第16話 深夜の徹底検証
深夜の徹底検証
魔道具らしき物が有るので魔法が有るかと思えば存在が確認できない、全く意味が分からない。
この検証は後回しにして、もう少し調べて見る必要性が有ると感じた私は、最も肝心な事に目を向けていなかったことに気付き、視点を変える事にした。
魔素の存在により魔法等の超常的な事が起こりうる可能性が有り得る事までは解っている以上、この世界の宗教や、言霊等の呪術的な事にも目を向けるべきであったのだ。
手始めに教会を調べる事にした。
教会を探索しに向かったナノマシンは割とすぐに帰って来た。
結果、この国に限っては神は唯一神として太陽神の様な神が信仰されている・・・・はず・・・なのだが。
他国に関してもこの神が崇められて居ると確認出来る国家もまた存在しているが、別の神が崇められて居る可能性のある国もまたその存在が確認出来ているようだ・・・けどね、今一つ信仰心が薄い、どこの国も。
ただし、実は同じ神なのに別の名で違う形で信仰を受けている場合が有る事も、前世の世界で実際にあった事例でもあるのでそこは加味しておかねば成らない。
それにしても、私の知識としてラノベ等では良く異世界で信仰を受けている神は大概女神である事が多いんだよね、この世界は男神らしいけど。
それはそうとこの世界の男神にしても女神にしても思ったことを言わせて貰うと、地球で生まれた宗教の全てに言える法則として、高位の神になる程性別は曖昧になり、低級の神になる程性別がハッキリすると言うのが有る、逆に悪魔は性別がハッキリする程高位の悪魔になるらしい、従ってこの世界の神は神としては低級な神と成るのでは無いか?
その考え方で行くと、もっと高位の神は、この世界では果たして存在して居るのだろうか、気になる所である。
もしかして格下の神によって作られたかなり不安定で歪みの激しい世界なのではないかと疑ってしまう。
そして教会の権力はこの世界、と言うか少なくともこの国では限りなく貧民に近い物であり、ろくな扱いを受けている教会は無いに等しいようである。
逆に言うと、信仰心が低い世界であるが故に力を付けられない為に神の格が上がらないのでは無いかと言う考え方も出来る。
要するに私をここに呼びつけたあの胡散臭いおっさんがこの世界の神であろうと思われ、要するに自分の神格が上がらないのでこの世界の管理がますます力不足でずさんなものになってしまって居る為にさらに信仰心が薄れている、うん、悪循環だね。
つまり私に自分の神としての神格を上げる手伝いをして欲しい、もしくは私にこの世界の管理を丸投げする気満々だったと言う事に成るのでは?
う~ん、そんな重要な任務を任せたいにも拘らずあんな森の中に放置ですか、どうしてくれようあの阿保神・・・
言霊に関しては強い想いを乗せれば成立しそうなのだが、そこまで認識が無い可能性は有るのかも。
そんな概ね眉唾な呪いを祓うと言ったインチキ霊媒師のような行為や、居るとも居ないとも判らないようなアンデッド等の化物を祓う為の聖水と言う名の只の井戸水等で生計を立てて居ると言う現状らしい、むしろこの国に関しては教会の意味は、そう言った宗教的な物よりも孤児を預かって居る孤児院のようなポジションにしか教会が存在して居ない様だ。
しかしアンデッドか、大概の異世界には居るもんなのだが、居ないのかな、魔素が有る限り、魔素を取り込んだ死体がゾンビとして・・・とかってあり得る話な気がして来たので、そのうち詳しく調べてみよう。
どういう経緯でそうなったのか迄は解らないが、兎に角、少なくともこの国は、と言うか恐らくこの世界全体に言えるんだろうけど、あまり信仰心が強くなく、おかげでそのような現状である上に孤児院としての側面も、孤児の中でも大きくなった者達が盗みやちょっとしたダークな仕事をして稼いで来る金でギリギリ運営出来て居るのが現状のようだ、孤児が冒険者となって稼いで来るケースも少なくは無い様だ。
あの胡散臭い自称神め、民衆の信仰を受ける為には飴と鞭が要るって他の神から学ばなかったのか?
戦争や魔物の脅威と言う鞭と、聖遺物や奇跡と言った飴が必要だと言うのにそれすらして来なかったからこの為体なんじゃ無いかな?
簡単な事じゃ無いか、戦争とか、魔物の群れが街を襲うスタンピードとかを起こして恐怖を煽って、勇者を輩出し超法規的に誰が打ったのかも解らん在り得ないほど高性能の聖剣とかの聖遺物を生み出すとか、どこぞの鍛冶屋に天啓でも授けてオーパーツ的な魔剣や聖剣を作らせるとか、やりようなんかいくらでも有ったはず。
天啓や聖遺物が存在するのは重要な事なのだよ、やっぱり私にその辺をどうにか立て直してくれって事だよね?
やっぱ丸投げしてやがるじゃねぇかあのクソ野郎。
だけどまぁ、私なら全部一人で出来そうだしな、何なら魔王役も買って出るぞ、死ぬ気も無いからな。
魔王となった暁には容姿の飛び抜けて美しい美少年や美少女をいけにえに寄こしてくれたら数年ほど愛でて撫で繰り回して甘やかせて育ててハーレムを・・・げふんげふん。
いや、もしかして私が信仰心を植え付けようとしたら私を崇められてしまいそうな気もして来たので、結局この世界の神の神格は上がらない可能性も出て来ちゃったな、どうしたもんだろう。
まぁ、私も前世では人の母であり祖母であり曾祖母であり更にその前の先祖でもある訳なので、子供が酷い扱いを受ける事は容認出来ない。
色々画策して教会の地位を爆上げするしか無いだろうとは考えている。
正しい信仰は心の拠り所に成り得、人々の心を癒す拠り所となるのだ。
決して自分で全部やるのが面倒だからじゃないからねっ!
当然ながら教会にも回復魔法や神聖魔法のような物は存在して居ないので、そんなものに近い物をナノマシンで再現、作れたら良いかなとか思ってしまったが、魔素を徹底的に検証する必要がありそうなのでどれ程掛かるかは判らん、当面は孤児だけでも、子供がかわいそうなのは容認出来ないのでなんとかしよう。
ってか待てよ?言霊か、言霊に強い意志を乗せて大気中の魔素に訴え掛けられれば神聖魔法も属性魔法も行けるんじゃね?
所謂詠唱な。
いつかカッコいい文言考えて試そう。
しかし、子供は国の宝と言う言葉を知らんのか全く、この国の王や領主達は・・・教会は孤児を養っている以上最優先で支援対象でしょうに。
あ、良い事思いついた。
後、新しいナノマシン作って人工的に精霊役やらせちゃってこの世界に降臨させるのもアリかも知らんな。
色々新しい考え出て来てオラわくわくして来たぞ!
この度完成しちゃったかもしれないローポーションが間違い無くファンタジー性能だった場合、教会に卸してやってこれで稼いで貰って孤児を養って貰うのも手かもしれない。
兎に角あれをキース君に飲ませてみよう。
考えすぎて途中から自分でも良く判んなくなってたけど、疲れたからもう寝よう、おやすみなさい。
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