8話 今日も疲れた仕事なのよ
学校の教師になって、早数年。
30を超えても、未だ若者扱いをされる。主に年配の大先生方が。
ごく数年の間は連続で担任教師を任されている。
まあ一応結構ええトコの大学出てるし、お世辞ではないがかなり生徒からも先生からも信頼は厚い。
だから、私は困っているのだ。
■
私の名前は、
この高校で、英語教師を受け持ち、我が2年C組の担任をする敏腕教師である。
まあ自分で言ってて少し恥ずかしいが...
しかし、そんな私でも最近かなりな悩み事がある!
それは、二学期始まったときに転校してきた子についてだ。彼が来てからというもの、窓側の端っこの席がなんだか騒がしいとの苦情が各担当の先生たちから、よく聞く。確かに授業中騒がしいことはいけないが、しかし私はそういうことで悩んではいない。
私が思うに、その転校生くんの言葉の端々に何やら普通の高校生とは違う違和感を感じる。さらに、その席の近くの雫さんも何やら隠し持っているような気がする。
そこで、私が今まで街中の人々の職業当てゲームで鍛え上げてきたこの審美眼で得た結論とは、ズバリ...!!!
『2人はオタクなはずだ!!』
しかも、私の愛するマイナーアニメ『エスパーキル』の主人公二人組と似ているのだ。だから、2人はそれを愛するオタクに違いない。だから、そのアニメを誰かに言いたいが、たかがマイナーなので、言うに言い切れない。これは私が今まで経験してきたデータである。確かに、そのアニメは殺し屋の男の子とエスパー少女がいちゃラブするとんでもエロティックなアニメであるが、私はそうは思わない。なぜなら、そのアニメは実は意外と人の道徳心を鍛え上げるようなそんなものなのだ。そのアニメさえあれば、この世界を救うことができるはず。私はそう信じているが、如何せんジャンルがジャンルなので、周りに言い広めるのが恥ずかしい。わかるよ、その気持ちは。だから、私はあの2人を支えていくことにしよう!!
そう決めた、アニメオタク英語教師の琴美であった。
■
先生...全く違いますけど...むしろアニメではなく、ホンモノですけど。私とあいつは。
と、心の中でつっこむ雫である。
■
どうすればどうすれば...
一心は今日の朝での出来事により、人としての感情の整理ができておらず、ただじっと授業を聞いているふりをしていた。
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