第216話 剣王とエリーMkⅣ

        剣王とエリーMkⅣ

「じゃあ、俺のお勧めのうなぎ屋行こうぜ。」

 って事でやって参りました、お勧めのうなぎ屋。

 白川っつーお店、私の聞き込みでも2票目が上がってた所だし、きっとおいしいだろうと思う。

 期待しちゃうな、ってこうやってハードル上げ過ぎて納得出来なくなって厨房貸せよ!ってなって店主と料理対決になっちゃうのが本体の悪い癖だったね、気を付けねば・・・

 ん~、そう言えばさぁ、私って出先で鰻ばっかり食ってるイメージになってる気がするけど、たまたまだからね?

 ん?今いる浜松も餃子有名だって?

 そう言えばそうよね?

 こっちにも餃子布教して帰って見たらどうかって?

 やって見ましょう!w

 ハイ脱線脱線!戻すよ~。

 ロッテちゃんのお勧めと言う事で入ったうなぎ屋さん、白川。

 ここの名物はご主人が自分で山に入って取って来る天然の山椒を干して作った自作の山椒らしい、うなぎ屋さんで一番の自慢が山椒ってのはどうかと思ったんだけどね、これがね、生きた鰻を捌いてその場で串を打って、炭火で直焼きしてるんだわ。

 蒸さないのかって聞いたらね、炭火で焼くに当たって焦げないようにお水に潜らせる作業をするのでその水分でふんわりと焼き上がるから良いんだって。

 あ、そう言えば、焼き鳥も、焦げないように炭火でうまく焼くには水に潜らせるんだよ。

 そうすると多すぎる油も落ちてますます美味しく焼けるのよ。

 焦げた焼き鳥と鰻だきゃぁ焦げ臭くて美味しさ半減しちゃうからね~。

 やっぱ香りは大事。

 人間の味覚の実に8割は匂いに頼ってるんだぞ?

 だから、飲食店の配膳の係の人には香水付けて来ないで欲しい。

 昔、私も喧嘩した事あるもん。

 で、その店、権力に物言わせて潰したけどね。

 あ、転生前の話よ、転生前の。

 また脱線しちゃったね、戻します。

 で、実際に食ったら無茶苦茶ふわふわで、御近付きの記念の晩酌で一合だけって事でぬる燗付けて貰ったアテに出して貰った白焼きが絶品!

 これは期待出来るぞってんで待ち遠しかった念願のウナギの丼に、ご自慢の山椒を一掛けして頂きます。

「!??!!!!!?」

 うっめぇ!

 何だこれ!?

 いやなんだって鰻なんだけどさ、タレが又スゲェうまいの。

 これは私にもそうそう再現できない、何年もの年月を継ぎ足して育ててきたタレなんだろうなって感じで、凄い美味しさです。

 そのタレに又この山椒が合うんだ、野性味あふれるパンチの効いた辛味がね、たまらん。

 山椒が自慢と言う意味が分かった気がする。

 このタレにぴったり、と言うか、この甘めのタレにこの山椒を加えてこそ初めてこのお店の鰻丼は完成に至ると言う感じ。

 ロッテちゃんってば味覚はとてもシッカリしてて草。

 ちゃんとお料理憶えたら良い奥さんになりそうじゃん。

 こんなムッキムキの嫁貰おうと言う人も居るだろ、多分、デブ専やブス専なんつーのがいる位だからな。

 27歳じゃいい加減何とかしないとヤバいっしょ。

 まぁ、性格に難が有りそうな気がしないでも無いけど。

 そんで、食べ終わってしばらく、世間話に花を咲かせてたらすっかり意気投合、それから、腹もこなれたと言う事で、そろそろ手合わせしようかってな流れになった。

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「いらっしゃいませ、どのような御用ですか?」

 探索者組合へ来ていた。

「あ、悪いんだけど、訓練場を借りたいのだけど。」

「すみません、探索者登録がされて居ない方へお貸しする事は出来ません。」

 ロッテちゃんが、

「私は登録して居るが?」

「私も、探索者登録では無いけれど、他国で冒険者登録はしてるわよ?」

「確認しました、此方の方、リーゼロッテさんは利用可能です。」

「私は?手合わせしに来たのだけど?」

「申し訳ございません、探索者登録をして頂かないとご利用になれません、探索者登録をしますか?」

 なんつー頭の固い受付だよ。

 最近色々性格に難のある奴とよく遭遇する気がして来たぞ?

「しゃぁねぇか、んじゃ登録しよう。」

「畏まりました、では、此方にお名前を。」

 紙では無く、変な木の板、木簡みたいなのを渡された。

 名前を書く事にした私は、漢字で、仲村恵里衣と書く。

 すると。

「申し訳御座いません、既に登録済みの名前のようでして。」

 何ですと?まさかとは思うけどMkⅢか?

 うーん、私は登録してネェし、あいつが登録してたら私は登録証持ってねぇこったし、どうした物か・・・

 すると。

「おい、私が良いっつってもダメなの?」

 ロッテちゃんがすごんで見せた。

「ダメです。」

 うわ、ひかねぇな、こいつも。

「んじゃしゃぁねぇや、他所でやるとしよう。」

「どこか良い所でも?」

「んなもんねぇよ、だから、私のゲートで空間を移動しようっつってんの。」

「ゲートって? 空間を移動???」

「ものは試しだ、はい、これがゲート。」

 闇魔法で、我が家の付近の広く成った場所に繋いでみた。

 ちなみに探索者組合の受付嬢はと言うと、あまりの驚きに、口開けたままで固まってる。

 そして、私は、ロッテちゃんの腕を掴んで引っ張りながらゲートに入って行く。

「ちょ、まてまて・・・」

 ロッテが後から取り敢えず混乱しながらもついて来た。

 で、出た先で・・・

「あんた何してんのよ、お仕事しなさい。」

 本体に捕まった・・・

「ちょ、本体、勘弁して、お客さん居るんだから。」

「ナノマシンで追いかけて居てたから知ってるわよ、リーゼロッテ・アームストロングさんね。

 ようこそ、仲村家へ。」

「えっと、御兄弟??」

「「いえ、同一人物です。」」

「は???????」

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