4話 その日の夜に反省するべし

 ■一心の夜


 その後、彼女らとただ呑気におしゃれなカフェで道草を食ってた。いやまさかあの殺し屋が、全く殺し屋としての仕事を忘れていたなんて、驚きしかない。しかし、まあ彼女らの情報を得るという点に関していえば、仕事をしたといえよう。いや断じて仕事を忘れていないと思いたいだけだが。

 殿下家のお屋敷に入れば、信じられないほどの警備。そのため、美帆はできる限り、堅苦しいところに居たくはないらしい。正直言って、そのお屋敷の警備はまるで裏の国家機密を守るかのようだった。ああ、一応美帆ちゃんの家まで送り迎えをしてあげたから、そのお屋敷を見たというわけ。

 しかも、そのお隣さんの何ら普通極まりない赤いお屋根の、緑の壁の家があの雫ちゃんの家のようだ。まあ、俺は警戒されているため、なかなか家に帰らなかったから、俺は家に帰るふりをして、無心で、尾行した。その結果で、家が判明したのだが、まあ帰宅後や真夜中に遂行するのは限りなく難しいと判断した。

 やはり学校の中でやるべきだろうと再確認した。

 それと比べて、俺の部屋と来たら...

 なぜ二畳のトイレのみ、オンボロアパートの一室だろうか。理由は明確だが。


 俺はこの任務は短期戦になるだろうと思い、まあアジトは少し安めに設定したらこれになっていた。俺は最近疲れているのだろうか。今まではすぐに殺すことができたのに、彼女らのことときたら、なかなか遂行できない。ということで、俺は今日も次の日の暗殺作戦を立てることとした。


 ■雫の夜



 今日もまた、美帆狙う殺し屋がやってきた。これで何度もなの?もう途中で数えるのをやめたわ。それにしても、美帆はなぜあんなに危機感を持ってないのかしら。そのために私は今まで命を張って美帆を助けてきたのよ。まあ親友だし、当たり前だけどね。でも、それにしても...

 それ以上は、やめておこう。おそらく明日も狙ってくるでしょう。だから、絶対に美帆を守るから!


 ■美帆の夜


 やっとはじめて転校生と友達になった!これで雫を含めて、4人の友達ができたわ。明日は何遊ぼうかしら...ZZZ




 ●彼らは今宵も寝る、明日の戦に備えて。

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