第14話 検証してたら・・・なんか出来ちゃった

     検証してたら・・・なんか出来ちゃった

 私は基本的に科学者、だから気になる事は徹底的に調べないと気が済まない。

 宿の部屋に戻った私は、早速、余分に採集して来た雑草、ナズナと薬草、根治草を調べる事にしたのだ。

 こういうのを調べる為には、検証専用のナノマシンを作るのが一番早い。

 早速ナノマシンを構成し、作り上げた私は、この三種類の差が何かを調べ上げた。

 何となく予想はしていたのだけど、やはり魔素の量が段違いだった。

 私の中だけで基準の魔素量を"mas"と言う単位に勝手に決めてその量を図る事にした。

 ちなみに1masはこの度採集してきたナズナの最低魔素量で決めた。

 ただの雑草であるナズナが当然低魔素となって、薬草と言われる物に変化したと思われるナズナは、採集して来た物の中での最低値で100masは含有している、そして、根治草と言われえる物の場合、500masと言う量が含有して居る事が分かった、魔素は多く取り込むとその草自体の形すら変えてしまうらしい、そこまでは大方の予想通りだった。

 次に、ナズナに魔素を人工的に与えたら変化を起こすのでは無いかと仮定として、何masで変化が起こるかを検証してみる。

 その為に魔素を操れる属性を付与した実験用の、魔素を操るナノマシンを作って見る、これには時間が掛かるかと思って居たけど何故かアッサリ完成、何だろね、この妙なスキルチート・・・

 早速実験をして見ると、予想していたよりアッサリと変化が起きる事が判った。

 何とナズナに83masも魔素を注入すると、変化が始まったのだ、そして完全に薬草と呼ばれて居る物の姿に変化し切ったころには100を超えて居た。

 そういえば薬草の周りに変化途中みたいな草もあったな・・・

 ではそのままでと、根治草と呼ばれるものに変化を始めるところを見たくなって更に魔素を与え続けると、400を超える頃にはゆっくりと変化が始まった、そして480を超える頃にはほぼ変化が収まった。

 もしかするともう一段階位変化が有るかもしれないと思い、更に魔素を注入するともう一回くらい変化を起こすのでは無いかと仮定し、実験すると、1200を超えると一時的に変化が起きるも、そのまま一瞬にして枯れていった。

 そのほんの一瞬変化したように見えた付近の魔素量に狙いを定めて、慎重に魔素を与え続けてみると、丁度その一瞬の変化を見た魔素量、1201masになると、光りだしたが、その変化には多量の水分が必要のようであっと言う間に枯れてしまうのだった。

 これはどう言う変化なのだろうと鑑定をしてみると、どうやらここで留めた時だけ、私の知りうる知識のラノベに良くある異世界独特の回復薬を作りうるものではないかと思われる変化が訪れていた。

 試しにこれをあの淡い光を湛えた状態で維持出来るようにしっかり水分を与えて維持し続けた結果完成した、淡く輝く薬草を元に、製薬錬成を実行してみたところ、淡いブルーの光を湛えた液体状の薬らしき物が完成した。

 早速鑑定をしてみると、このような結果になった。

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 ローポーション

 品質:B

 回復量:小

 怪我、疲労を瞬時に回復する事が出来る。

 錬金術によって作られる薬。

 ちょっとした浅い切り傷程度ならば後も残さず治す事が可能。

 尚、ある程度丁寧に修復出来ている古傷であれば消える事もある。

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 マジか・・・恐らくこの名前自体も私の知るラノベの知識から名付けられた名前では無いかと思う。

 それに何だろう、この瓶、私はこんなのを作る気は更々無かったんだけどどっから出て来たんだ?

 瓶の底には変な紋章と言うか魔方陣のような模様が描かれている。

 まぁ瓶に関しては勝手に錬成チートなのだろうと勝手な解釈で放って置て・・・と。

 これって、畑とかで育てて、根がしっかり土に埋まった状態での魔素の取り込みを行わせて1200を超えると、本気のポーションが量産できるのではないだろうか。

 きっと、枯れた理由は根が土に埋まって居なかったが為に急速に必要になった水分を供給される事が無かったためだった。

 うん、明日は採集中に見つけたナズナを抜かずにその場で実験してみよう。

 このローポーションの効果は、今出来たこれを明日キース君に飲ませてその効果を試してみるといいかもしれない。

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