第7話

かおりに中学のクラス会の案内が届いた。

懐かしい顔ぶれが並ぶ。


男子生徒は全員姓名が書いてある。

女子は旧姓の隣に現在の姓も書いてある。

男子は

結婚していても

離婚していても

していなくても名前が変わらないが、

女子のほうは一目でわかる。

名前が変わっていないと、気まずくてクラス会に行けない人さえいる。


「久しぶり! かおり結婚したのね!

名簿観てビックリした。おめでとう!!」

「うん、ありがとう!」


「もう白拍子家は継がないんだ」


「ご主人が社長になるの?」


「かおりちゃん、実は好きだったんだけどな。あきらめるよ」


かおりは思った。

どうしてこんなことが起こるのだろう。

女性だけが名前を変えるなんて。

絶対男女差別だ。

愛情を踏み絵に名前を変えなくてはならないなんて!


相変わらず圭太は優しかったが、かおりの心はだんだん重く辛くなっていった。






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