第192話 鬼無里
鬼無里
-エリーMkⅢ-
「どないどす?少しは強ぅなってます?」
「そうだね、未だうちの猫には敵わないだろうけど、良い具合に強くなったと思うよ、私相手じゃこんな程度だろうけどな。」
「恵里衣様にそう言われるとまだまだなんやろうねぇ~。」
「さぁ、今日は汗もかいた事だし、お風呂入ってご飯だよ、行こう。」
「そうどすなぁ、そうしまひょ~。」
「裾花峡谷温泉・・・だっけ?
この村唯一の温泉らしいね、単純硫黄冷鉱泉?
沸かしてるのか、でも硫黄の温泉なんだね。」
「良う知ったはりますなぁ、私の分身も2年程住んでたようやけどそこまで知りまへんわ。」
知らねーのかよ!
それで良く此処に長く居たな、二年っておい。
そんなに長い事強い奴探してたの?
まぁ私はしゃぁねぇ、乗り掛かった舟だから手伝ってやるけどさ。
だけど一体何者に操られたって言うんだろうね、玉藻ちゃんの本体ってさ。
だって尻尾三本で相乗効果で一本の時の5倍の強さになる程なんだから、8本になったら結構強いぞ?
本体はその8本の尻尾でも敵わない訳だよな?それが全部合体して9本だったならその強さって割と凄いぞ?
それが操られる瞬間、分身8本分を危険を感じて切り離したと言うのだからさ、相手相当強いよね・・・
多分、ジ・アース全員で掛かっても勝てないんじゃ無いかな。
私でも負ける可能性があるよね、ヤバい相手だなァ・・・安請け合いするんじゃ無かったと今更ながらに後悔してたりする。
まぁそれはもう助けてやると決めちゃった事だから負けないように頑張るだけだ。
まぁもし私が一人で負けた場合は本体とMkⅣ、そしてもう一回私も作って貰って三人でお礼参りにでも行けば今度は負けないだろうからね。
え?もしかして何気に怖い事言ってる?そりゃ仕方ないよね、私負けず嫌いだからさ。
実際に並列存在である私が一人で挑んで勝てなくたってそれは全力でやった事には成らないのだよ、全力でやると言う事は、出せる並列存在全部出して全員で掛かって初めて全力だろ?
複数居るからって卑怯では無い、だって並列存在って言う事は実際には一人なんだから。
何?何か文句あるかな?
ああ言えばこう言うだって?
お褒めに預かり光栄です、良く言われる。
とか一人遊びしてる場合でもねぇな。
兎に角温泉頂いて、お夕食ですよ。
おなか空いたしね~。
本日のお品書きは、田芹の御浸し、大根おろしと滑子の箸休め、鯉の洗い、鹿肉のすき焼き、川海老の素揚げ、卵茸と平茸の茸ご飯、鯉コク、松茸の茶わん蒸し。
うわ~、秋の味覚満載やんか~。
お味の方は、標高の高い高原らしいちょっぴり濃い目のお味で、かと言って濃すぎず大変美味しかった。
特に鯉コクなんて私は初めて食べたけど、こんなお味だったのねって感じ。
ん~、この旅やって見て初めは渋々だったけど、サイコー!
さぁ、明日は理由判んないけど急に前倒しで戻って来いと言う本体の希望に応えて一気に帰らないといけないから、今の内に楽しむぞ~w
この辺りってさ、星も奇麗なんだよね~、夜景でも楽しむかな~。
こうして、露天風呂で夜景を楽しんだ私と玉藻ちゃんであった。
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翌朝・・・
さぁ~、行こうかな~っと。
玉藻ちゃんもクリムゾンスパイダーに乗り込んで、しゅっぱーつ。
空間転移・・・っと。
「え?え?えぇ???えぇぇぇぇ~~~~??」
パニックに陥るい玉藻ちゃんでした。
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