第50話 あんた達私の事何だと思ってた訳?
あんた達私の事何だと思ってた訳?
あの後、ジュドーさんに何か欲しい物は無いかと尋ねられたのだけど・・・
私の欲しい物って言われてもねぇ、電脳化のお陰で一度読めば全て記録出来るから本も貰う程でも無いし、敢えて貰うとしたら何かな?
武器も自分で作れるし、う~ん。
悩んだ末に、何も欲しい物は無いと言う結果になった。
するとジュドーさん、執事の筈なのに勝手にそんな事決めて良いんだろうか、何かあった時に後ろ盾になりましょうって訳判んない事言い出した。
なので、まぁそんな事に成る時には、私の敵に認定されたら殲滅あるのみなので、そんな事になる事は無いけど、じゃあそれで良いやって答えて帰って来たのであった。
「ただいま~。」
ギルドの戸を元気に開け放つと、もれなく全員私の表情に注目してる。
「な・・・なに??」
あまりの沈黙に耐えかねた私がそう一言発すると、ギルマスがようやく口を開いた。
「ど、どうだった、大丈夫だったのか?」
「何が?」
「何がじゃない!
大事に成らなかったかと心配して聞いてるんだ!」
「あのね、大事になってたりしたら私が帰って来るまでも無くここまで爆発音とか響いてると思うんだけど?」
「ふぅ、そうだな、じゃあ穏便に済んだんだな?」
「なにさ、私の心配じゃ無くてあっちの心配かよ!」
「当たり前だろう?勢い余って領主迄殺害された日にゃまだ跡取りの居ないうちの街は無くなってしまうだろうが!」
「私が逮捕されて地下牢に幽閉されたりして無いかとかそう言う心配する奴は居らんのかいっ!」
「「「「「「「「「「「「「「「「「「「居てたまるかっ!」」」」」」」」」」」」」」」」」」」
フザケンナ
「これでもか弱い幼女やど! 何で誰もワシの心配せぇへんねん!」
つい、訛ってしまった。
「どこの方言だよ。」
ああそうか、関西弁風に訛っては見たが言語が違うからただイントネーションが違う妙に聞き取りにくい言葉にしかなんないのか・・・
はぁ、突っ込みがいが無いなぁ、つまらん。
「ふん、一人位心配してくれても良いのに。(ブツブツ)」
何はともあれ指名依頼達成である、あの阿保男爵を止めて逮捕幽閉に追い込んだのだから成功だよね?
受付に行ってサリーちゃんに報告する事にした。
「・・・・・っと言う訳で阿保男爵は逮捕されて事無きを得たよ~。」
「では、依頼失敗ですね~。」
はい??今何と?
「どしてよ!」
「依頼内容は、『あんな阿保でも一応自分の上司なので、奴の元には戻る気は無いが罪になる前に止めて欲しい。』です。」
ガーーーーン!
マジですかっ!あんな阿保逮捕しかねぇでしょう!
え~、ちょっといっぺん死んで見た方が良いんじゃ?
「ああ、やはり無理だったか、と言うか当面の生活費が無くなるのではと心配して敢えて依頼失敗にしてくれたんだろ?
済まなかったな、もう縁は切りたいとは思っては居たが、しばらくは世話になって居た上司だからな、情にかまけてあんな甘い選択をしてしまった。
むしろ君の選んだ選択の方が正しかったしあの阿保の為でもあるのだろう、重ね重ねありがとう。」
何か勘違いしてるみたいだけどここまで感謝されたら悪い気はしない。
乗っかっとくとしよう、私は空気を読むのは得意なのだ。
「気にしないで、私は出来うる最善を尽くしただけだから。」
それにしてもここの冒険者たちときたら、全く私を何だと思ってるのだ。
「破壊神。」「暗黒神。」「魔王。」「ハイエルフ様。」
あ、思わず口に出てたらしいけどそれお前ら酷いよ? 酷くね? 酷いだろ?
一人だけ多少マシなのは入ってた、と言うか居るとは思ってたけど。
チクショー。
ちなみに領主と神父の話し合いは合意が取り付けられた為に、この街では孤児院は領主の運営となって教会も保護対象となった為、宗教的な事もこれまで誰も関心を持たなかったこの街で安息日や祭りが設けられるようになって行くのだがそれは又別の話である。
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