第152話 豊かな大地
豊かな大地
あの後、リョーマさんからは色々お話を聞いたのだが、リョーマさんの名は、やっぱり漢字で龍馬だった。
でも苗字は持って無かったけどね。
それと、あの途中で助けた難破船クルーなんだけど、私の居た大陸の南の大陸から、私の居た北大陸へと交易の為に風を遡る操船をする為に大きく迂回して居た所に突然船が破壊されたと言う事だったので、ルーデリヒ・フォン・バルデス君に積み荷を少しでもサルべージさせると言う事で船に残らせた。
その上、オットーさんに新たな船を提供してあげたりしちゃった私ってやっぱお人好しかしら?
でもトンデモ性能の船じゃ無いわよ!?
ちゃんと帆船なんですからね!
木製じゃねぇけど・・・
グラスファイバーと樹脂、所謂FRP製だったりするのは秘密。
帆もフロロカーボンとフリッツで作っちゃったから大抵の場合は切れたりしねぇと思う。
まぁ、今の所その船は推進式せずにファンレイの中だが。
まぁ暫くは船無くてもカイエン達はこっちの島を探検中で必要無いだろうしな。ちょっと途中まで送らせて、かつサルべージさせて荷物詰み直して送り出す感じで。
後はどうしても風が、とか言う時はオットーの風魔法で推進力作り出せよって感じかな?
まぁ、私とはもう会う事は無いかも知れないけど頑張れ、オットー。
ちなみにジーベック船にしちゃったんだけど文句ねぇよな?オットー。
只のガレー船じゃ無いし。
フリゲート艦並みのボディーに、カッサドールの4倍以上のサイズの帆、木でマストの柱建てるとどうしてもサイズに限界が出るから普通なら出来ない所だけど、マストの柱は全て頑丈さと軽さを重視した、アルミ、オーガニウム、オリハルコンの三種の金属の合金だから高さもさる事ながら丈夫なので、巨大な三角帆がフルに風を受けても曲がったり折れたりしません。
そして軽いのでバランスも悪く成らないと言う優れもの金属だった。並列存在の一人に研究させてたら偶然出来た合金だったので使い道をそっこーで考えたんだけどな、実はw
まぁそんな具合にオットーさん達とお別れして、私は猫を連れてザインを抱いて、リョーマさん達商隊に同行。
新生タイタンズは、冒険者ギルド、と言うか、ここでは冒険者ギルドと言う呼び名では無く、探索者組合と言うそうだ。
これまであまり外界との交流が無かったらしく、冒険者ギルドとの互換性は無い、らしい。
つまりここにはサリ―シリーズホムンクルスは居ないっつー事になるんだろうな。
さてと、取り合えず、クリムゾンスパイダーに積んで有る馬車を降ろさなきゃならないから、リョーマさんの家? 店? それとも何だろ、まぁとにかく行く所まで行きますか。
クリムゾンスパイダーを、時速30㎞/hで走らせる事、30分程、城下みたいな賑やかな所から少し離れる感じで程よく田舎になった所にリョーマさんの目的地は有った。
「し・・・師匠~・・・ニャンでアタイだけマラソンなのにゃぁ~、しかも早すぎるにゃぁ~。」
「オーブはサボりすぎて訛ってるから丁度良い運動でしょ、今日からはビシビシ行くんだから覚悟しなさいよ。」
「えぇ~! これじゃ兄弟子の扱きと大差にゃいにゃぁ~・・・」
「あ、そうなの、ンじゃまだ緩いのね、も少し厳しく行こか?」
「ヒえぇ~~~お助けにゃ~。」
「そんな甘く無いよ私は。
ルイさんの扱きで気が引き締まるかと思ったのに寧ろ逆に益々だらけてるんじゃもっと行けるんでしょうからね、厳しくいくよ。」
「そ・・・そんにゃ~。」
ガックリと肩を落とすオーブだった。
「はい、ンじゃ早速今から腕立て伏せ500回な。」
「ご・・・500???」
「足りない?んじゃ1000。」
「御免にゃさいもう文句言いません500回始めますにゃ!」
(今度の師匠は本物の鬼にゃのにゃ・・・しまったにゃ、どっかで逃げだすにゃ。)
そんな事考えているオーブだったが、直ぐにエリーは突っ込みを入れる。
「オーブちゃん? 隙見て逃げようとか考えたでしょ? に・が・さ・な・い♡」
「ひぇ~!!」
「私はちなみに半径100㎞以上はデータリンクで何処に何があるか判る様になっちゃった訳よ、だからあんたが何処に逃げようとも地の果てまででも追いかけられるって訳、判ったら文句言わずにメニュー熟す!」
「ひ、ひゃいっ!」
(ヤヴァイのにゃ! この師匠ガチで兄弟子よか絶対強いのにゃ! 超回復のスキル持ちのシーサーペント30分殴り続けるだけで倒したって聞いたのにゃ! こんにゃの魔王とどこが違うのにゃ! 入る流派完全に見誤ったのにゃ! 逆らったらマジで死ぬのにゃ!)
「エリー、予定よりも10日近く早く到着した、助かったぜ、ありがとうな。」
リョーマさんに礼を言われ、成功報酬に色を付けた金貨40枚を頂いた。
「ところでリョーマさん、この島はかなり森林が多いように見えるけど、もしかしてかなり肥沃な土地なの?」
「ああ、火山の島だからな、この島の中に5つの大きな活火山と中型の活火山が13、休火山ってぇ休んでる火山なんか50個も有るってぇ話だ、まぁもっとも俺もこの島全部を回った事はネェし、聞いた話しか出来んがな。」
そうか~、しかも割と高い山も多いみたいだから、雨も多いだろうし、雪も良く降るんだろう。
そうなって来ると湖や、それ以外の水源も多い筈。
だとすると温泉もいくつも有りそうだね、楽しみだ。
糀も手に入れたいし、ザイン改めマリイにも長旅させたくは無いからな。
暫く、半年くらいはこの大陸で御厄介になるとしよう。
並列存在がマリイの世話させろって煩いから、交代で冒険者するのとお世話するのとを決めるとしよう。
帝都に程良く近い海岸沿いの集落のはずれに土地を買って、そこに家を建てて家庭菜園を作る。
兎が割と沢山居るようだから兎を狩って、ボートで海に出て釣りをして、タンパク質はこれで確保出来るだろうから、後は野菜が育ったら自給自足が可能。
土地は肥沃そうだから何でも育ちそうだな。
取り合えずジャガイモと青菜に、米や麦でも育てるか、大根も良いね。
ネオオガサワラではずっとアンドロイドにやらせてただけではあるがやって来た事なので問題無かろう。
ちなみにネオオガサワラで使って居たのと同型のアンドロイドは既に3体程作ってあってストレージに入ってるんだけど、若い女性型にしたはずなのに何故か私の方が歳下にしか見えないと言うジレンマが発生した、解せぬ・・・
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ちなみにね、マリイなんだけど、電脳化はもう済んでるんだ、でも未だザインとしての記憶のバックアップは戻さない事にして居るんだ。
何でかって、私の系列では無く第三国で全身義体化を受けた人が、何故か赤ん坊型の全身義体を所望したらしいのだが、全身義体だから排泄こそ無いが、赤ん坊型だったので歯も無ければ力も無い、そんな物で1年ちょっとも生活をしたら、美味しい物も食えない、どころか母乳も不味い、ミルクも旨い物では無いと言う事で、かなり精神的ダメージを受けたらしい。
それも、母乳なんぞ毎日乳首咥えてたら、以前はオッパイ好きなおっさんだったのがすっかり見るのも嫌ってなって、ようやく喋れる義体に移った途端に同性愛者になってしまったとかそんな話があったのだ。
今回は生身なので、排泄もあるので精神的ダメージを受けて生活するよりは無垢の赤子として育ってある程度の年齢になってからその記憶を移植する方が良いと踏んで居るのだ。
ちなみにオーブのトレーナーとして、スルティアを召喚して見張らせる事にしたら、余程嬉しかったのだろう、オーブは泣いて喜んで居た。
さて、それじゃ今日の所はどこかの宿場で泊まって、明日はお買い物と、美味しいもの探しだ。
リョーマさんのご近所にもすでに温泉があって、旅館も幾つかあった、やったぁ温泉だ~!
あ、でもマリイは未だ入れないか・・・しゃぁねぇ、並列存在使って交代で入るとしよう。
世話だけさせて温泉無しじゃ私の並列が可哀そうだもんな。
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