27話 消滅


あの旅行は、季節外れの大雨によってあまり楽しめなかった...


箱元市、そこで起きたことはみんなと温泉街を散策し、雨が途中に降ったので、宿泊先にて籠るだけの日だった。それでも、春が持ってきたカードゲームとかで暇つぶししていた。雫、春、そして私...美帆にとってとても楽しいと思えた旅行だったと思う。



そして、12月に入る。もうじき学校が終わる。


「なあ、美帆ちゃんさー」


「どしたの?春くん?」


春は真剣そうな顔でそう問う。


「クリスマスイブにさ、雫に告白しようと思ってるんだけど...」


「え〜!いいじゃん!」


美帆は嬉しがる。春は照れる。


「それでさ、雫の喜ぶことって何かわかるかな?プレゼントしたくて...」


二人は彼の恋の行先について語り尽くす。


一方、当の本人は...


(あの時、わたしと春と美帆だけで旅行に行ったんだっけ?誰かあと1人いなかった?何か大事なことが抜けてる気がする...)


彼女のもとにはその誰かに関する記憶と超能力自体が消えている。実際彼女が実は超能力者ということにも気づいてない。今の彼女はただのかわいらしいショートの彼女だ。



「RAIN...君に俺がもつすべての情報を明かす」


とある国のとある雑居にて。


「これはあくまで仮説。組織が目論む真の目的がある。それは...」


RAINはその仮説を聞き、憤怒した。そして彼女はBLACKに着いていくことにした。


...



最近、何かが足りない。


美帆はそう思っていた。旅行から帰ってきた日からずっと何かを思い続けている。この気持ちは何?私はなぜこんな気持ちになるの?


美帆にとって何かが足りない。

それが一体何なのか?私は何を求めているのか?

一体誰を...え?私は今なんでそれが人だと思ったの?




「雫、明日のイブさ、一緒に出かけない?」


「え?...別にいいけど」


春はその気持ちをはっきりするために雫を誘う。


「美帆も行くの?」


「いや...」


雫の顔は真っ赤に染まる。


「え!え?」


「明日、昼12時の!白刃公園に!」


そう言い、春は逃げる様に教室を出て行った。その顔は雫と同じく赤く染まっていた。


そして来る日、白刃公園。そこは雫と美帆がはじめて春と出会った思い出ある公園であった...





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