第15話 魔法考察

          魔法考察

 さて、図書館を探索して帰って来たナノマシンからの情報も確認したところ、この世界には魔法が存在して居ない可能性が高まった。

 私の調べで、体内で様々な効果や変化をもたらすマナや、大気中に存在する魔素が存在すると言うのにである。

 もしかすると、そんな力を欲する人が居なかったと言う事なのかもしれない、この世界はきっと平和なのだ、そう認識する事にした。

 だが、魔法が完全に存在しないとは言い切れなかった、それは、ザインちゃんが私を勘違いして居るようだが、ハイエルフの存在だった。

 彼女の言う通り、恐らくは永遠とも言われる長き時間を生き、ユグドラシル、世界樹に抱かれて世界を監視する、神に近い存在。

 彼らにならば魔法が使える可能性は有る。

 いつか会いに行きたいものだけど、そんな事は生きてさえ居たらいつかは叶おうと言うもの。

 まずは私が長生きする為に完全義体をこの世界で完成させるなど、やる事は多い。

 今の所この肉体の年齢的に時間はたっぷりありそうだ、なのでまず、寿命から開放される為の開発を主流に色々作ってく。

 冒険者が居て怪我がすぐに治らないのであれば、私の義体は自ずと必要になっていくはずなので、方向性としては好都合だろう。

 そして必要と有らば魔法を、ナノマシンを媒介にしてでも再現してみる事も視野に入れて置くとしよう。

 私が大気中に放ったナノマシンは、私の体内に取り込んだ物と同じように、体内に取り込めば欠損部位も治せる程の性能が秘められては居るのだが、私以外の他人を修復できる程にまでアップデートさせる為には数十年程は増殖、情報共有と崩壊、世代交代を繰り返しながらこの世界の理を学習させる必要が有る。

 なので当面は万一魔物との戦闘などで四肢の欠損が有った場合にすぐに修復する事は不可能だ、回復系魔法、多分神聖魔法みたいなもの?も存在しない以上は、やはり義体の開発が最優先だろう。

 幸い、私のジョブがそれを早い段階で可能に出来そうである以上、出来うる最大限の事を成す、それが私だから。

 改めて私は、この世界で生きて行く為に必要なことを再確認するに至ったのだった。

 それにしても、未だ未知の物質 魔素、多分だが、体内に取り込んだ魔素が保有者に適合してコントロールしやすく変化したものがマナでは無いかと考察出来る、これのお陰で前世よりも様々なものを生み出せるような気がする、楽しみな世界だ。

 と、すっかり開発ばかりに目が向いて居て失念して居たが、そう言えば個人のステータスを明らかにするあの水晶、魔道具だと言う話だったが、あれはいったい何者が作ったのだろう、その辺も気になる、もしかしたら私より以前に魔素やマナの存在に気付いた者が居たのではないだろうか?

 今度魔道具についても徹底的に調べて見よう。

 先ずはギルドであの魔道具の入手経路を聞き出す事にしよう。

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