第128話 寿司パーティー!
寿司パーティー!
私がトリコを墜落させた場所は、港の南側の端に広がる干潟だった。
ここの港は西海岸なので、西向きになって居て、南に干潟、北側に磯場が展開して居る。
磯場では巻貝、干潟では二枚貝が獲れると言う具合にとても貝の漁獲量が期待出来る地形なのだ。
そしてトリコが荒らして居たのがこの干潟だ。
その干潟に墜落させてしまった事で大分場が荒れてしまった。
このままにして置くのは私の良心の呵責に耐え兼ねない。
まぁ、雷精霊召喚してた事だし、地形的に、アクエリアスとテラでも呼び出して完全修復を目指そう。
何かね、トリコ戦からずっと、地元の漁師さんっぽいおっさんやお母さん方が集まって見物して居るんだけど、あんたら精霊見たの初めてだよね、ってか見た事ある筈は無いけどな、作ったの私だし。
まぁ見事なまでに揃いも揃って口半開きにして完全に放心状態だったよね~。
ンで、余計な手出しされる事無く精霊の好きに修復をさせた結果なんだけど、完全回復と言える状態になったと思う。
やっと修復が終わったその頃には私のMPもゴッソリ持って行かれてジリ貧になって居た。
これ以上持って行かれては困る上に、このコスチュームが恥ずかしいので、精霊達を開放して、この恥ずかしい変身を解いて元の姿に戻ると、ふと我に返ったお母さんが一人、駆け寄って来て私に感謝の言葉を並べ立て始める、すると周囲のおっちゃんやお母さん方が一斉に我に返って何だかすっかり英雄扱いだ。
そのままチヤホヤ、と言うかモミクチャにされつつ、この漁師さん方から漁師飯を奢って頂ける事になった私は、期待してたんだけどなぁ・・・漁師飯ってさぁ。
何で加熱した物ばっかしなのさっ!
大アサリにハマグリ、ホンビノス貝にアサリ、巻貝でサザエに螺貝、アワビ、トコブシと言った具合に揃いも揃った感じだったが、何故かそこに魚の姿は無かった。
聞くとこの人達は貝専門の漁師さん、所謂海女さんとかそう言った方々らしいけど、巻貝に関しては非加熱でも食べられる物ばかりじゃんかよ!
何で片っ端から網焼きや酒蒸し、つぼ焼きにしちゃってんのよ。
しゃぁネェから私が、生きてる巻き貝を集めて厳選、サザエ、螺貝、アワビをさっと貝から外して身をさっと切り出して刺身にする。
そんで食わせたら驚いてた。
生食した試しが無かっただけのようだ・・・
二枚貝は中々生で食べられる物は少ないのでお勧めしないけどね。
何でかっつーと二枚貝の好んで食べる物の中には毒の有る物も少なく無い、巻貝と違ってプランクトン主体で食ってるからねぇ。
まぁ、貝に取り込まれた時点である程度変質して居るので加熱すると解毒する物が多いので非加熱は良くないと言う程度なので食べられない事は先ず無いようだけど。
ごく稀に、生で食べられる二枚貝も有るし、逆に食べられない貝もあるのでその辺りは色々調べて食って欲しいと思う。
ホタテや、カキ辺りが生食出来る二枚貝の代表格だよね。
まぁ、カキは時期によってアウトだったり、獲れた場所にもよるけどさ。
この街にも多くは無いけどお米が有ったので、酢めし作って私の買い漁ったお魚達も使って寿司握って寿司パーティーだぁっ!
・・・・・ってなんで私一人で握ってんだYO!
私がトリコを討伐したお祝いの席だから私が主役でチヤホヤされて接待される側じゃ無かったっけ?
結局私が振舞ってるのは何故!? ・・・解せぬ。
何故か、毎回のように私の為に開かれたパーティーで私が料理してる気がするのは気のせい??
じゃねぇよな?
そんな流れで今回は寿司と海鮮丼と言う生食王道二大勢力だわさ。
まぁ、酢飯さえ出来てりゃ後は切るだけだからアレなんだけどさぁ、納得行かねぇよな、何で私が自分で調理して人に振舞う立場になっちゃうのよっ!
だけどまぁ、この世界の料理の基礎レベルがアレだから私が改善するしか無いのかぁ、はぁ、メンドクセェな。
本当に何から何まで私自身がやるしか無いのよね~。
この際誰か全身義体の不死身の超人に私の持つ料理のレシピ全てをインストールして最強の伝説料理人でも複数人作って送り出しちゃおうかな、あ、そうか、始めからそうやって協力者増やしたら良いんじゃないのさ!何で今まで気が付かなかったんだ?
ってそこまで思考を暴走させて元に立ち返った。
あんまり派手にやると私が神格化されてこの世界の神が私に成り代わっちゃうよぉ、普通に生きて行きたい私はこの世界の理の上に立つ高位次元存在に成りたい訳じゃ無いっつーの。
それはダメ、私はこの世界で人類の発展を見ながら楽しく生き続けるんだからねっ!
せめて飲んでやる!やっと念願のお酒が飲める!ここの名物はエールとかでは無く、はちみつ酒、ミードって奴?
一杯手に入れて来たし、いっただっきまーす!
「あら、未だアンタにはお酒は早いわよ~、こっちをお飲み。」
そんな声が背後から聞こえて来て、蜂蜜ライムジュースに取り換えられてしまった・・・解せぬ。
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