24話 目覚め
風呂の方が騒がしいので、恐る恐る覗く春。
(なんだよ...あの女!?あ、雫と美帆を抱えて...!?助けなきゃ、助けなきゃ...)
春の足は石のごとく動かない。
(なぜ?動かないんだよ?なんでだ...なんでだ!)
「RAIN、英樹さんは知らないか?」
「アンタの育成者なんか、知らないわよ!」
「お前の育成者は?」
「は?なんで、アンタに言わなきゃいけないのよ?」
「...お前の育成者は?」
「!?何よ...」
一心にはある確信があった。
◼️
数日前、一心はなかなか連絡の来ない英樹を気になってか、あのお屋敷など英樹が居そうなところをあらった。そして、彼はたどり着いたのである。今まで一度か二度かしか来た事のなかったアルマダ国総本部。警備の者は見えないが、一心にはわかっている。ありとあらゆるところにレーザースキャンがあることに。警備は全てAIだと。そのレーザースキャンはブルーライトカットのサングラスでよく見えるようになるらしい。それをかけて、本部へ入る。英樹さんが居そうなところ...
資料図書館の前に着いた。ここに着くまでの廊下、全てにレーザースキャンはあった。この中も否めない。中へ向かう。かなり広い資料図書館、レーザースキャンはないようだ。隅々までそこを調べる。ある地点に着いた時、ふと本棚の方をむくと、血のついた本が見えた。恐る恐るそれに手を伸ばし、読む。
「...まさか...英樹さん、これを見て...」
恐ろしくて、手を離した。その本が落ちてゆき、床にドンとぶつかった。そしたら、警報音が鳴り響いた。
『侵入者発見、侵入者発見!』
「なんで、今反応したんだ?」
一心はすぐさま逃げた。その本を置いて...
−本のタイトル『無敵艦隊アルマダ』
◼️
「教えられねえなら、もういい...」
「は?なんなのよ!」
「その二人を置いてくれないか?」
一心は土下座をして、頼んだ。
「え!お前、だいぶ堕ちたな!!BLACK〜?」
「お前とは戦いたくない、お願いだ!」
「は〜?戦いたくないって...」
RAINの方に無線が聞こえる。
『一心ごと、殺せ!』
「...私はアンタを殺す気に変わった。ありがとね、先輩♪」
RAINは二人をその場に置いて、腰に携えた小刀を装備した。
◼️
闇夜に包まれる高層ビル最上階...
赤い影は薄れてゆく。
「残念だよ、すぐにやられちゃうなんて、やっぱり殺して正解だったよ。漆山英樹...いや、佐藤英樹さん。」
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