6話 先生の説教って長い場合あるよね
一心と春は遅くに登校したということで、放課後に生徒指導の先生からものすっごく怒られた。
しかし、一心はあまり恐怖心は持たない。一心にとって戦場へ向かわせる教官やら闇の組織の親玉やらの顔に比べるほど怖くないからだ。
それでも、多少は恐怖心があった。まあほとんど面倒くさいの一点張りだったが。
「あなたたちね、一体どこに行ってたの?先生、心配したんだから!ったく...もう二度とこんなことにしないでよね!」
「は〜い」
春はまるで反省してないかのような笑みを浮かべる。まあ彼はバカなので、この場の雰囲気もよくわかってない。
「でも、まあ今回は反省文2枚だけで許すわ!次もまた、悪いことしたら50倍だからね!」
この高校では、生徒が悪いことをしたら、反省文をその罪の分量分の枚数を書くこととなっている。このことは、調査済みだ。
だから、一心はめんどくさいと思ったのだ。でも、春はまだことの深刻さに気づいてない様子。
「なんだったんだろうか、由美子先生...俺らに何を書かせるのかな?」
反省文だよ!!と一心は心の中でそう叫んだ。
そして、一心は彼を無視して、生徒指導室の長机で反省文を書き始めた。一心が殺し屋だとバレぬようにただ普通の生徒を演じているだけ...なのに。
なぜこのバカは、そんなにもはしゃいでるのだろうか。少し学校の中でも特殊な生徒指導室の備品をあんなにもいじくりまわすのだろうか。本当に馬鹿野郎だ。
「一心くん!春くん!大丈夫だった?」
ガラガラとドアが開き、ターゲットとその親友がやってきた。案の定、めっちゃ睨まれている。
「おお!愛しのエンジェル〜!!」
彼が雫の方へ向かうと、彼女は顔を赤くし、何か見えない壁を作り、そのまま反対の壁へ押しやった。ボゴッとヒビが割れた。
「もう雫ったら、そんなことしちゃダメでしょ!」
「...いや、これは...えっと、その...」
一心は心の中で、チャンスと思った。なぜか彼女が顔を赤くして、目をそらしたから。頭の中で殺しのプランを組み立てて、思いついた。
シャーペンのシャー芯を持ち、少しトイレ行ってくる〜っと言わんばかりに立ち上がり、ターゲットの方へ向かう。その芯を首元に刺して終わり。しかも、このシャー芯は普通ではない。特別な材料を使った超硬度な芯である。
さて、実行に移す。計画通り、立ち上がり、ターゲットの方へ向かう。そして、そのまま刺す...
というところで、春が思いっきり、突進してきて、一心は突き飛ばされて、廊下の方へ出て行った。
「ヤッホ〜!!美帆に雫ちゃん、今日も可愛いね〜!!」
「あら、ありがと!春くん!」
雫は顔を赤くして、背ける。
「もう、雫ったら、ちゃんと褒めてくれているでしょ!感謝しなきゃ!」
美帆もちょっとズレている。春はバカだけど...
いやいや雫はそんな照れるようなことを振り払い、あの殺し屋の方を向く。
あ、ヤムチャっている。
その後、生徒指導の先生、鬼教師、
●本日の勝者:春
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