第215話 アームストロング・剣王

       アームストロング・剣王

 -MkⅣ-

 浜松って、思ったより広いのよ。

 ンでさ、お目当てのうなぎ屋さんなんだけどね、聴き込みすればするほど何処が美味しいのか迷う訳。

 だってね、聞く人聞く人、三者三様でさぁ、うな好が良い、とか、うな濱が良いとか、10人聞いたら10件のうなぎ屋が推薦されて困ってんのよ!

 何処が本当に美味しいのよぉ~~~!!

 皆美味しそうだけど・・・

 悩んだ挙句に聞いた11人目が、やっと4人目の人と同じ、浜ゆうって言ううなぎ屋さんだった。きっと浜松だから浜の字をあしらってるのだと思う。

 で、そのお店にもう決めちゃおう!って思ったら、その人更にもう2軒教えてくれたんだけどね、それが7軒目の

 浜中、9軒目の白川ってのと被ってんの!

 要らん情報増やさないでくれ!

 悩むわぁ~・・・

 こうなったら、一番初めに一票抜き出た浜ゆうに決めた!と思ったら、今日休み・・・シクシク。

 何なのさ~!

 お腹ペコペコなんだからね?

 勘弁して~!

 って具合にいらいらしながら歩いてたら、変な女騎士っぽい大女に絡まれた。

「おい、そこのお主、凄まじいオーラを発して居るようだが、そんなに発散したいのなら私が手合わせの相手をしてやるぞ、付いて来い。」

「うるせーなこのゴリラ女! 今私は空腹でいら立ってんだよ! ほっとけ。」

「な!? 貴様!私が気にして居る事をよくも!」

「あ? うぜぇっつってんの! どっか行けよ!このゴリラ!」

「まて! 私が気にしてる言葉をもう一度言った積りだろうが、違うぞ。 私が気にしてるのは、ゴリラ、ではなく、女、の方だ!」

 何言ってんのこの脳筋は・・・

 益々意味が解らん。

 明らかに女だろうが、明らかに、むしろゴリラと言われて怒るなら話は解るけど女と言われてムカつく女ってどういう存在よ?

 こんな訳のわからん奴は、いっぺん死んで見たら良いのに。

「訳わかんねー事言ってんじゃネェよこの脳筋女!」

「また言ったな!? 貴様余程私に斬られたいらしいな!」

 ウゼェ、すこぶるウゼェ・・・どうしてくれよう。

 そしていきなり左の手袋を私の顔面目掛けて叩き付けて来やがった。

 避けてやったけどなw

「貴様!重ね重ね無礼な! 何故手袋を甘んじて受けない!」

「ウゼエからに決まってんだろ?アホの子だろ、お前!」

「こうなったら!作法はもうどうでも良い! 決闘を申し込むっ!」

「だが断るっ!」

「なんで!?」

「さっきから言ってんだろ! ウゼエからって!」

「そんな一言で片づけるなよ!」

「知るか脳筋女!」

「また女って言いやがったな! もう許さん!」

 いきなりキースの持ってた大剣より重そうなのを構えだした。

「お前友達居ねーだろ!

 何でそんな短絡的なんだよ!」

「友達・・・友達なんか!・・・うう・・・くそう!」

 いきなり切りかかって来た、目にいっぱい涙溜めて・・・

 NGワードだったみたいね・・・orz

 しゃぁねぇから、人差し指と親指の2本でピって挟んでその剣を止めてみせる。

「ぐぅぅ! くちょ~! ともらちなんかいやにゃいんだかやな! えぐっ!」

 ベソかきながらなんか叫んでるけど、何言ってんのか良く判らん。

 益々うぜーんだけど、こいつ。

 誰か何とかして・・・

 見た目より子供なのかなぁ・・・

 鑑定して見よう。

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 リーゼロッテ・アームストロング age:27

 job:大剣士,大斧戦士,槍術士,剣闘士

 HP:2830  MP:1640 SP:100%

 防御力 1130

 体力 980

 腕力 2240

 精神力 1200

 速力  880

 命中力 630

 固有スキル

 ・身体能力強化 ・剣神の加護

 保有スキル

 剣技:スラッシュ :ダブルスラッシュ :パワースタンプ

 槍技:トライアングル・トラスト :ダイレクトスロー :飛翔槍

 斧技:兜割 :風車斬 :ジャイアントアクス

 大剣技:パワースタンプ :大回転斬 :ファイナルインパクト

 称号

 ・剣王 ・槍王 ・斧王 ・大剣王

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 ん?アームストロング?

 どっかで見たような気が・・・

 あ、そうか、猫の兄弟子のおネェがアームストロング姓だったな。

 すると、このゴリラ女がアレか、アームストロング流の剣術の方の奴って事か。

 それにしてもスゲェな、剣技と言うか、幾つ技持っとんねん。

 仕方無いから少しだけ相手してやろう。

 可哀そうだしな。

「なぁ、お前、アームストロング流の開祖の娘か?」

「う、ぐす・・・ヴン・・・だから何よ・・・」

 女と言われるのが泣く程嫌と言う割に女言葉になったな、泣くと女らしくなるって言うタイプ?

「そうか、やはり。

 お前の流派と、格闘術の方の流派って、親戚かなんか?」

「ん? お前、アームストロング流拳闘術を知ってるのか?」

「ああ、良く知ってる。 ルイ・アームストロングは少し前に知り合ったぞ。」

「ああ、あれは私の従弟の兄みたいな存在だ、変態だったろ?」

 お前もな・・・しかも相当に・・・

「いや、ああ言うのは変態とは言わんだろ、性同一性障害って奴だ。

 女装癖とも少し違うと思うしな。」

「そうなのか、障害者になるのか・・・あんなに頭も良くて強い奴なのに。」

「いや、性同一性障害は、障害者とは少し違うジャンルだぞ。」

「え?そうなの?あー良かった労わらなきゃいけないのかと思ったわ。」

 また女言葉になってるよ、お前。

 こっちが素って事か、納得。

「しかし、そうか、ルイちゃんの従妹だったか、んじゃさ、今からご飯食べに行こう、その後なら手合わせしてあげるわ。」

「本当!? やったぁ~!」

 ほら素になってる素になってる。

 しかし、この、ボディービルダーも真っ青なムッキムキに鍛えた体でキャピキャピ喋られるのは結構インパクトが大きいな、面白い奴だわ。

「じゃあ、俺のお勧めのうなぎ屋行こうぜ。」

 あ、急に男言葉になった、やっぱおもしれーな、こいつ。

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