混沌の文化祭
9話 希望に満ち溢れた文化祭10日前...
一心は、9月に転校という形で、ターゲットに近づいた。よって、この学校の行事についてまったくわからないのである。粗方調査しておくべきだったが、依頼主から急速にすべし、とのことだから、あまり詳しく調べておいてなかったのである。
担任の琴子先生が、言う。
「みなさん、高校2年としてもっとも楽しいイベントが後10日で開催されます!」
教室は瞬く間に、歓声で覆われる。しかし、一心は頭の中があの時のことでいっぱいだった。隣のターゲットと一心との関係。一心はそう疑問に思ってしまったのだ。生きてきて早10数年、初めての気持ちである。
こんな気持ちになってるため、後ろのあの少女は少々困惑していることに一心は気付かない。まして、暗殺のことも考えられないようになっている。
「我がダチよ!」
後ろから、急に背中を叩かれる一心。春である。
「何、深刻そうな雰囲気してるのだ?文化祭だぞ?あの、希望で明るい楽しい文化祭がもうじき始まるんだぞ!」
「え、あ...そうなのか」
無論、一心は文化祭というものを知らない。一心が知っているのは、かつて戦ったお祭り男爵とへの暗殺計画で少し祭りに参加したことがあるだけ。
「しかし、まあ...この時期に君は転校してきたもんだ...」
春は何やら、考えている。そこで、雫は感づくが、時すでに遅し。
「やはり、ここはメイドカフェにしないと、劇...間に合わなくないか?」
もともと、このクラスは劇をする予定だったらしいが、何かのトラブルか劇が進行不可になったらしい。このことは先日、担任より聞いていた。
もちろん、クラスの女子は嫌がり、男子は歓喜。
「まあね...劇での大道具が何者かに壊されてしまったし、残ってるのを見ると、それぐらいが妥当かな?」
意外にも、先生は乗り気。本音は最近ハマっているアニメがまさにメイドものだから。さあ、女子の人数15人、男子の人数15人+先生。よって、多数決により、可決。もちろん、女子は乗り気でない。最終的に男子と先生の圧力により可決。まあ女子も表向きは否定をしていたが、裏ではなんだか乗り気のやつがいるような...
そんなことが起こってたのに、一心はずっと上の空、何も考えられなくなっていた...
そして、そのことが少し気になる雫であった...
「あいつ、一体...」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます