26話 覚醒
雫は目を覚ました。
「え?え?春くん?あ、あの女!よくも美帆を...」
「違う!雫!こいつはもう大丈夫だ!!今は急に性格が変わった春...」
RAINはうなづく。
「ねえ、BLACK?聞いたことないか。組織で、あなた以外の最恐と呼ばれた殺し屋を!?」
「そんな、まさか...な」
一心は信じようとしない。春が組織側だと...
だが、雫は春が別のものに変わったと考える。
「春は操られてるだけ、彼の心の中で春と何がおぞましいものが戦ってる。」
雫はテレポートで上に上がり、近くの湖をバキュームで吸い上げる。その水を彼にテレキネシスで浮かせ、解除。ぶっかける。
「目を覚ませ!春!」
■
俺、一体ここで何やってんだ?
春は真っ暗な空間をただ漂う。何もない空間。
何か外から聞こえてくるが、それが一体何なのかわからない。
そこに赤い人影が見えてくる。
「mせ...」
「え?」
「sませ...hる」
だんだんと聞こえる声はどこかで聞いたことある声。忘れてはいけないもの。
それとは別に他の記憶がある。手に染まった血、その風景が何枚もフラッシュバックされる。その中に去年の文化祭が...
「はは、まさか、俺って...」
負の感情に苛まれようとする春。
『目を覚ませ!春!』
その声ははっきり聞こえた。
■
「我々の最終兵器、英樹が作り上げた悪の人格。アンタの発明、役にたくさん立ったぜ」
遠くから見つめる育成者。彼は今何を思うのか。
■
「アググ...」
春?は頭を抱える。
「春、戻ってきて!まだ...アンタに伝えなくちゃいけないことがあるんだって!?」
雫はチェンジを使う。春の中にある邪悪なものと雫の超能力をチェンジする。
「雫!お前、なにやってんだ!?」
一心は叫ぶ。
「わたしが私でなくても、春が救えるならこんな超能力、要らない!!!」
雫から光り輝くものが、春から邪悪に輝くものが出て、入れ替わろうとする。
パリンッ!!
春と雫は同時に倒れる。その場に残ったのは二つの輝くものを切り裂いた一心と、美帆を見守るRAINだった...
「RAIN、ここにいるみんなの記憶、消せないか?」
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