第205話 修行・・・?

       修行・・・?

 クリムゾンスパイダーが6機揃ったので、六芒星陣結界が発動出来る、って事で、丁度広くなって居るこの場所でBBQでもやって、お疲れな皆を労ってやる事にするかなーって思って、早速準備をしている。

「なぁ、エリー、何してんだ?」

 素っ頓狂な声でキースが聞いて来た。

「何って決まってるだろ?バーベキュー大会だが?」

「あのな、ここってどんな場所か判ってる?」

「判ってるさ、丁度広くなってて良いなーって思ったからやってるんだが?」

「あのね・・・B+クラスの魔物が群れで現れたような場所だぞ?」

「お前なぁ、私がそんなしょうも無い事でこの準備を辞めるとでも?」

「しょうも無いって何だよ、重要だろ、こんな場所でそんな匂い漂わせたら何が寄って来るか・・・」

「そんな事気にしたら負けだぞ?

 なぁ、ヨル君。」

「ギャ。」

「ほら、ヨル君だって大丈夫だって言ってるぞ?」

「何時の間に手懐けたんだお前、俺の従魔だぞ?」

「むしろお前に聞きたい、一体どうやってテイムしたんだ?テイムの仕方なんか私だって知らんかったぞ?」

「キースはねぇ、たまたま見つけた襲われてた土竜を助けて、懐かれたから大層な名前付けちゃったのよ、そしたら地龍に進化しちゃってさぁ、私も驚いたわよ~。」

 呆れ顔のクリスが横から口を挟む。

「成程ぉ、魔物側が懐いて来たから名付けをしたらテイムに至ったと、そんでその名前が伝説級の名前だったもんでこんな斜め上な進化を果たしたと、そう言う事か。

 ヤレヤレだな。」

「う、し、仕方ねぇだろ!弱そうな名前つけて結局やられちゃったら可哀そうだって思ったんだよ。」

 目が泳いでるキース。

「判った判った、そう言う事にして置いてやる。

 クリムゾンスパイダーが6機揃ったからな、最強の結界の内の一つの六芒星陣結界張ったし、このエリア内なら自由に遊んでて良いぞ、美味いもん食わしてやるからのんびりしてな。」

「そう言う事なら早く言ってくれよ。」

 拗ねてるキースがなかなか可愛いのでクリスがちょっと嬉しそうだな。

 よーし、グレートジャイアントボアの焼肉と巨大岩魚のちゃんちゃん焼き、それと、松茸ご飯で良いかな?

 最近松茸と岩魚のちゃんちゃん焼きにハマってるのよ、私。

 美味しくってさぁ~。

 オーブもこのメニューなら大好きだしな。

 何か、オーブは私に感化されて初めから黙々とバーベキューの準備を無言で手伝って居る。

 そこへ、ちょっとした周囲の探索を買って出て居た玉藻ちゃんが戻って来る。

「エリー様、ただいま戻りました、報告してもよろしゅおすか?」

「ああ、良いよ、どうだった?」

「周囲には、脅威度の高い魔物の出所の可能性のあるダンジョンはありまへんどした、何処から来たのかは判りまへんなぁ。」

 玉藻を目にしたジ・アース面々が集まって来た。

「紅葉さん、あ、いやそれは偽名だったな、玉藻さん、どうしてこちらへ?」

 カイエンがなんかちょっとだけ嬉しそうなのは気のせいか?

「なぜ貴女が此処に居るんですか?」

 マカンヌの声は少し強張って居る気がする。

 何が有ったお前らに・・・

「実は・・・」

 玉藻が事の次第を彼らに話しているのを尻目に、私はオーブとバーベキューの支度を完了して、お肉を焼き始める事にした。

「オーブ、先に食べてようぜ、どうせあいつ等の話が終わるのには少し時間掛かりそうだし、あいつ等は今日はお客さんみたいなもんだから先に食っといて世話焼きに徹するぞ。」

「はいにゃMkⅢ師匠!」

 うん、最近のオーブはやる気に満ちてて良いね。

 修行中だからっつって体操着着させてるから一寸だけ恥ずかしそうではあるが。

「にゃにゃにゃ~♬ MkⅢ師匠の修行は楽しいにゃぁ~♪」

 何か勘違いしてねぇか?猫よ・・・

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