第206話 癒しのひと時

       癒しのひと時

勘違いしてそうなオーブと先に食事を済ませ、ジ・アースと玉藻の食い扶持は確保。

んで、オーブにはメイドとして配膳して貰わにゃならんので、オーブに新しい服を手渡す。

「オーブちゃんこれに着替えてらっしゃい!」

「にゃ? 師匠、これは?」

「良いから着替えて来い、きっと似合う。」

「師匠がそう言うにゃら分かったにゃ!」

オーブに渡したのは、バニーガールの猫版、キャットガールって奴。

但しオーブは猫耳と尻尾が有るので網タイツに黒い肩紐無しのレオタードみてぇな奴ね。

着替えて、スパイダーのハッチから出て来たオーブがむっちゃ恥ずかしそう。

脚に隠れつつジト目でみている。

「にゃぁ、師匠~、これマジで着てにゃいとダメにゃのぉ~?」

「うん、良く似合ってる、可愛いよ!オーブ!」

サムズアップして満面の笑顔を作って答えてやる。

「うぅ・・・恥ずかしいけど・・・師匠がそう言うにゃら・・・うう~・・・」

モジモジしながらも出て来た。

うん、なんかすっかり私を全面的に信頼してる感じかな?弄り甲斐のある子で楽しいわ。

これからも色んなコスさせて楽しめそうだわ。

さて、そろそろお話も終わりそうだ、オーブもそろそろ腹をくくったようである。

モジモジしながらもお盆抱えて準備万端な感じだ。

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「エリー様お待たせしました。

取り合えず謝罪と状況説明は済みました。

・・・プっ!

何ですのん? その恰好は、とうとうお頭に来はりました? オーブはん、アホなん?」

「う、うるしゃい! 狐の分際でにゃまいきにゃにょよ!

これは師匠がくりた修行服にゃのにゃ!

馬鹿にちたらぶんにゃぐるじょ~。」

元々にゃを多用する口調なのに恥ずかしさで舌が回って無くて噛み気味なので基本何言ってるんだかあんまし良く判らない事に成ってるオーブw

この二人に会話させると漫才みてぇになっておもろいかも。

「んじゃ皆、私とオーブは先に頂いたから、どんどん焼いてどんどん運ぶからじゃんじゃん食ってね~。」

石を組み上げて作ったかなり大きめのバーベキューグリル全体に既に炭火が入って居る。

炭は自作しちゃったのだ、この世界の気が全体的にどれも硬いので良い炭が出来るんじゃねぇかと思って色々試して見たらね、紀州備長炭の最高品質の物とほぼ同等の白い炭が大量に出来てしまったのでここで使わない手は無いだろう。

炭は黒い物と言う認識の人が多いと思うけど、紀州備長炭の最高品質の物は目を疑うほど白いんだよ?知ってた?

んでさ、高温になり易くて冷めにくい、でも炎が出にくいと言うのがこの炭の印象。

遠赤外線の照射量が他の炭の比じゃ無い。

だから生焼けになる可能性が極めて低く、しっかり中まで熱が伝わる。

焼き鳥とかには最適じゃ無いかなぁ、焼き鳥かぁ~、追加で焼いて見ようかなぁ~。

焼き鳥はね、炭で焼く焼き物の中でも一番難しいんだ。

特に雛皮、焦がしたりしたら焦げ臭くて食べられたもんじゃ無くなる。

よくさぁ、焼き鳥専門店の看板掲げて置きながらこの皮を焦すお店が多くてなかなか焼き鳥屋さんって足を踏み入れ難かったりするんだよね。

私に焼かせろコラ!って怒鳴り込みたくなるのよ、カウンター内にさ。

胸座掴んで殴り掛かりたくなるほど焦された日には、ガチで店主と大喧嘩した事あるわよ?

全身義体研究の真っ最中で煮詰まって腐って旅行三昧してた頃だったから、不機嫌だった事もあって本気で警察に捕まる所だったわよ、懐かしい・・・

あれは焼くのにコツがあるのよね。

とか思いつつ既に焼き始めている私w

「お? 又珍しい物を焼いてるっぽいな、何だ、それ?」

カイエンさんが目ざとく寄って来た。

「焼き鳥だよ~、 この串が皮だけ、こっちはモモ肉だけ、これは手羽先筏、これは提灯、これがセセリで、こっちはボンヂリ、んでこれはササミをタタキにしてるんだけどもうこれ焼けるからそこのワサビ漬けて食べてね。」

と言って、表面だけを焼いてレア仕上げになって居るササミ串を渡す。

「この緑の奴を塗れば良いのか?」

「うんそうそう、美味しいわよ。

オーブ―! あんたもこれ皆に運んでやって~、ワサビ塗るの忘れないでね~。」

「はいにゃー師匠~!」

何かすっかりキャットスーツが板についてるしw

体のバランス感覚が元々優れた種族だけあって、こう言うのはお手の物らしくて、優秀な給仕を熟してる。

BBQ串も焼いてるからね、同時進行だと焼き鳥は難しいんだけど、電脳のお陰で大丈夫、ちゃんと焼く自信はある。

焼き鳥を一通り焼き終わって、BBQ串もほぼはけた所で、ちゃんちゃん焼きと焼き松茸を焼き始める。

クリスは、「エリー、もうダメダメ、食べれないってば~。」

とか言ってるが、あの凶悪なバター醤油の香りを嗅いだ途端に、急に、「何この美味しそうな匂い・・・」

とか言い出す始末だ。

そして焼き松茸が先に上がってみんなの元へ。

「これは・・・茸?」

「そうよ、松茸っつってこの地域では大変に珍重されるキノコよ。」

「変なにおい・・・。」

う、くそう、白人タイプの此奴らにはこの香りが判らんのか・・・

「あらぁ~、松茸だわ~、私コレ好きなのよぉ~、でもね、貧乏で殆ど食べられなかったのぉ~、中国産とかはたまに頂いたけど、やっぱ国産のが美味しいわよねぇ~。」

マカンヌが大絶賛。

焼いて良かったぜ。

最後に、折角柚子を見つけたので柚子シャーベットを出して見た。

これは全員に大好評だった、松茸だけはマカンヌと玉藻以外の評価が低くて納得行かないです・・・

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