーわ。
「ちょっ、あの、え?なんで?」
うん、完っ全に勢いだけでごり押しされた事で、初めの私とMkⅣが同一人物のあそこで起きたゲシュタルト崩壊をそのまま引き摺って混乱したままされるがままになってくれたよ。MkⅣも、惚れ惚れと見とれている。
「イヤぁ~、連れて来て良かったわ~、やっぱね~、美人なのに勿体ネーなーって思ってたのよ、完璧だわ、こりゃ。」
「これならすぐにでもお相手見つかるわよ?」
「うんうん、早速お見合いを!」
「え?え?えぇぇ~~???」
「何言ってんの、もう急がないと年齢的にアウトでしょ?」
「そうそう、急がないと~。」
MkⅣと共謀して強引に見合いを勧める。
相手は・・・未だ独身のこの世界の龍馬さんだ。
竜馬さんも身長むっちゃ高いから、超お似合いだと思うんだ。
しかも、方や北辰一刀流免許皆伝、方や剣王ならばこれ以上ない組み合わせじゃね?
この子をこっちに連れて来る事をナノマシンで知ってすぐさま手配したMkⅢが、竜馬さんを連れて間もなく到着する。
アインとツヴァイがスゲェ勢いで庭にテーブルとか設置して、料理に取り掛かっている。
オープンカフェっぽい雰囲気のお洒落な空間になりつつある庭を眺めつつ、リーゼロッテちゃんを褒めて持ち上げてその気にさせる。
素は女の子なのに跡取りとして頑張って来たのがこの子の悲劇だったのだ。
もっと女性らしく生きて良かったのに、勿体無いヨな。
段々と、女の子を取り戻して来たロッテちゃんを、そろそろオープンカフェへ。
すると、うちの庭の向こう側からクリムゾンスパイダー新8号機。
羽織り袴ではなく、モーニングに身を包んだダンディーな竜馬さんが降りて来た。
「リョウマさんかっけ~!(゚∀゚)キタコレ!!」
思わず叫んじゃった。
この二人共に共通するのは、お互いに萌え要素が個性的に光って居る事だね。
そんな竜馬さんの姿を目の当たりにしたリーゼロッテの、ガチガチに固まって居た表情が、崩壊した・・・
あ、これ、即決決定だわ。
手合わせしてやるっつってMkⅣが連れて来たのを、騙すような形でここまでやっちゃったのは申し訳無かった気もするけど、うまく行っちゃいそうなので許して貰えると思う・・・多分。
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