第5話 秋灯
秋灯に誘われて、夜道をそれて窓辺に近づく。カーテンを開けたまま本を読んでいた友人が、こんばんは、と微笑んだ。「金木犀が香るから、窓も開けていたんだ」近くに花は見当たらないが、ほろほろと、甘い匂いが漂っている。「見て」友人の示す先、金木犀の花が地面に広がり、小さな龍達が啄んでいた。
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