第7話 引き潮

引き潮に乗り、沖へ出る。神隠しにあった子どもが、沖に浮かぶ蜃気楼で暮らしている。確かに、数年前に消えた子どもの姿があった。誘い出して一人、二人と連れて逃げる。こんなに良い夢を見られるのに帰るのか、と蛤が哀れんで泣くが、私は私を生きる為、何度でも蜃気楼に行き、過去の私を連れ戻す。

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