11話 任務報告

来たる文化祭まで、あと3日となった頃。


一心は、連絡をとる。誰からも受診をすることはできない特別製の通信機を使い、漆山さんに報告をする。


「どうだ、BLACK...うまいこといけたか?」

「いえ...まだです」

「ふははは!そうか、そうか。あの伝説の殺し屋でも、あの子は殺せないか!」

「すみません...」

「いやいや、元々長期任務の予定だし、ゆっくり策を練って暗殺へと遂行してほしい。」

「はい...」

「ん?どうした?」

「いえ、なんでもありません」

「そうか...まあ、なんとか頑張ってくれよ。も期待しているから!」

「はい、我がいのちが尽き果てようと、めいに従うのみ!」


そう言って、一心は通信機を切った。ため息をつく。ベランダを出る。夜空を見る。星を見る。ただ遠くにある星を...





一方、漆山さんは通信機を切ったあと、会議中と書かれた札のついた部屋へ入る。そこには、丸い机を囲んで、4人座っている。五芒星となるように漆山も座る。

そして、とある男が言う。


「なあ、英樹さんよ〜。お前さんの殺し屋、まだ任務達成してないのか?」

「まあ、難しい依頼だし、なおさら君んとこの殺し屋でも無理だった依頼だよ。」

「な..!あの財閥の娘の依頼かよ!」


そう言うと、彼はすぐに何事もなかったように、黙る。そして、空気が静まったタイミングで、赤髭の人が話を切り出す。


「それでは、今宵も忙しいところを、集まりいただきありがとう。」


そう言うと、5人は立ち上がり、こう叫ぶ。


『我がいのちは我がめいめいに従えし者はいのちを捨てる覚悟を!』


この言葉はとある殺し屋所属組織のスローガン。世界を裏から支える組織である。

この言葉を唱えたのち、上からとある大男が現る。その人物こそが、この組織の首領である。


「今宵も集まってくれて、余は嬉しいぞ!」


彼がそうおっしゃると、5人は跪く。


「はい、国王殿下!!」



殺し屋所属組織、アルマダ国。

歴史は古く、あのエリザベス一世が治められた時代まで遡る。

現首領、アルバート15世。

第一育成者、赤ひげのキース

第二育成者、黒縁メガネのケビン=ケビン

第三育成者、漆山 英樹

第四育成者、赤眼の庵野あんの 政一まさかず

第五育成者、ハゲのプルテンチョフ


彼らに育てられた殺し屋総数約100名、その一位に君臨するのがBLACKである。



首領、国王が来られたところで、キースが仕切る。


「それでは、仕切らせてもらいます。本日の議題は...殿下財閥の娘、殿下美帆についてです。」


国王様含め、またかよ...と言うような顔を見せる。



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