第3話 お世話様です
お世話様です
「はい、ではこちらの水晶に手を置いて下さい。」
「はい。」
「へぇ、面白いジョブですね~、初めて見ました。」
「そうなんですか?」
「ええ、サイエンティスアルケミストってどんなジョブなのかしら?」
ん?サイエンスアルケミスト??何ですかそれ?
サイエンスは科学だから私らしいんだけど、アルケミストって錬金術師の事なんじゃない?まぁ科学者と似たようなもんだけど・・・
ってか何?私をこの世界へ転生させた神様だか何だか知らんがそんな超存在の方は、私にここで何させようって腹積りなのかな?
もしかして私にこの世界のファウストにでも成れとでも言ってるのかな?だったらそれはそれで面白いと思うけどな。
「では、エリーさんはFランクで登録されました、って言うか誰でも初めはこのランクです、冒険者ランクは基本FからAまでありまして、現在はAランクの冒険者は未だこの国には存在しません、パーティー全体でAランクと言う場合は今一組だけこの国にはあります。
多分、ソロでAランクと言う方はこの大陸全土でもおそらくはお一人だけでは無いかと思われます、現在では英雄ラインハルト様のみでは無いかと思います。
ですがAランクの上にもう一つクラスが存在します、Sランクと言いますが、現在このランクの方は存在しません。
Sランクになるには魔王クラスの魔人の討伐を成功した者か、もしくは最古の龍、古龍を討伐した者のみに与えられる栄誉あるランクです。
まぁ恐らく冒険者でここまで行く以前に何処かの国に騎士として取り込まれて一生安泰な暮らしが出来るようになってしまうでしょうから実際にSランクを与えられた方は今までの記録にはありませんので恐らく未だかつて居りません。
次にクエストについてですが、魔物討伐などの危険が増えるクエストは基本的にDランク以上にならないと受ける事は出来ません、但し、貴女がEランクになった場合、Cランク冒険者2名以上とパーティーを組むことでD及びCランクのクエストを受ける事が可能です、それと、一応Fランクでも、森で素材の採集中に魔物に襲われる事が無いとは言い切れませんので、万一襲われた場合、近くに居る先輩冒険者に手伝って貰うなどして討伐する事は可能です。
もしも倒せる実力が有るとしたらお一人で倒されても良いですが、ご無理は為さらないようにお願いします、最近低ランク冒険者の死亡事例が増えておりますので、ギルドとしては何方かに助けて貰って下さいと強く推して置きます。
ギルドからの注意事項は以上になります、がんばってAランクを目指して下さいね。」
はいはーい、長台詞頂きましたありがとー、お疲れさんね~。
何か説明の最後に説明と矛盾した事を言われた気がするが割愛しようじゃないか。
兎に角登録は済んだ、早速、今の体が生身らしいと言う事は、お腹が空くはずなので、何か食い物にありつく為にはお金を稼がねばならない、しかし困ったね、もう日が暮れかけているじゃないか。
途方に暮れていると、ザイン君がどこからともなく現れた。
「ハイエルフ様、一緒にご飯、行こう。」
「ハイエルフじゃないってば。」
「仕方ねぇな、俺達も付き合うぞ、宿代も持ってやらにゃダメそうだしな、セシルの奴に何言われっか分かったもんじゃねぇしよ。」キース君とクリスちゃんも現れた。
そうか、あの衛兵はセシル殿と言うのか、覚えておこう。
「皆さんありがとう。」
しかし、私のジョブが錬金術師っぽいと言う事は、何かをものすごく工程を端折って作り出したりできるのだろうか、後で宿屋でいろいろ試してみよう。
でも今は、おなかすいたしご飯ご飯と。
-------------
結論から言おう、この世界の食事は、塩のみで味付けされた粗末な物で大して美味しくなかった。
まぁ、料理は塩加減が大事と言うので不味くて食えない程では無かったけども。
折角味覚が以前のままあるのだから、きっと私の旨いと思う物は誰が食っても旨いのだろうから、早急に色々な調味料を開拓する方向に方針を固めた。
折角Cランクパーティーに食事に誘われたので、この町の付近の事くらいは詳しいだろうと色々聞いてみる事にした。
どうやら、環境も地球のそれと似通って居たので、ほぼ地球にある植物や動物は存在するみたいだった。
それではと、動物と魔物の違いを聞いてみると、変な怪しい黒い角が生えていたり色合いが変なものや、二足歩行になって居たりするのが魔物と言う漠然とした答えしか聞けなかったが・・・
つまり、牛が存在するのだが、牛の色がおかしかったらデモンズカウとか言う魔物で、二足歩行で武器振り回してたらミノタウロス・・・
ウサギに角が生えて居たらマンイーターラビットや角ウサギと言う魔物らしい。
ってかマンイーターラビットって、ウサギは基本草食な筈なのでそれはもはやウサギですら無いのでは?
えぇ~って感じだが、何とも言えない。
もう少し細かく掘り下げてみたら、牛は食用で食べられたりする為に牧場で育ててたりする、デモンズカウは、食べられる事は食べられるのだが、臭くて美味しくないと言う、しっかり血抜きしたら美味しくなる気がしてきた、ミノタウロスはと言うと、二足で武器扱うような魔物は魔人の一種と言った扱いになる事もあるらしくて、食べた奴は居ないのでは無いかとの事だった、うーん勿体ない、聞く限りではおいしそうなのに。
夕食を奢って貰うわ宿代は払って貰うわで何から何までお世話になってしまった私は、ちゃんと早急に返すと誓って彼らと別れた、とは言っても彼らの泊まってる部屋は私の部屋の並びだったのだけど・・・
しかしあれだよね、宿屋に三人パーティーで一人一部屋づつ泊ってるって効率悪いよね、戸建て賃貸みたいのないのかな。
あ、そう言う箱物自体購入とかは高いのね、この世界でもきっと。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます