第4話

かおりの両親はあっさり結婚に賛成してくれた。会社のほうはかおりが継ぐことになっていたので、特に有能な営業マンでなくてもかおりの女房役で良い。温かい家庭になれば良い。ひたすら娘の幸せを祈っているのでよろしく頼むとのことだった。


圭太の茨木の実家にあいさつに行ったところ、ご両親もことのほか喜んでくれた。

「嬉しいね、こんな立派なお嫁さんが来てくれるなんて。ご先祖様も喜んでいると思うよ。」

神だなに手を合わせると父親が言った。

「亀田の家に良いお嫁さんが来てくれることになったよ。亀田家もこれで安泰。ずっと長く続くように」


(うう、ちょっと待った。結婚するって私亀田家の嫁になるの?私、白拍子かおり

じゃなく亀田かおりになるの?)


帰路、圭太に聞いた。

「圭太、私結婚したら亀田かおりになるの?」

圭太は目を見開いて、尋ね返した。

「えっ?・・・もちろんでしょ?」


かおりは茫然とした。

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