第199話 オーブ・スフィア

        オーブ・スフィア

 アタイは、オーブ。

 本来は、みゃう字はにゃい。

 アームストロング流格闘術の拳聖ににゃった時、このにゃまえを貰ったのにゃ。

 だからアタイは、このにゃまえを誇りに思ってるにゃ。

 みゃう字が有ったから貴族と思った奴もいるんじゃにゃいかにゃ?

 でも、残念だったにゃ、半分しか正解じゃにゃいにゃ。

 アタイの場合は、拳聖ににゃったって事で道場を立ち上げる事が出来る立場にゃのにゃ、でも、普通は勝手に商売とかをする事は出来にゃくて、その街の領主とか、すくにゃくとも代官の承認がにゃいと、道場にする建物自体が借りられにゃかったりするのにゃけど、拳聖ににゃってみゃう字をにゃのれるようににゃった事で、身元の保証が有る事ににゃるので、道場に使う建物が領主の承認にゃくても出来るのにゃ。

 みゃう字ってのはそれだけの差が出る程重要にゃのにゃ。

 だから半分正解って感じにゃと思うのにゃ。

 でも、アタイは拳聖ににゃってみゃう字を貰った時に、皇帝陛下に謁見した後、宰相とにゃのるじじいに声を掛けられたのにゃ。

 将軍職ににゃらにゃいかって、スカウトされたのにゃ。

 これで騎士爵でも貰い受ければ晴れて貴族にゃ!って意気込んで二つ返事でokしたら、首輪を貰ったのにゃ。

 そしたら、宰相に逆らえにゃくにゃってしまったのにゃ。

 一年位の間、イヤにゃ事いっぱいされたにゃ。

 でも将軍として戦に参戦する事ににゃった時、今の姉弟子に首輪を壊して貰えて、助けられたのにゃ。

 これからは、姉弟子と新しい師匠に付いて行くのにゃ。

 師匠はアタイを弟子とにゃかにゃか認めてくれにゃいにゃ。

 それでも、旅に同行させてくれたにゃ。

 師匠の作った魔道具の乗り物で移動する事ににゃったのにゃけど、ムッチャクチャ快適で、ついにゃまけぐせが出てしまうにゃ。

 それでウトウトしてたら、アタイのアピール出来ずに戦闘が終わっちゃってる事がいっぱいあったのにゃ・・・うう、失敗したにゃぁ・・・

 それでも同行させてくれる師匠は、やっぱり優しいのにゃ。

 色々あって、師匠が子育てする事ににゃって、姉弟子は修行の旅に出る事ににゃったけど、アタイは姉弟子には同行できにゃくて、師匠の召喚した精霊にゃんて言う今でも信じられにゃい存在に修行を付けて貰う事ににゃったのにゃ。

 正直に言って、地獄の修行だったのにゃ。

 だけど、間違いに約アタイも短い間に強くにゃれたとは思うにゃ。

 今、にゃぜか師匠は3人に分裂してるのにゃ。

 ついにこの間、1人で旅行している師匠の、MkⅢ師匠に同行する事を許されたのにゃ。

 アタイの今の実力を示す絶好の機会にゃのにゃ!

 と、おもったら、MkⅢ師匠の乗り物魔道具に、特訓の部屋が作られてしまって、ほとんどアタイはそこで特訓する事ににゃってしまったのにゃ、そこまでアタイの実力を見せる事、出来るのかにゃ・・・

 だけど、MkⅢ師匠が、一番優しいと思うのにゃ。

 だってちゃんと、三食お昼寝付きになったのにゃ。

 でも、今度こそ実力を見せたいのにゃ、アタイだっていつまでも名ばかり拳聖は嫌なのにゃ。

 ついに、アタイの実力を見せられそうな展開が起こったのにゃ。

 今旅してる大陸の、熊を超える脅威と言われてる兎が現れたのにゃ。

「MkⅢ師匠!アタイにやらせてくれにゃ! 今にゃら負ける気はしにゃいのにゃ!」

「あら、良いの?じゃあ任せようかな? やった、楽できるわ。」

「んじゃ行って来るにゃ~!」

 実際に巨大角兎と対峙して見ると、とんでもにゃい大きさだったのにゃ。

 そんなのが、アタイめがけて突進して来て、焦って逃げてしまったのにゃ。

 角を武器にする魔物だった見たいにゃ。避けた先に太い気が有ったから、刺さってくれるかと思って期待してたら、刺さった、と思ったら、大木が吹っ飛んで倒れたのにゃ、ヤヴァイパワーにゃ、死んじゃうかも・・・

 MkⅢ師匠をちらっと見て見たら、ニヤニヤと嫌にゃ笑いを浮かべてるのにゃ。

 MkⅢ師匠は一番優しい訳じゃにゃかった、一番いじめっ子だったと今判ったのにゃ。

 でも、ここでアタイが負けたりしたら、この後の特訓がもっと苛烈ににゃりそうにゃので、意地で倒す!

 突進して来た巨大角兎の角を掴んで、地面に突き刺すつもりで力の方向を変えて、そのままにゃげる事に成功したアタイは、そのまま踵落としで兎の顎を砕いて、渾身の力を込めた正拳突きで止めを刺したにゃ。

 そしたら、兎の頭部が爆散したのにゃ・・・

 アタイってこんにゃに非常識な強さにゃったっけ???

 そしたら、師匠、タダの正拳突きだったと思ってたアタイの技を・・・

「うん、見事な崩拳だった、良い威力だ。」

 初めて褒めてくれた上に、崩拳ってにゃんにゃ??

 後から聞いたら、正拳突きは、一定以上の威力を超えると、こう呼ぶんだそうにゃ。

 アタイの正拳は、崩拳ににゃったのにゃ。

 昔の兄弟子を超えたかも知れにゃいにゃ。

「オーブ、未だ粗削りだけど、おめでとう、お前の修行の成果を評価するよ、今日は私が直に腕を振って野兎のソテーでお祝いしような。」

「し・・・師匠~~!」

 思わずにゃみだが出たのにゃ。

 MkⅢ師匠はやっぱり一番優しい師匠にゃのにゃ、一生ついて行くのにゃ!

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