第6話
かおりは亀田の姓で入籍した。
かおりの両親は何とか説得した。
ショックだったようだがかおりの幸せと年齢を考えて許してくれた。
変えなくてはならないもの。
土地の権利書。白拍子商事の建物はかおりの名義の部分があるのでまず変えなければ。
取締役の名義変更。保険証、免許証、パスポート、固定電話、携帯電話の名義変更、銀行口座、パソコンのあらゆる登録も本名でしないといけないものは全部変更。口座から落ちるものは口座名変更に従ってすべての手続き。
それから会社のゴム印、スタンプ。
免許証。車検の名義も変えなくちゃ。
司法書士も使って半年かかり、莫大な費用も掛かった。
あ、ネットバンキングも変えないと。診療券も全部。
区役所から電話があった。
「亀田さんはいらっしゃいますか」
「亀田はうちにいませんけど。大手町の会社勤務ですが」
「そうですか、亀田かおりさんはいらっしゃらないんですね」
「え・・? かおり、ア、私です。」
「は?」
前は銀行に行くと前は
「白拍子さん」
と呼ばれると近くの人がふと(あの白拍子商事の?)と微妙に反応があったが、
亀田さんになってからは、全く無反応。
健康診断に行った時
「亀田かおりさん」
呼ばれたときは涙がでた。
圭太のことは好きだ。でもそれとこれは違う。
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