第125話 港町散策1
港町散策1
さて、シーグリフォンを追加の4機は納品が済んで、代官さんから白金貨60枚と言う代金も頂いた。
まぁあの機体の代金としては爆安だと思うけど、そこまで高額にしても仕方が無いから文句はない。
これでポルコさんへの用件は済んだし、リョーマさんはこの街で2日間商売をすると言うので、明日は一日散策する事にして、今日はクリムゾンスパイダーに戻って寝る事にした。
市場散策は明日の早朝から。
でもその前に、折角の港町、夕食を食べに出歩く。
だって、ねぇ、折角の海産物よ!?
海のお魚は川魚に無い旨さが有るからむっちゃ期待している私。
かなり美味しそうな定食屋さんが並んでいる通りを発見して凸った私は、その香りに誘われて、焼きサンマ定食を発見!
もう辛抱たまらん!
ここには、グローリーよりも以前からリョーマさんは行商に来ていたらしいので米も存在して居る!
これは絶対にこの香りを信じるしか無いでしょう!
何と香しい、サンマの油の焼ける匂い。
綿の部分は苦いから食べないと言う人も居るけど、あれはハラモだけを一緒に頂こうとするから美味しく無いのであって、背身を一緒に頂く事で格段に旨くなるのだ。
食べ方の問題なのだ。
思い切って豪快に行く事こそさんまの醍醐味。
最高に美味しい頂き方なのだ。
そんなさんまの焼ける香りに誘われて、私は露店の焼きサンマ専門店へ。
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結果、超美味かった、最高です、久しぶりの焼き魚がサンマって、これ以上ない贅沢。
もうね、無言で完食させて頂きました。
で、食べ終えて周囲を見回すと、何で居るんだこいつ等。
キース、クリス、ザイン、オーブ、カレイラ。
「ね? エリーの行く所について行くと美味しい物に当たるって言ったでしょう?」
「あのな、クリス、私を出汁にするな。
あれ?それにしてはカイエンとマカンヌが居ねぇな。」
「あははは~・・・パパとママは相変わらず~・・・はぁ。」
すまんカレイラ、そんな事聞きたくて聞いた訳じゃ無いんだ、ちょっと居ないから気になっちゃっただけなんだYO!
「そ、そうか・・・ま、まぁ、仲が宜しいのは良い事だよ、ね?」
もうこの場はこう言ってお茶を濁すしかねぇわ・・・
「師匠はうみゃい物が判るにゃ?
アタイも匂いで判るにゃ、特にさかにゃは美味しいの見つけるのは得意だにゃ。」
ああはいはい、猫ちゃんだからそうだよねぇ~。
「仕方ないわね、あんたら、明日は早朝から食べ歩きだから覚悟してね。
場外市場で美味しい物食べ歩いて食材集めするよ。」
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--翌朝--
「皆迷子にならないでよね~!
市場散策、スタートぉー!」
そう言って私はさっさと歩き出す。
雰囲気は思いっきり魚市場だよね~、うん、いい感じ~。
一軒目の仲買さんの得意なのは光物っぽいね。
おお、このイワシは鮮度も上々だな、お、あったあった、昨夜のサンマは多分ここで売ってる物だな、これは買いですね。
あ、コハダもあるし、良いね、コハダを酢漬けにしてお寿司だね。
おお、こっちのサバは大きさもさる事ながら良いじゃない、鮮度も上々だ、早めに酢で締めても良いし、色々考えよう。
何故かアジは置いて無いね、ン~残念。
「おっちゃん! このイワシ鮮度良いじゃない!全部頂戴!
こっちのコハダとそこのサバも全部欲しい!」
「お! 嬢ちゃん若ぇのに目利きだな!? でもこんなに持てるんか?」
「大丈夫、下僕がいっぱい居るから!」
「俺達の事かよ。」
「と言うのは冗談でマジックバッグ有るから平気。」
「そうか、木箱ごと持ってって良いぞ。」
「全部でおいくいら?」
「そうだな、イワシが10㎏あるから大銀貨二枚、コハダが4㎏大銀貨3枚、サバが20㎏あるからなぁ、たくさん買ってくれたからオマケだ! 全部で小金貨2枚で良いぞ!」
「お~! やっすい! いいの? 鯖なんかそんな値段で買えないっしょ? じゃあ、こっちのサンマも付けたらおいくら?」
「そのサンマはな、今日のは特に質が良いから高ぇぞ、そうだな、全部行ってくれるなら小金貨4枚で良いや!」
「よっしゃ買った!」
「お、良いね、キップも良いや! ほんじゃこいつはオマケな!」
そう言って付けてくれたのはニシンだった。
うわ、ニシンもあったのか、気が付かなかった!
ついサバに夢中になって居た。
だってサバだぜ?焼いて良し煮て良し酢締めで良し、昆布締めもありだしな、何なら糠漬けにしてヘシコなんて食べ方だって美味しいのだよ、こんな良いサバが並んでたら目を持っていかれるよね。
でも、完全に失念して居たニシンが只で手に入ってしまってホクホクだ。
「おっちゃんありがとー! はい、小金貨4枚! でもニシンも貰っちゃったら悪いからもう一枚ね。」
お代を払って、マジックバッグに見せかけて展開したストレージに収納して、次のお店へ。
次に私が興味を惹かれたのは、海藻の専門店だった。
「おお~!海藻専門かぁ~、いいね~。
昆布に若芽、茎若芽も有るし、これは生の鹿尾菜?
お、こっちはトサカだね、赤も青も有るのか、良いね良いねぇ~。
だけど流石にテングサとかは毒が有るから置いて無いか。
あれが有ったら心太や寒天が出来て料理の幅が広がるんだけどなぁ~。
「やっと見つけたぞ、小娘ぇ~!」
ん?私の事か?
「えーっとぉ~、私?」
「当たり前だ!お前に決まってるだろ!?」
「えーっと、何方様で?」
「忘れんな~! そんなに前じゃねぇぞ!? ブラックブラザーズの兄の方だ!」
「えっとぉ、誰だっけ?」
「忘れるんじゃねぇ~!」
「で?そのブラブラが何か用?ってか弟はどうしたの?」
「お前なぁ!覚えてるんじゃねぇか!
何も取られて無いんだから解放させろ!
控訴を取り下げて弟を!」
「なるほど、貴方の言い分は理解した、要するにブラを寄こせと・・・エッチ!」
胸を両腕で抱えるようにしてしゃがみ込んでやったともさ。
私のこの煽りに呼応するべくして、クリス、ザイン、オーブ、カレイラがハモる形で追い打ちをかける。
「痴漢!」
「スケベ~。」
「エロ大魔王にゃ!」
「へ、変態さんです~!!」
ベッコリ凹んで項垂れるブラブラ(兄)
「ち、ちがっ、そうじゃねぇ、俺の、俺の・・・。」
「え、もしかして元々ブラ付けてたの?
本当に変態みたいよ?カレイラ。」
「通報します~!」
市場の真っただ中なので人だかりが出来つつある。
「俺の話をちゃんと聞けぇぇ~~~!」
「「「「「キャ~! 変態がキレた~!」」」」」
うん、良い具合に私とのアイコンタクトが出来つつあるね、このメンバーw
「何だ!何の騒ぎだ!?」
市場詰めの警察官が飛んできた。
「このおじさん変態なんです~。 罪状は下着強盗でお願いします!」
「何だとぉっ!ちょっとそこで話聞かせて貰おうか!?」
「え?あ、ちょっ!」
連れて行かれるブラブラ(兄)
「達者でなぁ~。」
ふう、折角の散策に邪魔が入ったぜ。
ささ、市場散策の続き続き、っと。
邪魔者が居なくなってホッとした所で、キースに笑顔で突っ込まれた。
「お前、相変わらず容赦ねぇな、ちょっと可愛そうだったぞアイツ。」
「駄目よ、犯罪者は容赦しちゃダメ。
キースも流石にそれはしないと思うけどあんなのの肩を持つような事したら容赦しないからね?」
「まぁ、それはしないけどな。」
こっそり身震いするキースであった。
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