27話 消滅
あの旅行は、季節外れの大雨によってあまり楽しめなかった...
箱元市、そこで起きたことはみんなと温泉街を散策し、雨が途中に降ったので、宿泊先にて籠るだけの日だった。それでも、春が持ってきたカードゲームとかで暇つぶししていた。雫、春、そして私...美帆にとってとても楽しいと思えた旅行だったと思う。
■
そして、12月に入る。もうじき学校が終わる。
「なあ、美帆ちゃんさー」
「どしたの?春くん?」
春は真剣そうな顔でそう問う。
「クリスマスイブにさ、雫に告白しようと思ってるんだけど...」
「え〜!いいじゃん!」
美帆は嬉しがる。春は照れる。
「それでさ、雫の喜ぶことって何かわかるかな?プレゼントしたくて...」
二人は彼の恋の行先について語り尽くす。
一方、当の本人は...
(あの時、わたしと春と美帆だけで旅行に行ったんだっけ?誰かあと1人いなかった?何か大事なことが抜けてる気がする...)
彼女のもとにはその誰かに関する記憶と超能力自体が消えている。実際彼女が実は超能力者ということにも気づいてない。今の彼女はただのかわいらしいショートの彼女だ。
■
「RAIN...君に俺がもつすべての情報を明かす」
とある国のとある雑居にて。
「これはあくまで仮説。組織が目論む真の目的がある。それは...」
RAINはその仮説を聞き、憤怒した。そして彼女はBLACKに着いていくことにした。
世界の破滅、その時まで...
■
最近、何かが足りない。
美帆はそう思っていた。旅行から帰ってきた日からずっと何かを思い続けている。この気持ちは何?私はなぜこんな気持ちになるの?
美帆にとって何かが足りない。
それが一体何なのか?私は何を求めているのか?
一体誰を...え?私は今なんでそれが人だと思ったの?
●
「雫、明日のイブさ、一緒に出かけない?」
「え?...別にいいけど」
春はその気持ちをはっきりするために雫を誘う。
「美帆も行くの?」
「いや...」
雫の顔は真っ赤に染まる。
「え!え?」
「明日、昼12時の!白刃公園に!」
そう言い、春は逃げる様に教室を出て行った。その顔は雫と同じく赤く染まっていた。
そして来る日、白刃公園。そこは雫と美帆がはじめて春と出会った思い出ある公園であった...
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